人形供養
クレヨンしんちゃんが好きでした。
大人になってからはまったく見なくなったけど、ふとしたときに思い出すことがあります。
「太陽の塔」を見れば、「オトナ帝国」を思い出し、「熱海」と聞けば、「ヤキニクロード」を思い出す。
ほんとですよ?
クレヨンしんちゃんはとても面白い。
笑わせてくれるだけではないんです。子どものためのアニメだと侮るなかれ、ときに感動させてくれます。「オトナ帝国」しかり、「ロボとーちゃん」しかり。
そんなクレヨンしんちゃんですが、怖い話をすることもあります。ファンの中では有名ですが、「殴られうさぎの逆襲だゾ」というもの。
クレヨンしんちゃんのキャラクターで、桜田ネネという子がいます。その子は何か嫌なことや腹が立つことがあれば、いつも持ち歩いているうさぎのぬいぐるみの腹を執拗に殴るのです。
そして、ある夜、サンドバッグとされたうさぎがテレビを見ながらお菓子を食べているのをネネちゃんが目撃する、という内容なのですが、リアルタイムではないと思いますが、ビデオが何かでこの話を見ました。
クレヨンしんちゃんには、また別の怖い話があり、それはひろしがフランス人形をゴミ置き場から拾って持って帰るというところから始まる話です。そこからそのフランス人形がしんのすけや妹のひまわりに酷い目に遭わされるという、基本的にギャグベースな内容なのですが、私は「フランス人形」というヒト型の人形が意志を持つということ自体に恐ろしさを感じました。
実は、殴られウサギはそこまで怖くはなかったのです。理由は多分それがウサギだったからだと思います。自分でもその理由はよくわからないです。キャラクターもののぬいぐるみというだけで動いたとて話したとてファンタジーのように思えたのでしょうか?
でも、日本人形やらフランス人形のようなリアルな人間の造型の人形が動けば、それはもはやホラーです。いや、動かなくても、昔の自分にとってはホラーそのものでした。
実際、実家にフランス人形がありましたが、怖くて親に「見えないところに置いて!」とよく言っていました。結果的にそれはおばあちゃんの家に置かれることになったのですが、おばあちゃんの家に遊びに行くと人形に恨まれてないか心配したものでした。
※ ※ ※
すべてのものの中には魂が宿っている。
これはアニミズム(精霊信仰)という考え方です。人形も例外なくそこに魂が宿ると考え、供養を執り行うのです。これは日本人特有の文化だそうです。
そんな人形供養をしてくれる神社の一つとして、和歌山県にある淡島神社がある。そこに行って来ました。
鳥居を抜けて、少し歩くと、
至る所に、人形!人形!人形!
やはり、まだ日本人形には抵抗がありました。
恐ろしさを感じました。
そこに魂の所在を感じました。
不思議なものです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?