ホワイトフローリングと東京
私にとって、神奈川県川崎市は「東京」だった。
地方出身者は主に車社会なので、上京したての頃は距離感覚が今よりずっと壮大だったし、許容範囲がすごく広かったと思う。
「渋谷からは乗り換え1回で40分くらいですね」
いつも家から車で30分かけて市街地へ出かけていた私からすると近いんだか遠いんだか全くピンとこなかったが、全然イケる距離だと思った。
渋谷かどこかの不動産の店舗には、私と同じような年代の子たちが、中には母親同伴で相談に来ていて、私は区切られたカウンターに通された。