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赤蜻蛉 ひやおろし 26BY

赤蜻蛉 ひやおろし 26BY。

私は好きなものを取っておくタイプなのですが、福岡の酒友さんから頂いて、開封できずに4年間、冷蔵庫の開かずの間でお休みになられていたお酒。

開栓したての印象は、フレッシュとは違うのですが、意外と若さもあり、それはそれでいい塩梅かなと思ったんですが、そのお酒に見合う料理を用意できなかったので、10日程度常温で追熟。甘みと邪魔にならない程度の苦味、まろやかな酸味が仲良く存在。甘みはあり、コクも深めなのですが、どこか清々しさがあって、重すぎず、おしつけがましさもなく、何とも良いお酒になっていました。

お酒は燗をつけようかと思ったんですが、味見をしながら温度を確認して減ってしまうのも勿体ないし、これで完結して良いと思える仕上がりだったので、冷やで頂きました。

料理は鴨鶏鍋。
残り野菜と、半額の鴨肉、それにせりと鶏もも肉などを足して、甘めの出汁と柚子胡椒で。ビジュアル的には今一つですが、まぁまぁの出来。

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若波だったら、水炊きにするんですが、このぐらいでも行けるんじゃないかな?と思って合わせてみました。

が、お酒の出来が良いんですね。思っていた以上にお酒が鍋に寄り添ってくれました。自然な相性で、鍋もお酒も美味しい。

お肉は、鴨肉より鶏もも肉の方がしっくりきます。

豆腐と合わせると、豆腐の旨みと盛り上がった後、お酒の味わいがスッと開く感じ。

出汁が絡んだ春菊やせりとも相性がいいんですが、せりは葉っぱ以上にねっこがおいしく、お酒の酸味が出汁を含んだ根っこと絡んで、なんていうのか、心地よい脳波が出てるんじゃないかっていうような旨みが、脳天に行き渡る感じ。
何とも幸せな味わい。

残念ながら、これもすぐに蒸発してしまうのですが、その後頂いた他のお酒と比べると、それはそれで悪くないんですが、赤蜻蛉の深みとマイルドさが、本当に自然に存在していたんだと、改めて感じます。
本当にいいお酒。
とっても美味しく楽しませて頂きました。ご馳走様でした。
(2019年11月29日)

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