テーマを決める

 テーマを決めるのは非常に重要であるがなかなか難しいです。臨床的な疑問、制度的な疑問などいろいろあり、個々人によって興味の方向も違います。とりあえず日常業務をやりながらとっつきやすいのがカルテを使った後ろ向き研究ではないかと思います(何年も前のことだと覚えてなかったりしますけど)。

 なにか小さなことでもひっかかりを感じたり、理論がうまく組み立てられなかったらその疑問をテーマに考える習慣をつけるのがよいと思います。。考える材料としては定番のPECOがあります。

P・・・対象:どんな疾患の人に
E・・・介入:どのような介入をして
C・・・比較:何もしなかった人と比較して
O・・・結果:どうなったか

まずはこのPECOを埋めます。そしたら次は文献を探します。最近はopen accessの文献が増えてきているのとabstractは読めるのでPub MedやGoogle scholarなんかで検索するとよいでしょう。open accessでなくてもReserch Gateなんかに載っていたりします。学術目的なら(権利を侵害しない範囲で)見せてくれる著者もいます。英語が多くてもGoogle翻訳を始め何とか読める文章にしてくれるサービスがあるのでまずはabstractをどんどん突っ込みましょう。
 とりあえず・・・本当にこの治療は意味がないのか・・・ということを明らかにするにはカルテを見返しながら・・・

P・・・●●病で治療をしている人。年齢、性別、入院期間、合併症、身体的プロフィール・・・などなど。とりあえず変わった人は除外。
E・・・●●病である治療をして特定の因子がある人
C・・・●●病である治療をして特定の因子がなかった人
O・・・プライマリーアウトカム:治った(or治らなかった)
    セカンダリーアウトカム:〇〇の値の差、××した人だった、など。

このへんがとっかかりやすいかと思います。あれ・・・そうです。Pは(EとC)の差があり、Oになった。」ってのを調べるのですね。論理的にはP∩(E-C) → P∩Oであり、P∩O→P∩(E-C)がどの程度「同様に確からしく」成り立つかってことですね。P∩O⇔P∩(E-C)となればめでたしめでたし・・・おっと、数理記号が苦手な方は飛ばしてくださいというか参考書を眺めてみてください。
ちなみにプライマリーアウトカムが達成できなかったときに、セカンダリーアウトカムに差があってもあまり意味はありません。

 ともかく文献を引いてきます。●●病、治療、条件、因子・・・etcを英語にして検索をしてみます。いろんな因子が出てきて、論文に出てない因子があるぞ・・・となったら当たりかもしれません。そしたら検索した論文を何とかgetして読んでいきます。Research Gateなんかを登録しておくといいかもしれません。あとはAcademia.eduとか。

 いい結果が出るかどうかは関係ありません。予想とは違って差が出なかったというのも大事な発見です。

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