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読んだ本の感想、気になる本についての記事のまとめです
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#日記

平家物語 通底する「無慚」と「あはれ」

平家物語の冒頭の箇所を音読すると、栄華を極めた平氏の滅び行く物語の序曲として、無常な「あ…

森村一樹
3年前
5

源氏物語を読む、を読む

与謝野晶子の訳の源氏物語を読み終え、うまく言い表せない余韻が未だに残っていますが、参考書…

森村一樹
3年前
14

ダンテの神曲 西洋美術への影響

今年はダンテ没後700年です。ダンテの神曲は西洋美術に影響を与えてきました。 神曲は、地…

森村一樹
3年前
17

Kindleで無料で読む 源氏物語

源氏物語。そのボリュームを前にどうせ買っても挫折するだけだろう、積ん読になってしまうだろ…

森村一樹
3年前
24

この人を見よ ~ニーチェによるニーチェ入門書~

アートや音楽をもっと深く鑑賞したいと思い、いろいろ哲学書を読んでいると(体系的にではなく…

森村一樹
3年前
12

最後の秘境(?) 藝大

駄洒落のような題名に目がとまり購入しました。 私と藝大との関わりは、大学入試のセンター試…

森村一樹
3年前
8

面白い! トルストイの芸術論

トルストイは、「アンナ・カレーニナ」、「戦争と平和」などの長編を書いた帝政ロシアの作家です。きっと堅苦しいだろうと思いながら読み始めましたが、意外に分かりやすい内容でした。 理論・理屈やレトリックを多様するのではなく、例え話を用いて小説・絵画・音楽全般の芸術論を展開します。19世紀当時の芸術に対する批評というか酷評がとても印象的です。 絵画では印象派、音楽では晩年のベートーベンの作品を酷評しますが、特にワーグナーについての批判に多くのページを割きます。印象派もベートーベン

「英語独習法」に98%共感

岩波新書の「英語独習法」の売れ行きが好調だそうです。著者は認知科学、言語心理学、発達心理…

森村一樹
3年前
8

小林秀雄 何十年ぶりに再読

小林秀雄には苦しめられました。大学受験の国語の模擬試験で氏の評論からよく出題されただけで…

森村一樹
3年前
6

外国の歴史を学ぶ時の本

海外に行くときには、短期滞在でもその国の歴史を事前に調べるようにしています。私が利用して…

森村一樹
3年前
10

社外取締役の仕事 3つのポイント

本書が日本で発売されたのは2014年12月です。翻訳本ですから欧米のコーポレート・ガバナ…

森村一樹
4年前
5

LIFE SPAN 老いなき世界

人類は何歳まで生きることができるのでしょうか。この本に書かれていることが実現すれば、働き…

森村一樹
4年前
5

砂と人類 いかにして砂が文明を変容させたか

衝撃的な内容の本でした。 原題は、「The World in a Grain The Story of Sand and How It …

森村一樹
4年前
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新訳「国富論」 ぜひ学生時代に読んで欲しい

大作を読み切った時の疲労感・達成感よりも、どうしてこれまで読まなかったのかという後悔の念が最初にわきました。学生時代に読んでおくべきでした。 アダムスミスの「国富論」と言えば、社会の教科書には必ず登場し、「見えざる手」として知られている古典中の古典です。 この本の原題は「An Inquiry into the Nature and Causes of the Wealth of Nations」で、「諸国民の富の本質と原因に関する研究」というように、国家経済論と経済の歴史