見出し画像

蓬莱鶴 白島ろまん28BY

去年の今頃だったと思う。名古屋の寿亭(2019年閉店)で、せりと牡蠣のすんごく美味しい鍋をいただきました。
 
それには及ばぬが、とりあえず、せりと牡蠣をたくさん買ってきてのせり鍋。
お酒は、牡蠣に合いそうで、程よくスッキリしたのがいいな…ってことで、今まで大事に撮っておいた、蓬莱鶴 白島ろまん28BYを開栓。
 
蓬莱鶴は広島市の中心部のマンションの地下で造られているているお酒で、数年前、広島の大手酒店での香り系のお酒飲み比べで、十四代を抑えて1位に選ばれた蔵です。
限られたスペースで造っているため、一回の仕込み量が少ないのもありますが、人気で、年中造ってもお酒が足らず、そんなわけで、県外ではなかなかお目にかかれないお酒ですが、ここ数年は広島県のプロジェクトの一つで『焼きがきに一途な純米酒』を発売している蔵でもあります。
 
白島ろまんは、蔵のある白島町の皆さんで田植えから精米まで行ったお米で造られたお酒。
酒米はひとめぼれで、香りも穏やかで、口当たりも穏やかですが、甘味や酸味のバランスが良く、飲み疲れや飲み飽きたりせず、1本スルスルと楽しめるお酒。
しかし、この28BYを最後に、白島ろまんのプロジェクトは終了。
たまたま数本購入して持っていた1本を、冷蔵庫で保存していたのが、今回のお酒です。
 
原本店(蓬莱鶴の蔵)のお酒を長期保存をするのは初めて。しかも、冷蔵庫のポケットという、あまり良くない環境だったので、最初は恐る恐る味見。しかし、いい意味で期待を裏切られました。
 
長期保存することで、香りと味わいが少しアップしていて、香りに華やかさがでてきて、甘みもやや強めですが、その後の酸味との兼ね合いがよく、かすかな苦味と相まって、柑橘系のような、スッキリ爽やかな後味。これがとてもいいです。
それなりに香りがあるのに、飲み飽きない、飲み疲れない。

画像1

お料理との相性ですが、まず、セリ鍋は、これ自体でつけダレなしでも味は整っているんですが、広島県の牡蠣に合わせたお酒を造る蔵なので、牡蠣との相性も良いのですが、すだちを少し器に絞り、それで鍋をいただきながらお酒もいただくと、より良い感じに。
お酒の甘み、酸味、苦味が、すだちやせりの香りととても合い、自然に楽しめるし、牡蠣の旨味も広がります。
うん!美味しい!
 
最近、蓬莱鶴を飲むと、私には香りが少し強めに感じることが増えてきたので、これを復活して欲しい。先日の雨後の月の愛山と一緒に囲いたい。そんなお酒。
もう飲めないのが本当に残念。ほんと、またこんなお酒を造ってくれないかなぁ。
(2018年12月3日)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?