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ドアで大盤解説ができるツール

ものづくりが大好きです。
そしてセルフロックダウンで家内制手工業が加速しています。

今回は自作大盤についての話。
まずはこちらをご覧ください。

モデルはねこまど将棋教室の人気講師ななこ先生です。
「78飛車っ☆」のあとにぴょんて跳ねるの最高に可愛くないですか…?

ななこファンになったあなたにはYoutubeの「ななこちゃんねる」をぜひ☆

前置きが長くなりました。

この自作大盤をつくった経緯としては

・出張教室のために大盤を運ぶのにいまのセットは重い
・実際の駒と表記を揃えたい
↑裏が「成桂」などと書かれている駒だと、漢字のわからない子や外国人には説明・理解が難しいのです。

以上の理由から、オリジナルの布製の大盤と木製の駒を作りました。
総重量1キロ強で持ち運びが楽になり、ねこまど一字駒と同じ書体なので説明がしやすくなりました。

しかし、まだ課題は残っていて、
・布だと皺がよってしまう
・とめるためのマグネットが別途必要
・駒そのものに動き方が書いてあるほうが教えやすい

ほかにも
・いろんな色があったほうが見やすい/可愛いのでは?
・盤が分割できると持ち運びだけでなく出題にも便利では?
など改良の余地がありました。

盤を分解する案は随分前から考えていたのですが(拡張できる将棋盤があったらいいなと)、大盤の分解に気が付いたのは使っていた盤の一部が傷んでしまって、他の部分を使うためにはさみで切ったことからでした。
怪我の功名ですね。

ちなみに動き方を書いた駒を昨年10月から自作(手書き)しています。通常の駒のほうはドイツのエッセンシュピールで販売したのがスタートで、その後11月には大盤の駒を作ってシドニーの授業で使ってみました。
通常の駒に▲印を入れたバージョンは海外の支部からお求めいただき、それから100組ほど作っています。

シドニー将棋クラブのしゅうまさんが世界各地での日本将棋連盟支部の立ち上げを応援していて、将棋道具を寄贈してくださっています。そのプロジェクトでフィジーとモザンビークにも送りました。

この駒の良さは、動きの目印となる▲が程よく小さいので、動かし方をしっている人もあまり気にならず、知らない人には十分な助けになる、という点です。私自身も使っているのですが、もともとの字が大きくて読みやすいのでぜんせん違和感なし。この駒デザインで初心者用の教材を作ろうと考えてillustratorでデータを作るなどしているところです。

大盤の駒を製作するには、イラレのデータをプリンターでラベルシールに出力し、それを切って貼るという行程です。その作業をしながら、このラベルに大盤のマス目を印刷してマグネットに貼ればできるんじゃない?と思いついたのが先月のこと。
それ以前はマグネットシート印刷をしている業者さんに発注しようと考えていたのですが、結構なお値段になるので、まずは市販のマグネットシートを購入して自作してみようと。素材が見えてくると一気に作業が捗ります。
いくつかのシール素材をためし色を調整して、マグネットシートの強度を試す。a4に3x3盤を配置したら、あれ?このスペースで駒も作れちゃうんじゃない?と気が付く。マグネットシート上乗せでも、軽いければくっつくことが判明。
て…完成したのがこの子。

ドアに貼ったのは、家に会った一番大きな鉄板がドアだったというだけの理由です。なかなかの圧。
玄関に大盤てなかなかの狂気…。

しかし、これは単なるネタではなくて、いろいろな可能性を秘めていると思っています。

数多くの海外の将棋普及イベントに参加してきてわかったのは、大盤があると遠くからも目立つし説明しやすいということ。
そのために各地の普及活動家は大盤セットを日本から取り寄せたり、自作したり、それぞれコストと労力をかけています。

私がweb上でこの作り方を公開すれば、だれでもつくれるようになるし、仮にたくさん必要になった場合は手作業ではなくて商品化することもできる。
A4サイズに収まるので、多少重量はありますが国内ならレターパックで送れます。

ひとつだけ残念なのは、磁力の問題で後ろに成駒をつけられないところ。現状は表面のマグネットと、裏面(成駒)のマグネットが分かれています。
もし両面で作るとなると、安い素材だけでは作れなさそうです。が、もう少し実験してみます。

とりあえず、今日はここまで。

「日本の将棋を世界のSHOGIに」 いただいたサポートは全額将棋の普及に使います。各地に寄贈する将棋盤駒代と渡航費。応援よろしくおねがいします!