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同志社ロー 2L春学期雑感(入ってから知った制度編) 

自己紹介

はじめまして。同志社大学司法研究科2年次のまだらと申します。
SNS上で、同志社ローの授業雑感などが他のローに比べ少ないと聞き、僭越ながらまとめてみようと思った次第です。
この記事は、入学してから知った情報で、入学前に知りたかったなと思うものをまとめたものです。
あくまで個人の意見ですが、参考になれば幸いです。

在学中受験要件

同志社ローの場合、入試+履修免除試験で下4法すべての科目につき以下の基準を満たした人は、法曹コースと同じカリキュラムになります(以下、該当者を「七法免除者」とします)。
・入試(1科目50点満点):受験した2科目両方が20点以上
・履修免除試験(1科目100点満点):受験した2科目両方が60点以上
七法免除者の枠は狭く、今年は1学年につき2~3名だと思われます。履修免除試験の方が採点が厳しいような気がします(ちなみに私は民訴以外全部落ちました)。

法曹コースと七法免除者は、上3法の演習科目に加え、下4法の演習科目を2L春学期から受講することができます(通常の履修計画にすることも可能です)。また、法曹コースと七法免除者は在学中受験対象のクラスに配属され、下4法の演習科目は再履か時間割被りがない限りクラスが固定されます。上3法の演習科目は他の受講生と同様の基準でクラスが決められるため、変動の可能性があります(後述)。

理論上は通常カリキュラムでも在学中受験要件を満たすことが可能です(計算が間違ってなければ)。が、かなりギリギリになります。1単位も落とせないという気概を持った方が安全だと思います。また、履修免除できなかった科目が多い場合、講義が重複してその時点で受験要件を満たせないことがあります。
在学中受験を真剣に考えているのであれば、可能な限り履修免除試験に全力を費やし、七法免除を目指すことを強くおすすめします。

重要な追記:履修免除試験と前期/後期試験

履修免除試験について、入学試験が前期試験か後期試験かで、扱いが異なる点があるとのご指摘を受けましたので、追記します。
前期試験受験者は、点数が足りず認定されなかった科目について、履修免除試験を受けることができます。
例:刑訴・民訴型で前期試験を受験し、刑訴の点数が足りず認定されなかった場合
→履修免除試験では、刑訴、商法、行政法を受験できる

しかし、後期試験受験者は、入試で認定されなかった科目について、履修免除試験で受験することはできません。
例:刑訴・民訴型で後期試験を受験し、刑訴の点数が足りず認定されなかった場合
→履修免除試験では、商法、行政法を受験できる。
 刑訴は受験できず、この時点で講義科目の受講が決定する。
ゆえに、法曹コースに入りたい場合は、前期試験受験の方がかなり有利になります。ご参考までに。

クラス分け

演習科目は、科目ごとに①~④のクラスに分かれます。
春学期のクラスは入試成績との関連性が薄い印象です。履修免除されなかった科目の講義を取る人が多いため、その兼ね合いによるというのが有力説ですが、正直謎です。クラス番号はあまり気にしなくていいです。
しかし、秋学期のクラスは春学期末成績がモロに影響します。なんとなーくの分類を以下にまとめておきます。

(下4法)法曹コース、七法免除者のみ(半年前倒しのため)
(上3法)法曹コース、七法免除者+全体成績による振り分け
②③ 全体成績による振り分け
④再履生?

ここで注意しておきたいのは、振り分けたクラスが他の科目と重複している場合は別のクラスに移動するため、「その人が現在いるクラスでだいたいの順位がわかる」というものではないことです(そんなことを気にする人がいるかはわかりませんが、一応)。
また、演習ⅠとⅡを同じ先生が担当するなどのルールは無いので、成績でクラスを維持してもクラス担当者が変更になることはあります。科目の先生は頻繁に変わるものと心づもりしておくのがよいです。

学習指導

授業とは別に、定期的に先生主体の少人数ゼミが開講されます(「学習指導」と呼ばれます)。学習指導はその大部分が先生の裁量に任せられているため、内容は司法試験過去問の解説、予備試験の解説、指定した演習書の添削指導など、先生によって様々です。

