神様、彼にもう一度チャンスをお与えください

たぶん5.6年前になるかなー。
その頃、辞めた会社があるんですよ。
なんと、その会社が今年になって倒産していました😱

少し前に久しぶりに元同僚から電話があったんだけど、その時、私は忙しくて出なかったの。かつ、仕事では親しくしていたけれどプライベートでは交流がなかったし、なにより辞めてから今まで音沙汰なしだったので折り返しもしなかったんだよね(笑)。
「なんの連絡だろう?」とは気になっていたけど、恐らく倒産の話だったんだろうな、と。

その会社は静かな街にある小さな会社で。
私の人生であそこまでワンマン経営の会社で働くのは初めてで緊張していたけれど、いかんせん、なぜか給料が高くて。おまけに働き方の自由度も高く、それが決め手になって就業したというわけ。
社員数は少なかったけど、資本金は意外と大きく、「だから大丈夫かなー」ってのんきに構えてた。

辞めた理由は、仕事内容がどう考えても面白くない、社長のビジネスセンスに疑問を感じた(時代にあってない)、辞める2年ほど前から会社の業績が恐ろしく芳しくなかった、それに伴い給与が下がる打診を受けたこと。
辞めて後悔はまったくないけれど、まさかこんな形でお世話になった会社が終わりを迎えるとは…。
一時期は海外に支店を置くぐらい羽振りが良かったから、まったくもって栄枯盛衰だね。

ここに入った頃、私は金銭的に相当苦しい時期を過ごしていた。
どうにもこうにも首が回らなくなり、仕方なく社員として働き始めたんだけど、その時、拾ってもらった恩は感じてるからなんだか寂しいね。
初めて面接を受けた時、ちょっとした行き違いがあったのだけど、社長は臨機応変に対応してくれて助かった。
なにより、彼の説く働く意味が当時の私には合致しており、とても共感できた。
正直、元同僚達には尊敬も親しみも感謝も何も感じないけれど、社長のことは尊敬していたし親しみを持っていたし今でも感謝している。

AIが台頭してきて様々な仕事がそれに代替され、多くの職種が不要となりつつあるよね。
時代は常に変化していて、日単位でみると代わり映えしない今日でも、俯瞰してみるとずいぶん時代が作る景色は変わっていると思う。
まるで渋谷駅の再開発レベル(笑)。

時代についていけないのか、いかないのかわからないけれど、最新の今に則さないから=悪手とも限らないだろう。
生き残りかたなんてやってみないと誰にもわからない。
数字からの未来予測で「なんとなく来るだろう明日」を想像することはできるけど、個人的にはそんなことはあまり意味がないように思う。
だってコロナの予測なんて誰がしてたの?って感じでしょ?
優秀なリサーチャーが多大な時間と労力をかけた未来予測をした世界はコロナ禍で瞬間で壊れたからね。


じゃあ生き残るために大事なことってなんだろう?


それがわからないから私は凡人な専業主婦をしています(笑)。
個の力をつけるって言っても、それもなんか違う気がするし。
たっぷりのお金を持つことも刹那的で本質的ではないと感じる。
大切なのはどんな時代でも生き抜く覚悟かな。
「生き延びることがなにより大切」だと、戦争を知っている祖父が言ってましたよ、昔々。

社長は今どうしてるんだろう?
立派な豪邸は売ってしまったのかしら?
まだまだお金の必要なお子さんが4人いらしたけど、彼らの未来がどうなるのか親心として心配です。

社員は20-40代だからいくらでも転職できるだろうけど、社長は結構年配だったからね…。
再就職できるのかしら。
なにより、生きる意欲を失っていなければ良いけれど…。

この国は1度失敗したら再チャレンジがなかなか難しいと思ってるけど、彼にもう一度、人生を楽しむ余裕が生まれますように。

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