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スペイン音楽とアーティスト#3 フラメンコポップス?【圧倒的な歌唱力のヌエボ・フラメンコ】

スペインの音楽・アーティストというと誰を思い浮かべるでしょう?
ラテン音楽やフラメンコに目覚めた頃は、ジプシー・キングスをよく聴いていましたが、彼らはフランス人のグループ。
リッキー・マーティンやジェニファー・ロペス、クリスティーナ・アギレラにマーク・アンソニー、エンリケ・イグレシアスやフアネス、そしてシャキーラなど、クラブの定番音楽は中南米のラテンポップスアーティストですよね。
では、スペインの歌手はどうでしょう?



スペインの歌の種類

・ポップス

・ルンバ

・フラメンコ

などが挙げられますが(ロックやクラッシックは省略します)、基本的にスペイン人は声量があり、老いも若きも歌が上手い!
ポップス歌手で、日本の演歌のような「こぶし」や「うねり」を聴かせる歌手もいるし、ルンバ歌手でフラメンコを歌う歌手もいる。逆もしかり。
その場合「フラメンコの踊りのための歌」というより「聴かせる歌」「フィエスタで踊る曲」のような感じで、ヌエボ・フラメンコという新たなジャンルが生まれています。

良い曲はカバーもされ、脈々と次世代に受け継がれていきます。
そして、これも日本の演歌に似ていますが、ヒット曲はずっと歌い続けられる!
コンサートで新曲を披露しても、往年のヒット曲のイントロが流れると「待ってました!」と盛り上がる感じ。


スペインの歌手といえば

・Alejandro Sanz(アレハンドロ・サンス)

スペインでは知らない人がいない、シンガーソングライター。
何度もラテン・グラミー賞を受賞していますが、未だ日本でのコンサートは行われていません。
東京オリンピック2020の開会式には、ヨーロッパ代表で「Imagine」を歌っている映像が流れたので、見た人も多いと思います。

〈3'20"から出ています〉


情熱的でロマンティックなメロディーと歌詞。
昔、スペイン留学中に行ったコンサート、
女性たちがうっとりしながら一斉に大合唱です!
一曲挙げるとしたらこれ、「Corazon Partio」

若い!そしてこちらのミュージックビデオ、共演者がまた凄い!
以前「スペイン音楽とアーティスト#1」で紹介した「フラメンコギターの貴公子」Vicente Amigo(ビセンテ・アミーゴ)がギターで参加しています。

そしてフラメンコ界の大御所、Antonio Canales(アントニオ・カナーレス)
アントニオ・カナーレスについては、ここでは書ききれないので、またの機会に紹介したいと思います。

アレハンドロ・サンスはフラメンコの発祥地アンダルシア地方にも縁があり、歌の間奏でフラメンコギターの演奏を披露したり、フラメンコダンサーや歌手との共演も行なっています。


・David Bisbal(ダビ・ビスバル)

第二のアレハンドロ・サンスとも言われた圧倒的な歌唱力!
甘い歌声とドレッドヘアで女性たちを魅了していました。
ラテン・グラミー賞も受賞し、「Oye el boom」は郷ひろみが「Boom Boom Boom〜灼熱の灼熱の太陽」というタイトル名でカバーしています。
アチチに次いでラテンカバーですね。
David Bisbalに注目するところがさすがジャパ〜ン!




・KETAMAーAntonio Carmona(アントニオ・カルモナ)

兄弟グループKETAMAのヴォーカル、アントニオ・カルモナ。
ボサノバのような爽やかな歌声。
以前「スペインの映画」で紹介した、カルロス・サウラの「フラメンコ」ではManzanita(マンサニータ)のルンバ「Verde(ベルデ)」で共演しています。

Verde(ベルデ)はスペインの詩人ガルシア・ロルカの詩であり、ロルカについては、ピカソの回でも少し触れましたが、またの機会に紹介したいと思います。




・Antonio Jose (アントニオ・ホセ)

個人的に今”いち推し”がこちら、アントニオ・ホセ。
スペインの番組で、車の中でカラオケを本人が歌うという、その名も「 CARaoke」。
数年前まだ彼を知らない頃、SNSでアレハンドロ・サンスの「Ella 」を歌っているところだけが切り取られて流れてきて、
「歌の上手い若い子。しかもイケメン!」
と思ったものでした。
それから色々調べてみたら、幼少の頃から抜群の歌唱力で歌番組にも出演していたりと有名だったみたいですね。

アントニオ・ホセ自身の歌2曲と、〈12’35”〉からアレハンドロ・サンスの「Ella」を歌っています。


こちらは、フラメンコ歌手Miguel Poveda (ミゲル・ポベダ)との共演。
フラメンコ歌手とポップス歌手の共演。
ポップス歌手と言っても、スペインの歌手は圧倒的な歌唱力なので、ジャンルを超えた共演は珍しくないようですね。


・IL DIVOーCarlos Marin (カルロス・マリン)

そして最後に紹介するのが、男性ヴォーカルグループIL DIVOのバリトン歌手Carlos Marin(カルロス・マリン)
オペラ出身という納得の歌唱力と、目が合ったら腰が抜けそうな色気。
ユーモア溢れるトークで、ムードメーカーでもあったカルロス。
シンガポールと東京のコンサートに行く機会がありましたが、2021年12月ツアー先のロンドンでCOVID-19に感染し亡くなるという衝撃で、聞いた時はしばらく放心状態でした。

クラッシックや映画音楽などのアレンジ曲を、スペイン語・イタリア語・英語で歌うスタイル。
とりわけスペイン語の曲は哀愁と色気が半端なく、こちらを選ばせていただきました。


今回はかなり独自の好みが反映しているのですが、まだまだ紹介したい曲やアーティストがいるので、次回は女性のアーティストを中心に紹介したいと思います。

読んでいただきありがとうございました。

(タイトル写真:アレハンドロ・サンスのコンサートより)

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