夕立に頬を打たれる

生ぬるい夏の雨が
乾いた地面を濡らす

湿度を孕んだ空気が
貪欲に街を飲み込む

蝉時雨に
耳を塞ぐ間もない

信号が青に変われば
たち消えてしまうだろう

蜃気楼のような
君の面影など

傷に触れる前に殺した
僕のことばなど

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