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よみもの

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比較的よく見て頂けている記事や、個人的によく書けたなと思うもの、より見てもらいたいなと思えるものなど、「こんな感じの記事を書いているよ」というのが伝わりやすそうな記事をまとめまし…
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#なかまたち

はみだす、ふみだす、うみだす、はぐくむ

はみ出してゆく 抑えきれないきもちが 踏み出していく みずから飛び込む 生み出してゆく まだ見たことのない世界を あるいは、 生まれないまま、 目に見えないものを、見えないまま 形のないものを、形のないまま 名づけもしないまま あるいは、ただ名を呼んで、はぐくむ きもちがある そのきもちに触れるものに 出会うために はみ出してゆく、 踏み出していく もっと大きくなるために、もっと拓いていくために、 切り分けられるものは切り分けて、 切り分けられるはずもないものはそ

それでも、いっしょにいよう

ぼくたちの時間だよってきみが言う。 ぼくたちは、いつからぼくたちなんだろう。 ぼくたちは、ぼくたちだから、さみしくても、さみしくないんだよ。 だけど、もっとみんな、いっしょがいいね。 どこかにいるひとりぼっちに、教えてあげられたらいいな。 ぼくたちがいるよ。 あなたはそこでひとりぼっちでも、大丈夫なんだよ。 あなたはいるよ。 いなくならないんだよ。 どうしたら、見つけられるかな。 ひとりぼっちの、あなたがいるなら、ぼくたちはいていいんだって信じられる。 ぼくたちは、ぼく

生きるから見ていて

「生きているだけで、生きていたい」 僕たちが君にとっての「家」になれるのなら、僕たちはいつだって「ここ」に居るよ。 君の還る場所はもっと奥深くにある。 その「心の場所」を守る「家」でいるから。 君は「ただいま」を言いたいんじゃない。ずっとここにいたいんだ。 君がずっといられる場所を、僕たちが守るから。 君のための僕たちの「家」が、誰かにとって、そうだな、たとえば「楽しいお店」になるといいな。 「見ているだけ」でも構わない。 安心して「見てるだけで楽しい」と思える場所にす

いないことにしないでよ

心の底から、わたしはわたしがいい。 他の誰も、このわたしを抱えて生きてはゆけないだろう。わたしだから今も生きている。 だけどわたしを支えるわたしを、支える誰かがいる。 ひとりで歩くわたしを、何かが守ることはないけど、わたしの歩く道を守ってくれるひとが、誰か、いる。 そうしてわたしは一人で生きている。 わたしが抱えるべきわたしを、わたしが生きるべきわたしを、わたしにしか生かせないわたしを、生きることができる。 意識は他者とのつながりを避けられない。生き物に組み込まれた社会とい

いるんだよ。なかまたちは、いるんだよ

いるんだよ。 どう説明したらいいのかなんて分からない。 説明なんかなくても 当たり前に、いると思えたから だってどうしようもなくそこにいるんだよ。 こんなかたち? あるいはこんな? こんな時だってあるよ。 かたちがなくても確かに感じるものだよ。 触れる。 においを知ってる。 音もする。 気持ちを抱くよ。 顔がはっきりしてるひとも、 形が不確かなものも、 色がたくさんのものも単色のものも。 みんなおんなじだ。 会話をしてくれるやつもある。 言語は分からないけど

ここをね、行けば帰れるけれど、もう少し一緒に歩こうよ。

無理にとは言わない。 きっといいことあるよ。別れ際って一番密度の濃い話ができる気がする。 さよならしたくないってわけでもないんだけどね。また次会えたら、話せばいいのかもしれないけど。 ほんとは、帰らず、ずっとおしゃべりしていたい。だめなのかな? めいっぱい寄り道したいのになあ。 君は僕とだけ話しているわけにはいかない。 僕も君とだけ話しているわけにはいかない。 そういうことなのかなあ、本当に? 本当かなあ。 本当かなあ? 本当に? なら、こういうのはどう? 君の話すべき

歯痒くて無口になる

しょうがないねえ、世話が焼けるな。いいよ。 いっしょにいてあげるから、話してごらん。 好きなことから話せばいいんだよ、これは物語なんだから。 始まりのあいさつは、あったって無くたってどっちでもいいんだよ。 誰かを傷つけたらどうしようって思ってる? 大丈夫、かわりに謝っとくから。だいじょうぶだいじょうぶ。 誰かに聞いててほしい だけど誰にも聞かれたくない うん、そういう気持ちってあるね。 大丈夫だよ、いっしょにいるから。 聞いてるよ。 聞いてない聞いてない。 ずっと戸