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純米大吟醸 雨後の月 愛山 26BY

いか飯ネグロ。
主食になるものはないかと冷凍庫をごそごそしていたら、以前作ったパエリア(もどき)を発掘。
ってことで、夜はこれを使って、いか飯を作ることに。
ソースはいか墨。

スペイン、トレドのパラドールに泊まったとき、朝食のバイキングで、イカ墨にまみれたいかめしのようなものを発見。でも、食べたら酸っぱいぽんぽん焼きのような感じ。
う~ん、あたしが求めたのはこの味ではない。。。ってことで、思いついたのがこの料理。

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それ以来、年に1度ぐらい、思い出したように作るんですが、その材料のイカを求めて魚屋さんに。
すると、活きせいこ蟹発見。まるで『買ってくれ~』とアピールしているよう。
…ということで蟹もお買い上げ。
酒蒸しして…までは良かったのですが、すぐに氷水につけなかったから身離れが悪い。
ちゃんと盛ろうと途中まで頑張ったけれど、やっぱりキーッヾ(*`Д´*)ノ.となって、最後は脚にかぶりつき。でも味は良いのでございます。

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イカめしで残った足は、フリッターに。それと、家にあった春菊とベーコンの炒めものがこの日のメニュー。

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これに合わせるのは、純米大吟醸 雨後の月 愛山 26BY。
自宅で氷温貯蔵していたものを開封することに。
 
愛山は熟成にはあまり向かないと聞いたことが合ったので、どうかな?とも思ったのですが、そこはさすが雨後の月。
3年の月日で深くなった甘みは、上品で美しく、フルーティーな香りとかすかに酸味ががふわっと感じられ、スッキリキレていく、みずみずしさあふれるお酒です。
 
このお酒がなかったら、ヴィーニョ・ヴェルデにするつもりだったんですが、多分、この日の料理にはワインより雨後の月のほうがしっくり来ると思います。
 
お酒の甘味と旨味が、いか飯の旨味によく合うし、いか墨は市販のパスタソースを適当な調味料でアレンジしているんですが、ソースを楽しんだあと、お酒を口に含むと、お酒が上品に開きます。この感じが自然で良いのです。
 
フリッターも白ワインを合わせるより、こっちのほうがしっくりきます。これも、いか飯のときと同じよう。
上品に開いてスッキリ。
米と軟水の柔らかさ、酸がワインほど強くなく、甘みの質が理由なのかな?と思ったり。ボリュームもこのぐらいのほうが過不足なく程よいです。
 
蟹は言うまでもなく。酒蒸しにすると、そのままで十分美味しいし、お酒のフルーティーさが活きるんですが、
すだちをほんの少しアクセントにすると、お酒と蟹の甘みと旨味が広がります。
かにみそとの相性も、抜群♪
 
春菊とベーコンは、お酒のフルーティーさを感じたあとに、お酒の苦味が春菊の香りを心地よく楽しませてくれる組み合わせです。
 
もう、こうなると、このイカ飯が、冷凍庫から発掘された残り物のご飯を用い、米を詰めすぎて、煮込んでいる最中に実が弾けてご飯がソースに混じってしまったことなんて忘れさせてくれます。
蟹の身をほじるのに飽きて、キーッとなって脚にかぶりついたこともナシです。
雨後の月の愛山を手にした私は、スペインやポルトガルで海の幸を楽しんでいるマダムの気分なんです♪
 
なんでもない日常、むしろ失敗作の料理でさえ、素敵に彩ってくれる。そんなお酒って素晴らしいって思える一本でした。
(2018年11月30日)

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