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三日坊主日記 vol.194 『村上隆 もののけ 京都』
昨日は午後から終電近くまで京都にいた。
予定と予定の間に少し時間ができたので、「村上隆 もののけ 京都」を見に京セラ美術館へ行ってきた。会期のはじめの方に二度ほど行ったのだが、非常に多くのお客さんがいて断念していた。三度目の正直で今回はゆっくりと見られた。
来場客はほとんどが外国人。海外には村上隆ファンが多いらしいから、昨日来ていた人たちもきっとそうなんだろう。好きなアーティストの展覧会をその人の母国で見られるというのは、また格別の思いがあるんじゃないだろうか。僕がオルセー美術館で初めてモネを見た時も、思わず声を出しそうになっからね。
アジア系の人もヨーロッパ系の人も、ラテン系の人も、なんだかとても嬉しそうに、ニコニコと村上作品を楽しんでいた。この人の作品の是非はおいといて、人を元気にする力があると思う。眉間に皺を寄せて見るアートも良いけど、人を明るい気持ちにできる作品も素晴らしいんじゃないだろうか。
閉館時間が迫ってきた頃、出口付近で中国人らしい母娘とすれ違った。小学校低学年くらいの娘さんと若いお母さんが速足で歩いてきたんだけど、入口を飾っている村上氏の大きな大きな桜の花をモチーフにしたパネルを見た途端に娘の方が一瞬立ち止まり、目と口を大きく開けて息を飲んだ。すぐにお母さんが促して再び速足で行ってしまったんだけど、娘さんのそのなんとも言えない表情がとてもとても印象的だった。
たった一瞬の経験が女の子の人生に間違いなく良い影響を与えるであろうことは、あの表情から容易に想像できる。誰かにそんな影響を与えることのできる村上隆はやはり素敵だし、その瞬間を体験した彼女も、それを目撃できた僕にとってもとても幸せなことだと思う。あの二人が閉館時間に間に合って無事に入場できていますように。
それにしても村上隆氏はビジネスに長けた人だ。グッズはもちろん何十万円、何百万円もする作品のレブリカが、円安効果も相まって飛ぶように売れていた。
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