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14 料理教室で、料理教室ではない?

料理の先生が仕事です、と自分でも自己紹介できるようになってからは、よく、どうやってレシピを考えるんですか?と質問いただきます。

もちろん知識の蓄積の中から引っ張り出してるところもありますが、大抵はヒラメキです。
インスピレーションです。
この辺りは、創作系のことをしている方と、何ら変わらないのではないかと思います。
そこからコツコツと、なんなら1gずつ変えてベストなレシピを見つけていく。
実験に似ているなと。

でも、私が料理の先生?いやいや、なんか違う。
インスピレーションは確かに、レシピにも使っているけれど、本当に考えているテーマは別にあり、そこへの労力の方が半端なく大きいのです。

最近、料理教室を通してこういうことがやりたいんだ、と気づいたことがありまして。

私が一番美味しいと思う味でレシピを作ってはいますが、そのあとは自由に好きな感じを見つけて欲しい。

料理は、感じて考えるための手段のひとつだと、最近の私は思うのです。

外食で美味しいものを食べるのもいいけど、料理では、自らの手で創造することができます。

生み出したもので、自分や誰かを喜ばせることができます。

まずは、自分を喜ばせて。
家族ではなく、自分が一番食べたいと思うものを作って欲しい。そこから練習するんです。自分の喜ばせ方を。

できるようになったら、ちょっとだけ余ったエネルギー分で、身近な人を喜ばせられるように。

それが、生きている実感になると思います。
積み上げていくと、バラバラだった、魂と心と体が繋がっていきます。

そして、明日あれを食べよう、と楽しみにするのも、また生き延びるためのエネルギーになります。

だから最近は、作る人の余白を残したレシピを
考えるようにしています。
次に自分で作るとしたら、どんな感じにするか、想像を掻き立てられるような。

自分の感覚を優先することで、自分を愛してあげて欲しいのです。

でも、誰かのために頑張りすぎちゃってる人、沢山いるんですけどね。

以下は、先日Instagramに投稿して、反響の大きかった記事です。

【人生は自分を思い出すゲームだ!】

忙しい毎日に、どんどん流されてしまう。
よくわからない不安が募っていく。
終いには、自分が何が好きだったのかさえ、
思い出せなくなる。

そんな感情の経験が私も嫌というほどあるので、
料理というツールを通して、
自分の「好き」を見つめてもらえる方法はないかと
いつも模索しています。

春ごろに、スパイスでやってみよう!と思い立ち、
分厚いスパイス辞典を何冊も買って、
スパイスの会の中身を考え始めました。
追加で知っておきたいなと思って、
中医学も通信で勉強し始めたほど。

ぼんやり形が見えてきて、半年以上かかって
ようやくみなさんにお披露目できたのが、
〝スパイスの会”なんです。

写真は、好きな匂いと味を感じて、
自分で選んだスパイスをブレンドして
2種類ずつ作ったカレー粉です。

最初はみなさん、そんなことできるのかしら?と
戸惑い気味でしたが、
スパイスのブレンドができて、
それに合ったホールスパイスを選ぶ頃には、
ちゃんと自分の「好き」がわかっていました。

この出来上がったカレー粉、
4人いて、こんなに色も中身も違う!
だってみんな違う人間だもの。
好みだってそれぞれなのは当たり前なんです。

「人生は自分を思い出すゲームだ」

これは、シャーマニズムの師匠の言葉。
本質なのに、すごく軽やかで、茶目っ気がある表現。

たぶん、生まれた時や幼い頃は、
誰でも自分という魂に正直だったのに、
どんどん忘れていく。
思い出せないから、とても苦しい。

いかに死ぬまでに本当の自分を思い出せるのか。

その一助になるためのことを、こうやって
料理を通してやっていこうとしています。

スパイシーな香りや味は、鼻腔と舌を通じて、
体の隅々に送られ、目が覚めるような刺激になり
またひとつ、自分を思い出すきっかけになるかもしれない。

こういうお話もたっぷり。
スパイスにはどっぷり本格的に。
スパイスのおもしろい世界、のぞけますよ!

madam labo Instagramより
スパイスの会参加者の皆様がブレンドしたカレー粉

というわけで、これ料理教室じゃないな、と思いつつ。
じゃあ何やってるのかと言うと、料理なんですけどね…。きっと、みなさんと一緒に、私も料理教室も、どんどん変化していくと思います。

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