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読んだ本の感想、気になる本についての記事のまとめです
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#読書感想文

文章による自画像 「ゴヤの手紙」

ゴヤの作品を最初に知ったのは30年以上前の学生の頃にヨーロッパをバックパッカーで旅行した…

森村一樹
1年前
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高橋和巳の「非の器」 硬質な文章を読みたいという乾きを潤してくれる 

硬質な文章を無性に読みたくなり久方ぶりに高橋和巳の作品を手に取った。 高橋和巳は1931…

森村一樹
1年前
21

ドラクロワが描くファウスト 国立西洋美術館にて

今日は国立西洋美術館の常設展のファウスト、「版画で「観る」演劇」です。 ファウストはゲー…

森村一樹
1年前
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変化が減速している。未来予想が変わるかもしれない。

本書はスローライフ、スローな社会を提唱するものではありません。 様々なデータを分析して、…

森村一樹
1年前
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ゴッホの手紙を読んで 日本への強い憧憬

ゴッホが好きな人、西洋美術を学んだ人、ならゴッホの手紙を読んだことがあるでしょうが、これ…

森村一樹
2年前
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リヒターのビルケナウの理解のためにヤスパースを読む

国立近代美術館でのリヒター展、ポーラ美術館での「モネからリヒターへ」に行ったことから、リ…

森村一樹
2年前
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論文「人間と政治」から組織運営スキル(演じる人間力)を考える

リーダーシップ研修、組織運営研修などで「人間力」がテーマになることがあります。その延長線上で人間力を磨くためにリベラルアーツの習得、なども研修メニューにあります。「人間力向上」「リベラルアーツ」はここ数年の流行ではないでしょうか。 その「人間力向上」という言葉を見たり聞く頻度が高くなっているのは、組織運営、特にビジネスの世界での指導力が、かつての高度成長期の個人の生活・価値観が「仕事・会社中心」から、「会社・仕事」は人生の一部であるというように変貌してきたことによって、多様

「超国家主義の論理と心理」を読んで思ったこと

「超国家主義の論理と心理」は1946年に発表された丸山真男の論文です。丸山真男などと呼び…

森村一樹
2年前
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和辻哲郎の「風土」に共感

和辻哲郎の「風土」を読むと、そうだそうだと深く頷いてしまいます。風土が人間の精神構造に影…

森村一樹
2年前
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ダンテの神曲 西洋美術への影響

今年はダンテ没後700年です。ダンテの神曲は西洋美術に影響を与えてきました。 神曲は、地…

森村一樹
3年前
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LIFE SPAN 老いなき世界

人類は何歳まで生きることができるのでしょうか。この本に書かれていることが実現すれば、働き…

森村一樹
3年前
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砂と人類 いかにして砂が文明を変容させたか

衝撃的な内容の本でした。 原題は、「The World in a Grain The Story of Sand and How It …

森村一樹
3年前
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新訳「国富論」 ぜひ学生時代に読んで欲しい

大作を読み切った時の疲労感・達成感よりも、どうしてこれまで読まなかったのかという後悔の念…

森村一樹
3年前
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藤沢周平の時代小説

この春先にFBで「7日間ブックカバーチャレンジ」というのが流行りましたが、私もバトンを受けました。 私が一番に挙げたのは、藤沢周平の「三屋清左衛門残日録」でした。 時代小説は好きなジャンルですが、その中でも藤沢周平文学が好きです。 これは藤沢周平文学の中で一番好きな作品で、何度も読み返しただけでなく出張時にはいつも鞄の中に入れていました。いまはキンドルにダウンロードしています。飛行機の中、ホテルで就寝前に読むと高ぶった気持ちが静まります。 この本の魅力は、1つ1つのエピソ