コント台本『Not fall』

作:バーニング藤井

タケシ｢おい、ショウタ！お前部活辞めるってほんとかよ｣

ショウタ｢タケシ！…あぁ…。｣

タ｢なんでだよ！なんでやめんだよ！｣

シ｢ごめん、、。｣

タ｢ごめんじゃねぇよ！俺らずっとバッテリー組んできただろ！一緒に甲子園行こうって約束したじゃんか！｣

シ｢…。｣

タ｢ここ最近、フォームも掴めてきて、さらに球速も上がってきて調子いいって言ってたじゃんか。｣

シ｢投げれねぇんだよ…｣

タ｢…は？｣

シ｢もう投げれねぇんだよ！！！｣

タ｢お前、、、ケガでもしたのか、、、？｣

シ｢…。｣

タ｢でもお前この間の練習投げれてたじゃんか！治らないケガとかじゃないってことだよな…？だったら俺、待つよ！｣

シ｢違ぇよ！！！｣

タ｢…は？｣

シ｢ケガじゃねぇよ…｣

タ｢じゃあなんだよ｣

シ｢お前に投げることができねぇんだよ｣

タ｢なんでだよ、、｣

シ｢お前に投げれるような玉がないんだよ…｣

タ｢…ごめん、マジで意味わかんないんだけど…｣

シ｢かおりちゃん…｣

タ｢かおり…？…かおりがどうしたんだよ。｣

シ｢俺、かおりちゃんと付き合ってんだ。｣

タ｢は？かおりは俺の彼女だろ…｣

シ｢知ってるよ！知ってるけど、付き合うことになったんだよ。｣

タ｢…は？お前、お前ふざけんなよ！！！｣

シ｢落ち着けよ！落ち着けって！｣

タ｢落ち着けるわけねぇだろ！！！何、友達の彼女と浮気してんだよ！！！｣
(胸ぐらを掴む)

シ｢落ち着け！、理由が、、、理由があんだよ！｣

タ｢理由もくそもねぇだろ！！！｣

シ｢聞けって！離せよ！聞けよ！おい、、！ちょっ！！！はな、、せ、、はな！せ！ってちょっと、、おい、、ちょ、｣
(ずっと胸ぐら掴まれてる)

シ｢長いよ！！！！｣(引き離す)
｢長いだろ！！！離せって言ってんだろ！落ち着けよ、、｣

タ｢落ち着いてられるかよ！｣(胸ぐらを掴む)

シ｢ちょ、、お、ま、、え、、！聞けって！……｣(長いこと再度掴まれる)
｢おい！！！！なんでもう1回くるんだよ！話聞いてくれよ！｣

タ｢…ごめん…｣

シ｢いや、悪いのは俺だから…すまんが、落ち着いて話聞いてくれ…｣

タ｢落ち着けるわけねぇだろ！！！｣
(胸ぐらを掴む)

シ｢ちょっと待て待て待て！！！ちょ、、、おい！お前、、、1回、、、1回！！！｣
(引き離す)
｢1回落ち着いただろうが！｣

タ｢落ち着けるわけねぇだろ！｣

シ｢ちょ、、、わかっ、、、た！わか、、った！システム！システム！この、、、シス、、、テム、、、！わかった！｣
(引き離す)
｢わかった、、はぁ、、はぁ、、システムかったよ…｣

タ｢ごめん、カッとなって、、、｣

シ｢お前、落ち着けって言ったら来るなぁ！｣

タ｢落ち着けるわけねぇだろ！！！｣

シ｢そ、、、、れ！！！そ、、、れだ、、よ！そ、、、れ！！！！それ！！！！｣
(引き離す)
｢やめろよ！！！もう怒りとかじゃなくなってるじゃねぇか！｣

タ｢ごめん…。｣

シ｢いやお前が謝るなよ…悪いのは俺だ…｣

タ｢……。理由ってなんだよ。｣

シ｢あ、あぁ…｣

タ｢どんな理由があるってんだよ！｣

シ｢…ッコイ…ら、、、｣

タ｢…は？｣

シ｢カッコイイから！！！｣

タ｢はぁ？！｣

シ｢理由だよ！俺がお前よりカッコイイから！｣

タ｢お前マジで殺されたいのか？｣

シ｢いやだって！そうじゃん！！！｣

タ｢お前マジか。｣

シ｢ずっと思ってたよ！俺は！なんで、かおりちゃんは俺じゃなくてお前なんだろうって！俺の方がカッコイイのに！なんでカッコよくないお前なんだろうって！｣

タ｢逆にそんなこと考えてて、お前よくずっとバッテリー組んでたな｣

シ｢そもそも！俺、ピッチャーだし！ピッチャーに彼女いなくて、キャッチャーに彼女いるのおかしくない？普通逆じゃない？｣

タ｢いや関係ねぇだろうが！｣

シ｢あるよ！！！(食い気味)｣

タ｢えぇ…怖いよ、もう。お前が怖いよ…｣

シ｢顔もかっこいいピッチャーなんて神様は本当に理不尽だと思うよ。天は二物を与えてんだもん。｣

タ｢お前絶対自分で言わない方がいいぞ、それ。｣

シ｢案の定だよ！案の定、かおりちゃんは俺に乗り換えました！やっぱりなって思いましたよ！｣

タ｢もう凄いよ…
…てか！そうだよ！かおり！かおりがそんな理由でお前に乗り換えるわけないだろ！それが信じられないね！俺は！｣

(ゆっくり歩みよる)
シ｢(肩を叩きながら)わかるよ。そう思いたい気持ちわかるよ。｣

タ｢やめろよ！腹立つなぁ！｣

シ｢でもこれはもうしょうがないの。｣

タ｢は？｣

シ｢だって、かおりちゃんもそう思ってるんだから。｣

タ｢嘘だろ…｣(崩れ落ちる)

シ｢言ってたよ、かおりちゃん。お前と付き合ってたのは俺に近づくためだって。｣

タ｢……。｣

シ｢まぁ、そう気を落とすなって。｣

タ｢気を落とすなだぁ？！クソがァ！｣
(胸ぐらを掴む)

シ｢いや、なんでなんで！｣

タ｢なんでじゃねぇよ！普通こうなるだろ！｣

暗転

同級生A
｢なぁ、お前聞いたか？｣

同級生B
｢え、なにを？｣

同級生A
｢タケシだよ。タケシ。｣

同級生B
｢あぁ、あのバッテリー組んでたショウタ君に彼女取られた。｣

同級生A
｢そうそう。あいつ、信頼してた相方に彼女口説き落とされたから、落ち込みすぎてしばらく学校休んでただろ？｣

同級生B
｢あぁ。久しく見てないよ。｣

同級生A
｢あいつ。今朝、一緒に登校してるショウタとかおりちゃんをホームから突き落とそうとしたんだってさ。｣

同級生B
｢え、マジ？！大事件じゃん｣

同級生A
｢な！嫉妬って怖ぇよな…｣

同級生B
｢で、ショウタ君たちは無事なのかよ！｣

終