見出し画像

好きでもいいよ、好きじゃなくてもいいよ

とっておきの「好き」があるはずなんだよ。
好きなものに近づこうとするのは、自分の心臓に手を突っ込むみたいで怖いね。でも、だれかに譲ってはいけないよ。孤独な時間だと思う。だけど分かってる。楽しいんだよ。

まだ掴めないなら、その時は、ずっと留まろうと考えなくていい。きっとまた君は来る。
地図を読むのは好きでしょう?
憶えておくのは得意でしょう。
一度しまっても、何度も抽斗を開けて眺める君を知ってるよ。引き止めるものがあるのなら、また来るからねと約束していい。

きっとまた、君は来る。約束を忘れない。
引き止めた誰かが、忘れてしまったとしても。君は忘れない。
誰かの顔を忘れてしまったりしないんだよ。
誰かの声を、誰かの名前を。君はいつまでも憶えていてくれる。
名前を知らない花のことを、どこで見たのか、憶えている。忘れたりしないんだよ。

君がもう一度訪ねたときに、そこにもうあの景色が無かったとしても。
もう無い景色を好きだったことに気づいても。
遅かったと思うことはない。
君の心に残っているなら、君が知った意味がある。失ってから好きになったっていいんだよ。

だから急いで好きにならなくていい。
まだ好きじゃない気持ちをむりやり誰かにあげなくていい。
今出会いたいものを追いかけて、君の世界を巡ること、怖がらないで。

でも、怖くていいよ。
僕が手をつないでいるから。僕も怖いから、手をつないでいてよ。
信じられなくていいよ。隣にいるね。誰のことも、自分のことも、信じられないままでもいいんだよ。
近づきたい「好きかもしれない」は、きっと信じていいものだよ。君が君を信じられなくても、そこにある「好きかもしれない」を、君は信じてる。手をつないでいるから分かる。
誰かに引き止められるんじゃないかって、君がためらうなら、僕が手を引くよ。

君はきっといつか、ちゃんと「今、好き」を掴むよ。楽しい気持ちのままで。きっと掴む。その時まで、僕が君のその手を、離さずにいるから。
君が僕の「好き」でいてくれるんだよ。だから、なんにも、こわくないよ。
僕と一緒に行こう。きっとそれがいいよ。



恐れ入ります。「まだない」です。 ここまで読んでくださって、ありがとうございます。 サポート、ありがとうございます。本当に嬉しいです。 続けてゆくことがお返しの意味になれば、と思います。 わたしのnoteを開いてくれてありがとう。 また見てもらえるよう、がんばります。