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目を開くから呼んでいて

朽ちることが怖いのではない。
生きたいから痛いのだろう。
溶けるように、土に還る。
目を閉じ、頭の中に、描く。

己の身体がどこへ行くのか、
分解される生きた身体を、
思うとどうにも幸せで、
なにかやりきれない気もする。

ただ泣くことしかできない時間を
過ごしたあとの、夜明けの気配。
あたらしい旅のにおいがしている。
もう、気がついてはいるけれど。

そろそろ行きたくなっているだろう。
留まることが己ではないと、
忘れることなど、できないはずだ。
還ることならいつでもできる。

土を選びたいわけではないけど、
できることなら生き抜いて、
記憶のように、誰からともなく
風に流れてすっかり消えたい。


恐れ入ります。「まだない」です。 ここまで読んでくださって、ありがとうございます。 サポート、ありがとうございます。本当に嬉しいです。 続けてゆくことがお返しの意味になれば、と思います。 わたしのnoteを開いてくれてありがとう。 また見てもらえるよう、がんばります。