「在宅×データ入力」に心がざわつくの巻
こんにちは。やぎ夫人です。
webライターやってると、調べたKWに関する広告がすぐさま表示されます。
本当は興味ないジャンルの広告が出てきても、うっとうしいだけですが、こればっかりは仕方がありません。割り切って、スルーする毎日です。
そんな私が、目にしたとたんに心がざわつくネット広告があります。それは16年前のほろ苦い経験を思い出してしまうから。
今回はライターになる前の、仕事探しの顛末をお話しします。
在宅ワークにあこがれて
下の子が幼稚園に通うようになり、専業主婦を決め込んでいた私もいよいよパートに出ようかと、新聞のチラシや求人サイトをチェックするようになりました。
ところが、ちょうど良さそうな求人を見つけて面接の予約もしたのに、当日子やぎが発熱。結局面接はキャンセルし、ああ、子育てしながら働くってこういうことなのねと、実感させられます。
ならば、在宅ワークはどうだろう?パソコンもあるし、ネットにもつながってるし、データ入力くらいならできる。通勤時間はゼロだし、長い夏休みも気にしなくていい。でもどうやって探せばいいんだろう?
そんな折も折、求人チラシに「在宅でデータ入力」の文言が!しかも事務所は最寄り駅のすぐそばで、呼び出されてもすぐ行ける。これぞ理想のパートでは?と小躍りしながら、面接の予約を入れたのでした。
現実は厳しかった
当日は子やぎが熱を出すこともなく、無事に面接までこぎつけた私。どんなデータを入力するのかな?やっぱりデータはメールで添付するのかな?なんてワクワクしていました。
でも、期待は見事に裏切られます。
まず、担当の方が言った「入力データはフロッピーディスクに入れて、毎日持ってきてください」のセリフ。
フロッピー?え?いつの話?
だって今から16年前ですよ。既にフロッピーなんて誰も使っていないし、読み込む機器も持っていない。
担当者は、ネットで送るのはセキュリティ的にNGだから、フロッピーなのだと言っていましたが、あまりにも古すぎます。
しかも入力する原本は、その日の分だけ「毎朝」取りに来いという。そして取りに来るときやフロッピーを納品するときは、子どもを連れてくるなと。
毎日決まった時間に行かなくちゃならなくて、子どもも連れて行っちゃダメとなったら、子育て中の主婦には難しいでしょう。
小学生なら少しくらい留守番もできるけど、乳幼児は無理です。もちろん育児の片手間に大事なデータを扱われては困るという、先方の事情は分かります。
でも、だったら、せめて「在宅で働ける」という、いかにも育児中の主婦を誘うような文言だけを載せるのはやめてほしかった。ちゃんと「毎日出社!子連れ厳禁!」って書かないと。
そしてwebライターになる
面接後、もやもやしながら帰宅して、フロッピーディスクの件を夫に相談したところ、あっさりと買えばいいじゃんって言われました。留守番についても、上の子が一緒なら大丈夫だし、夫はフレックスなので対応できるとも。
そこで気を取り直し、最初の説明会を予約したのですが、なんとその日に再び子やぎが発熱。なんかもう、縁が無かったんだなと思えてきて、結局その仕事は断ることにしました。
下の子やぎが小学2年生になったとき、ようやくちょうどよいパートが見つかります。しかし心の中では、在宅ワークへのあこがれが、依然としてくすぶっていました。
これだけネットが普及してるんだから、家から一歩も出なくてもできる仕事はあるはず。あきらめず情報収集した結果、クラウドワークスを通してwebライターという仕事を知り、まんまと夢を実現したのでした。
やっぱり気になる「在宅×データ入力」
今でもwebライターとして、家で仕事してるんだ~って言うと、かなりの確率で「へ~、すごいね。そんなことできるんだ~」って反応が返ってきます。
だけど大して稼いでるわけじゃないし、締切りに追われて寝不足になることもしょっしゅう。生成AIの台頭で案件も減ることは容易に予想でき、本業とするには心もとないのも事実です。
いっそ、パートで社会保険に加入して、ライターは副業にしようかしら?そんな風に思っていた時期に、転職サイトのコラムを書き、求人サイトの広告がやたらと流れてくるようになりました。
そこには「在宅ワーク×データ入力」のフレーズが、かなりの確率で登場します。
やっぱり需要はあるんだよ。特に育児中の主婦には魅力なんだよ。しかも今はフロッピーなんか使わないし、出社の必要もないんでしょ?
あの頃、こんな仕事があったらな~
そう、見る度にこんな風に心がざわつくのです。
ちなみにあの時面接に行った事務所は、数年後になくなりました。いや、もしかしたら、業態を変えて「在宅ワーク×データ入力」で求人広告を流しているかもしれません。
いずれにしても、今後私が「在宅ワーク×データ入力」の求人に応募することはないでしょう。でも見るとどうしても気になって、クリックしてしまう。
今、どんな感じなの?ちゃんと育児中の主婦でもやりやすいようになっているの?と、まるでおせっかいなおばちゃんそのものです。
「在宅ワーク×データ入力」の仕事が主婦だけのものとは限らないけれど、小さな子どもを育てている若いお母さんにとって魅力的なのは確かです。
余計なお世話かもしれないけど、昔の私のように期待を裏切られることなく、楽しくお仕事してほしいなって心から思います。