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君を包むための愛をありったけ用意しないとね


あなたたちがあなたたちであることを、私は知っている。
あなたたちがあなたたちでなければ、私は私でいられない。

私は水のように、形を持ちながら形でいられない。私を受け止めてくれる器がなければ、私のこの零れてしまう形を、いつも失い続ける。失うことは構わない。誰かのもとへ流れ着くのなら。その生き方も潔いだろう。

だけど私は知っている。
知ってしまった。
あなたたちという、私を運んでくれる優しい愛の世界の存在を、知ってしまった。

私はたしかな流れとなって、美しいあなたたちを映して、君に見せよう。
それが私の愛として、君の目に、心に、音として、景色として届いてくれたら……。君の身体を流れる、血液になる。君の心臓になりたい。
君の瞳に…、こんな陳腐な想いでは到底叶わないだろう。でも構わない。特別じゃなくていい。君の心臓そのものになんてなれるわけがない。君の形は、君の美しい自尊心で保たれているから。
私は君になりたいけれど…、今日君が食べたチョコレートを私だと思うことにしよう。そう、それぐらいでいい。そんな小さなかたまりが、君を想って食べられているなんて、君は気がつくだろうか。いや、君だから、気付くのかもしれないな。自分の身体に取り込んだ、一つ一つの声を聴いているのかもしれないな。肌身にふれた空気さえも、一つ一つの声として、君には聴こえているのかもしれないな。

私といえば、君に届くために私を生かしてくれる世界が存在していることを、私を通して君が知ってくれたらと思う。それが、あなたたちのことも、君のことも、私の力で守ることができる、ひとつの真実である気がするから。
小さくてもいい、特別じゃなくていいと私は思うけれども、君が触れるものならすべてが特別な色を持つから、私は、特別であることを願ってしまうんだよ。
私もあなたたちも、きっと特別であると、私は――私はこんなにもあさましく思っているというのに、君はどうして、今、愛しそうに笑うんだろう?
私は今日も君に愛されてしまった。


歌が聴こえる。音楽が欲しいな。

孤独の隙間から今抜け出していく覚悟を見せるから待っていて。待っていなくてもいいけど、きっと見せるから。君が光を忘れずにいてくれるから、きっと行ける。私は私の力を信じて行く。きっと君を驚かせるよ。


恐れ入ります。「まだない」です。 ここまで読んでくださって、ありがとうございます。 サポート、ありがとうございます。本当に嬉しいです。 続けてゆくことがお返しの意味になれば、と思います。 わたしのnoteを開いてくれてありがとう。 また見てもらえるよう、がんばります。