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三日坊主日記 vol.131 『スーツケースという相棒』

今月末から、久しぶりに海外へ行く。


残念ながら仕事ではなく、プライベートの用があって海外で家族が集まることになった。こう書くとなんだかセレブリティのようだが全然そうではなく、エコノミーで行く貧乏旅行だ。しかも円安と言うアゲインストの風まで吹いている。


今日は天気が良かったので、もう随分長い付き合いになるRIMOWAのスーツケースを引っ張り出して虫干しした。これを買ったのは、確か30年ほど前にブラジルへロケに行く時だったと思う。初めてのブラジル。初めての南アメリカ大陸。未知の体験を前に、頼れる相棒が欲しくて買ったような気がする。


あれから何回一緒に旅をしただろう。ロケーション。ロケハン。広告祭。映画祭。視察という名のご褒美旅行。そしてプライベートで。ボコボコになりながら、いつも僕の荷物を守ってくれた。


内張りも交換しているし、リベットも一部打ち直してもらっている。アメリカでTSAロックが採用された時は、元々ついていた鍵をTSAに交換してもらった。ショップでは拒否されたんだけど、修理工場に持ち込んで相談したら結局は対応してくれた。


どこへ行った時か忘れたが、10センチほどボコっと凹んで出てきたことがある。どうやったら補強してあるアルミボディーの角がこんなに凹むのか。ハンマーで思いっきり叩いても恐らくそうはならない。数メートルの高さから落とすか、フォークリフトのような車両か何かで突いたか。いずれにしてもちょっと考えられない大怪我だったが、これも修理されて戻ってきた。何度も修理をして、その度に味わいが深まり、愛着が増してくるのだ。


ただ、この相棒に一つだけ欠点がある。それは古いタイプなので、ホイールが2つしかついていないということ。今のスーツケースのように4輪ではなく、2輪。つまり自立しない。自立はするが、その状態でコロコロと転がすことができない。転がすためには常に持ち手(僕)に負担というか荷重が掛かっているのだ。


若い時は問題ないけど、歳をとると結構つらい。つらいからしばらく使っていなかったんだけど、今回は荷物が多いんで久しぶりに働いてもらうことになった。


スーツケースも歳をとるけど、持ち主も歳をとる。さて、ベテランコンビでどんな旅になるのやら。



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