川西屋酒造店 山吹 隆
川西屋酒造店 山吹隆(火入れ)
播州山田錦の純米大吟醸です。
去年の6月、蔵での勉強会で一瞬感じたマンゴーの風味。
「いつかきっと飛べるはず」と信じて、ホウキにまたがりジャンプするかのように、この味わいに辿り着こうともがく私。
川西屋の仙人、いや工場長が
「2年間寝かせなさい。さすれば、マンゴーの風味が出てくるであろう。ふぉっふぉっふぉっふぉ」
と仰っておられましたが、せっかちな私。
今年買った4合瓶の1本は寝かすものの、1本は「開栓後半年ぐらいから、急に味のりがしたよ~」の言葉にかけ、いや、それがなくても、待ちきれずに開封。
それが6月の終わり。
それから20日ほどのスパンで、味わいの変化を見てきたのですが、
開封したては、熟す一歩手前の黄色いパパイヤ。
開封したて感はあるものの、甘みとコクが感じられ、まとまりよくなかなかいい感じ。
それからしばらくして、「桃との相性がいい」とお聞きしたのですが、なるほど、20日ほど過ぎると、後味に桃感が。
例えるなら、嫌味のない桃のお酒って感じでしょうか。
その桃感は静かだけど更に膨らみ、更に20日程過ぎたとき、
果物を使った酒肴の定番、桃と生ハムとモッツアレラと合わせたら、おいしいのなんの。
で、このときに、オリーブオイルとMCTオイル両方で試してみたのですが、癖のないMCTオイルのほうが、繊細な桃の味には合うんだなって思いました。
そして、先月末。この頃には、お酒のフルーティーさが更に増し、果物のもつ華やかさが炸裂。
「もうすぐお酒を買うから、呑んじゃっても平気だもんね~」
と、浮かれモードで、少なくなったお酒で、今度は無花果と生ハムとモッツァレラを。
その前に、何も手を加えていない無花果と合わせてみたのですが、お酒がいちじくのきれいな酸味を引き出していい感じ。
お酒との強弱のバランスも、今までで一番いいかな?って感じがしました。
そして、生ハムとチーズを加えた無花果。塩、パラパラ。
合わない訳がない。
生ハムが、イタリア産からスペイン産になり、少しワイルドになったのも有るかもしれませんが、癖のないMCTオイルより華やかな癖を持つオリーブオイルの方が良いですね。
で、このお酒、大体、トマト風味のアクアパッツァを作るときに登板することが多いんですが、もちろん、それとも合うのですが、付け合せに出す、焼きズッキーニやなすの、オリーブオイルがけとの相性が、どのタイミングでもよく合いました。
あと、RF1で買ってきた、帆立と海老のコロッケ タルタルソースにもあいました。
ところで、「もうすぐお酒を買うから平気だもんね~」
と浮かれていた私。
無花果を味わいながら、ふと、
「この味わいを出すには、最低2ヶ月かかる」
事に気が付きました。しかも、夏の常温で2ヶ月…。
瓶には平盃1杯分程度しか残っていないお酒。
さて・・・どうしたものやら。
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