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#純文学小説

廃城の姫

お題 暑い流刑地

ひな子はここのところ、湯呑み茶碗を洗わずに、毎日そのまま使っている。
飲んでいるのは水で、氷のあるときは、たくさん入れて笑顔でのむ。
めんどうくさいのだもの。それがひな子の言い分だった。布団からのぞく足を、ぱたぱたと泳ぐように動かして、笑う。つま先はぴんと、バレリーナのように伸びていたので、美しかった。
仕事でおれが何日か帰ってこれないときは、洗ってあげたりも出来ないので、雑菌

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