「稼いだ方が偉い」の呪縛

お金めっちゃ欲しい。この気持ちに根拠は特になかったが、私はずーっと1000万プレーヤー(貧乏人が想像できうる最大の収入)を目指してきたし、まあ残念なことに全く達成できてなく、半分もない。なんでやねん。

そろそろ収入アップのために転職しようかと思い、諸々見ているのだが、そもそもなんで私はこんなに稼がないといけないと思っているのだろうか、とはたと思ったのが今日。

別にタワマンに住みたい訳でもないし、シャンパンタワーがしたい訳でもないし、毎月リゾートに行きたい訳でもないし、月に行くロケットに乗りたい訳でもないし。

ストリートフードが好きだし、ジャンクフードが好きだし、ケチャップと塩さえあればいいし、だいたいテーブルマナーも知らないので高級レストランには行きたくない。フィンガーボウルが出て来たら飲んじゃうよ。

色々とお金を稼がないといけない理由を考えたが、今日、ここに呪縛が潜んでいたことに気づいてしまった。

家庭内においては、稼いでいる方が偉い。

私はこの呪縛にかかっていた。

いつも、男性と平等になりたい、なんなら優位に立ちたいと思ってきた。結婚しても奴隷になるのなんてまっぴらだと思った。なら、稼ぐしかないでしょう、そういうことだ。

そう思うようになった理由は明白だ。

母が専業主婦をしていた頃、母は「離婚をしたい」と言いながらしなかった。「経済的に自立していないから。お金がなくなるから。」と繰り返し繰り返し私に言った。お金がないっていうのはなんて不幸なんだと思ったものだった(家庭の収入としては十分にあった)。

日本の父親の役割として、「稼ぐこと」が強いから、私の父はいつも家にいなかったし、母は働かずに自由を失ったし、疲弊してしまったのだった。

フランスやスウェーデンみたいに、父親も母親も等しく稼ぎ等しく家事育児をすればいい。そういう家庭に憧れてわざわざ海外に来たのに、私はまだ稼ぐことに執着し、しかもたくさんたくさん稼いでパートナーよりも優位に立つことを心のうちで切望している。内包された呪縛だった。

稼がなくてもいいんじゃない?そんなに必死になんないで、生きるのを楽しんだらいいんじゃないか?

多分今のパートナーは結婚しても家事も育児も平等に、むしろ私よりもやってくれるだろう。お金も生きて行くくらいの額はそこそこ稼げる。私が別に楽しくない仕事をやったりして必死になって稼ぐ理由は、もうないんじゃない?楽しめる仕事でそこそこでいいんじゃない?

優位に立とうとしている時点で、私は父のようになってしまうんじゃないか?噂の再生産ってやつか?おいおい勘弁してくれよ。

呪縛を解くのは簡単ではない。多分、自問自答を繰り返して繰り返して、多分、色々なトライ&エラーをやりまくって、やっと解けるものなのだと思う。多分ね!

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