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老亀 中生新千本純米


広島県っていうと、温暖な瀬戸内、渡る潮風、島々に実る檸檬っていうイメージがなんとなく浮かびますが、
老亀の小野酒造があるのは、島根県と隣接する中国山地にあり、日本海側気候で豪雪地帯。

ここで、自ら米を作りながら、お酒を醸しておられます。

3日間、同時に呑み続けた華鳩が海の恵み、老亀が山の恵、これに里の恵の白鴻が加わると、広島蔵元トリオ、Jimmy's(ジミーズ)となります♪
 
さて、老亀。

実は先に開けた華鳩が、どうにもイワシのパン粉焼きとの相性がいまひとつ。イワシの刺身もオリーブオイルとなら行けるんだけど、醤油だともうちょっとしっくり来ない。

ってことで、急遽このお酒が登板となったわけですが、もともと熟成に強い蔵(2007年IWCでトロフィー受賞)なので、保存状態の常温のまま頂くことに。

これがイワシの刺し身に合う!イワシのパン粉焼きにもガッツリ合う!

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開栓後、そのまま頂くと、天真爛漫に咲く野の花のような華鳩とは違って、森林のイメージのこのお酒。

蔵元さんは、今年の中生新千本はすっきりめですと仰ってたんですが、旨味はあるけどおとなしめのトーン。微かにスモーキーさがあるけど、一瞬だけ木漏れ日が射したかのように甘みを感じます。

この複雑さが、食中酒としては万能さを発揮するみたい。
 
翌日は冷酒で頂きましたが、なるほど、すっきりした甘み、酸味が前日よりやや前に出てくる感じで、苦味や辛味のバランスもよく、きれいな味わい。

牛すじの旨味を吸って、辛子を塗りつけた甘めの豆腐と合わせるといい感じ。お酒に爽やかな甘さを感じます。

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3日目は、再び常温で。アルコールの揮発性の香りは少し強くなりましたが、甘みは膨らみ、それでいて、スッキリした味わい。

うどのゴママヨネーズ和えと合わせると、うどの爽やかな香りが膨らむような印象。

アスパラと春菊とスパムの炒め物との相性は更に良く、お酒の持っている苦味がアスパラや春菊と共鳴するのかなぁ。春らしさを感じました。

さて、このお酒、秋になったらどうなるのかな?
今からとても楽しみです。

                          (2017年4月22日)

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