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映画『泥の子と狭い家の物語』公開日記 〜リピーター〜

2月12日も『泥の子と狭い家の物語』にお越しいただきありがとうございました。昨日は阪急十三の第七藝術劇場で主演の織田ひまりちゃんと一緒に舞台挨拶。日曜日の夜にもかかわらず、多くのお客さまが来てくださって、ちょっと感動しました。


少し早めに着いて受付に向かうとご婦人が発券してらっしゃいました。横で見ていると僕に気付いて「あ、監督」と声をかけてくれました。本日は2回目の鑑賞であること、前回も舞台挨拶の日に来てくれて僕の顔を覚えてくれていたこと、息子さんが東京で映画の予告編を作る仕事をされていることなど、少し立ち話をしました。そして息子さんは、映画『泥の子と狭い家の物語』の存在を知らなかったこと、そしてもっと多くの人、特に若い世代が見るべき映画であると思っていることなど、とても嬉しくて同時にちょっと悔しい話をしました。


そうなんです。まだほとんど誰もこの映画のことを知らないのです。


多くの、というかほとんどの映画が同じような運命を辿るんだと思いますが、製作者としては非常に悔しくって、歯痒くって、不憫でたまらない。表現物なんだから、見た人がどう判断するか、受け入れるか受け入れないか、そこで評価されるのは仕方がないと思います。しかし、誰も知らない間に生まれ、誰も知らない間に消えていく。これはさすがに映画が可哀想すぎると思うのです。どうしたらより多くの人に知ってもらえるのだろうか。準備不足、資金不足とはいえ、なんとかならないものか毎日考えています。何か良いアイデアはないのでしょうか。


そんなこともあったので舞台挨拶でお客さまに本日初めて見るのか、そうじゃないのか聞いてみました。すると、半数から半数を少し超える数の方がリピーターという驚きの結果でした。中にはなんと7回目という方がお2人も(この方々はひまりちゃんを見に来ているので、ちょっと特別ですが笑)。


僕の友人知人にも複数回見てくれた人がたくさんいます。多くの人がその理由に挙げるのは、一度目はとにかく物語にグイグイと引き込まれていき、気付いたら終わっていた。だからもう一度ゆっくりと味わいたい、ディティールを楽しみたい。というもの。他には、見終わった後に胸にズシンと重く残るものがある。なんだか分からないそのズシンが何モノなのか知りたくてもう一度見た。というものです。


2月10日の記事でも書きましたがこの映画は、見た人が登場人物の誰かに感情移入して欲しい。またそうできるように作ったつもりです。だから、物語に引き込まれたり、胸に何かがのしかかったりしてリピートしてくださる方が多いのかも知れません。いずれにしても、とてもとても嬉しいと思いますし、だからこそより多くの人に見て欲しいと益々思うのです。

登場人物のこと、美術セットのこと、ロケーションのこと、などなど、映画『泥の子と狭い家の物語』のいろんなことを少しづつ書いていきます。お客さまからのご質問にもお答えします。これからも応援よろしくお願いします。


阪急十三 第七藝術劇場での上映は2月17日迄。連日19:30~です。お仕事帰りに是非お越しください。

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