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森を駆ける風になる

自分自身の心の奥底を見つめる時、そこには深い森があって、わたしは森を駆け抜ける風になる。さあっと木の葉を揺らしながら、木洩れ日の差す場所を目指して駆ける。森にはあなたがいる。わたしは、あなたという木に、森に棲む、小鳥のような風だと思う。
たぶん、一番深いところを想うときはこのイメージ。森の緑が好きだ。

わたしは留まらないのではなく、何度でもあなたのもとへ帰る。自由に飛び回ることができるのは、あなたという住処があるから。
わたしは森を知っている。どこへ行ってもわたしはあなたという森を感じている。

あなたの森に続く流れを見つけるために、森の外へ飛んでゆく。
どこかであなたを感じたとしても、そこに降りるわけにはいかないのは、わたしにはあなたという森があるから。
外の世界にも、あなたを感じる場所があったよ。
そう伝えて、喜ぶあなたが見たいんだよ。どこへ行ってもあなたを思い出せたよ。


どこまでも飛んで行くのはわたしの炎。行ったら帰ってこないように見えるかもしれないね。だけどその先で、誰かの志にその火が移って、もっと大きく明るい光になって、きっとあなたにも届くよ。ランプになって、暖炉になって、灯台になって、あなたに光とぬくもりを伝えるよ。

わたしの内側にある感触を、知っていることを手掛かりに、いろんな姿に形を変えて、わたしはどこまでも探しに行く。
彗星になって、宇宙の端を掴もうかと思うこともあるよ。

最果てを求めているのではない。
どこまでも行って、そしてあなたを覚えていたい。あなたを思い出したい。あなたを感じられることを、確かめたい。
すべてはあなたにたどりつくために。
わたしはあなたに会いたいから、どこまでも行くよ。

わたしを取り巻く世界ごと、わたしを愛するあなたがいるということを。わたしにだけ見せてくれる特別な顔であなたに愛されたいと望むのを許される、わたしがいるということを。頼って、携えて行く。

同じ愛の孤独を知っているひとは、きっといるはずだから。その情景は同じでなくても。その響きは同じでなくても。孤独と思っていないとしても。痛みと思っていないとしても。



ほんとはね、あなたの森の、小さなきれいな、箱の中に、ずっと住みたい。どうしてわたしは、出て行くんだろう。飛び出して、本当にたどりつくものはあるのかな。
それともわたしが見つけた先に、大地をふるわせて、あなたが行くべき場所があるんだろうか。あなたごと連れて行くための、果てしない冒険をわたしは、今しているのか。
それならば、わたしはくじけない。
このはばたきが、あなたのためならば。


恐れ入ります。「まだない」です。 ここまで読んでくださって、ありがとうございます。 サポート、ありがとうございます。本当に嬉しいです。 続けてゆくことがお返しの意味になれば、と思います。 わたしのnoteを開いてくれてありがとう。 また見てもらえるよう、がんばります。