三日坊主日記 vol.309 『岡山映画祭』
大雨の影響で危うく遅刻しそうになりながらも、ギリギリ間に合った岡山映画祭。
手作り感あふれる(もちろんイイ意味で)、とてもよい映画祭だった。上映開始時は大雨だったこともあり満員御礼というわけにはいかなかったが、それでも多くの映画好きのお客さんが来てくれた。中でも嬉しかったのは、思いがけず懐かしい顔に会えたこと。
僕は2010年から3年間ほど岡山のクライアントの仕事をしていて、年に2〜3回は必ず岡山へ出張していた。その時にずっと手伝ってくれていた人がいて、今回も見に来て欲しかったんだけど10年以上会ってないし、SNSでも繋がってないんで連絡せずにいた。それなのに、映画祭のチラシに僕の名前を見つけて駆けつけてくれたというのだ。嬉しいじゃないか。登壇してすぐに客席の真ん中あたりに彼の顔を見つけ、2度見どころか、3度、4度と見直した。
さて、トークショー。いやいや、トークショーというほどのものではない。登壇して、ご挨拶して、映画に込めた想いや撮影裏話なんかを司会の方と話すだけだ。しかし、今年の映画祭のテーマ「分断をこえて」に合致しているからこそ招待してもらっただけあって、なかなか突っ込んだ話になった。そして途中からお客さんからの質問コーナーへ。ここでも皆さんどんどん手を挙げて感想と質問をくれる。なかにはちょっと厳しめの質問というか感想もあったけど、それもまたありがたい。40分間みっちりと中身のある濃い話をすることができた。
映画のアフタートークや舞台挨拶をすると、大阪人だからなのか、僕自信の性格なのかはわからないが、どうしても変なサービス精神を発揮してしまうことがある。ちょっと笑いをとったほうがいいんじゃないかとか、あまり真剣に語らない方がいいんじゃないか、とか。が、しかし、お客さんの層にもよるが、今回のように映画好きが集まってくれている時には、真剣に、少々面倒くさいと思われても想いを語った方が良いんだろうなと思う。たぶん。考え方とか、思想の違う方もいるんで難しいんだけどね。
終了後もロビーで多くの人が声をかけてくれ、映画の感想をたくさん語ってくれた。中にはご自身と子供さんとの関係や悩みの参考になったといってくれる方もいて(なんと3人も)、もうなんだか嬉しいを通り越して大丈夫かと心配になったりもする。しかし、僕の映画が親子や家族の関係がほんの少しでもいい方向へ進むきっかけになるとしたら、こんなに光栄なことはないし、本望である。映画制作者というか表現者としていちばん嬉しいと思うのだ。
そして最後に随分お待たせしたけど、10年振りに再開したM君と奥様とゆっくりお話し。映画の話、近況報告、などなどなど。またぜひお会いしましょうとがっちり握手して、お別れした。またしても映画のおかげで新しい出会いや再会があった。僕の映画は、次は僕をどこに連れて行ってくれるんだろう。
岡山映画祭のスタッフの皆さま、見に来てくれたお客さま、大雨の中間に合わせてくれたJR西日本。そして今回出会ったすべての方々に、ありがとうございました。これからも『泥の子と狭い家の物語』をよろしくお願いします。
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