軽率に

付き合ったりするなよ。
「お前は女を不幸にするタイプだから」
母の言ったことは大正解だった。

いろんな子と付き合って、ヤッて、
お前の人生はいつから
そんな肥溜めみたいなものになり下がった?

充実を感じていた気がした。
空虚さに見て見ぬフリをした。
なにも得られていないことを看過した。

「お前の人生、割とくだらないよ?」
心の中の誰かが囁く。
「わかってんだよ、そんなこと」
いつもそうやって答える。

人の温もりを感じられれば、
割と誰でもよかった。

言葉で喜んでくれるなら、
誰でもよかった。

気づいたら、孤独に取り憑かれていた。

「あなたは一人じゃないよ」
あぁ、君は、君たちは優しい。
きっと僕を救ってくれるだろう。
この底知れぬ孤独を、
掻き消してくれるだろう。

そして、失うものを、また増やすんだな。


窓辺

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