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小野酒造 老亀の小野さんをお迎えして

たまに、吞んだ瞬間に景色が見えることがある。
こんなお料理で、こんな場所。

毎月1度、呉で日本酒の勉強会を皆で開いているのですが、今月は広島で白牡丹に次いで古い蔵『小野酒造』の小野社長にお越しいただき、老亀の会。
広島でも瀬戸内側ではなく山の方。お酒もIWCでトロフィーを受賞した古酒をはじめ、少し個性的で、深みのあるお酒なのですが、小野社長の見た目のように少しひょうひょうとした軽さというのか、呑みやすさを持ち合わせた、美味しいお酒を造る蔵です。

このお酒を初めて飲んだ時に浮かんだのが、落ち着いた照明のこんな部屋で、生ハムやチーズ、煮込み料理に、ドライフルーツ、チョコレート…

こうなったらいいな…って思う事はあるけれど、
それが形になるかどうかは別の話で、ましてや、できて間もない素人の会。開かせてもらう会場も、探しながらやっている状態。

ところが、ご縁とは不思議なもので…
この会を開くことが決まって、できれば、こんな店で、こんな料理で開きたいとイメージをお話したところ、そのイメージが、ポンッと現実になったかのようなお店を紹介して頂けました。

という事で、呉のばーるMomoで開催した、老亀の会。

この日のお酒は、純米吟醸を炭酸で割ったもので乾杯し、特別純米、小野社長が自ら育てている中生新千本で作った純米酒とその生酒を常温保存したひやおろし、八反錦、長期熟成本醸造。

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合わせるお料理は、ドライフルーツ、生ハムやレバーペースト、ナッツやドライフルーツ、軟骨のトロトロ煮、パスタ、チョコレートケーキなど。
チーズをオーダーしていたつもりだったけれど、予算の都合か抜けていたのが残念だけれど、どれも美味しかった。

古酒や熟成酒が強い蔵だと、割としっくりくるというのか、想像しやすいと思うのですが、老亀の場合、ひょうひょうさがやっぱりポイント。
そこに抜け感がうまれるっていうのか、料理もお酒もヘビーだと、重くなりがちだったり、飽きてしまいやすいけれど、それらを感じずに楽しめる。

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個性って、奇抜であろうとか、斬新であろうとか、独特であろうとする必要はなくって、
自分の想いに拘ったり、ただひたすらまじめに醸したり、手を抜かないところであったり、
お酒は、そんな造り手の気持ちを正直に喋りだす。
そんなお酒に出会うのは、とっても楽しい。
(2014年9月24日)

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