入学時に指導教授を1人決めるよう事務室から指示があると思いますが、これは大学院生が各種制度を申請する際に指導教授を記入しなければならないためであり、実際の指導にはほとんど関係ありません。ただし、一部の先生は指導学生にのみ学習指導の枠を設ける方もいらっしゃるので、学習指導を受けたい先生が制限を設けていないかしっかり確認してください。

特に制限を設けていない先生の場合、クラス担当か否か、指導教授にしているか否かに関係なく、指導を受けることができます。学期途中の離脱・参加も自由です。授業ではないので出席義務もありません。
学習指導が他の授業と被っている場合も、先生に相談すれば別で時間を取ってもらったり、録画をもらったりすることができる場合があります。気になる学習指導があれば、まず気軽に教授にメールしてみましょう。

添削指導

学習指導を受けていなくても、先生にメールで答案を送ればだいたい添削やコメントをしていただけます。過去問だけでなく、予備過去問、市販の演習書も同様です。ただし、市販の演習書の場合は先生がその演習書を持っていない場合があるため、問題・解説部分をスキャンして添付すると丁寧です。

予備校教材に対しても寛容な先生が多く、演習書同様にスキャンして送れば対応いただけます。(この方には送ってはいけない、という先生はいらっしゃいますが、個人を特定しかねないため明記しません。それぐらい予備校教材NGな先生は少数派です。)

先生方は大変優しく、突然メールを送りつけても丁寧に対応いただけます(もちろん、最低限のメールマナーを備えた上での話ですが)。特に中間試験・期末試験の個別講評は、自分が時間内で精一杯書いた答案について客観的な意見をいただけるので、自分の現在の限界を知る上で大変おすすめです。先生方も「逆に個別講評に来ない生徒が心配」とおっしゃるぐらいなので、どんどん利用していきましょう。

在学生のレベル感

隠れ未修、社会人受験生がある程度いることを前提としているためか、授業は全体的に基礎の確認をしっかりめにやる傾向にあります。どの科目でも、学説の細かい部分に立ち入ることはあまりしません。ゆえに、応用的なことをやりたい人は、個別指導など別の機会に期待するのがよいと思います。
もっとも、大半の生徒、先生に「細かい議論に立ち入ることは(効率を考えると)よろしくない」という共通認識がみられるので、深い議論をしたい場合はロー内にいる少数派を探すか、別コミュニティを作ることをおすすめします。

予備論文対策をしっかりやっているような人はもちろん、そうでない人でも真面目に予習復習をやっていれば、奨学金維持要件(=GPA3.0以上が目安、上位20%〜30%程度)をクリアすることは十分可能です。ただし、いわゆるマイナー論点がしっかり出て死者多数になった科目の話もたまに聞くので、予備抜けを目指すなど授業への労力を減らしたい人も、最低限の「授業専用の」対策が欠かせないと思います。

在学生の雰囲気

程度は学年によりますが、基本的にみんな仲良しです。競争心を同級生に対してしっかり持っている+それを表に出す人は少数派です(これは私と喋らないだけかもしれないので不確かです)。
少なくとも、この半年大きな人間関係トラブルは発生していません。

また雰囲気の特徴として、法曹コースとそれ以外でコミュニティが分断されている印象が強いです。クラスが分断されること、法曹コースは学部からほとんど同じメンバーであることから、これは致し方ないものと思われます。私は通常卒業かつ七法免除者ではないため、法曹コースと関わる機会が普通に過ごしているとほとんどありません。
優秀な人が多いので、友達にいるとモチベの面でメリットを享受できると思います。関わりたい場合は積極的に交流を持ちましょう。

終わりに

同志社ローは、学部の途中や社会人になってから法曹を目指して勉強を始めた人をメインターゲットにしているように思います(私が4年春から勉強をちゃんと始めた人間なので、この方針は大変ありがたく思います)。そのため、学部入学時(あるいはその前)から真剣に法曹を目指して地道に頑張っている人には物足りないと感じるかもしれません。
しかし、「大学院生」という身分と大学院施設を利用する権利を(人によってはかなり安価で)2年間保障されるメリットは、せっかく在籍するのであれば目一杯享有しに行く方がお得です。

長くなりましたが(約3200字)、最後までお読みいただきありがとうございました。次は入学を決めている人向けの、もう少し内部的な話をまとめようと思います。どうぞよろしくお願いします。








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