ヴィタリナ(2020.9.19.公開)
今回は
『ヴィタリナ』です。
ペドロ・コスタ監督作。
画面は圧倒的に暗い。
映っているものが何かわからない場面があったぐらい。
神父が語る二分された世界の
闇の世界を描くように暗い。
常に画面の周囲は闇であり
中心だけに僅かな光があるような。
そこに映し出される
ヴィタリナの悲しみと怒り。
画面が明るくなるのは本当に映画の終盤。
これだけ暗く苦しい作品なのに
結末は清々しい。
FILMeXでの上映後Q&Aにはペドロ・コスタ監督が登壇。
(演技について)
ペドロ・コスタ監督
「まず本作に出身しているキャストは全員プロの役者ではない。この映画の撮影はリハーサルを含め一年をかけました。そして出演者たちは自分の台詞を自分で書いている。つまり俳優であり脚本家なのです。私は自分の役割を監督というより調整役と考えている。このような映画作りは長いこと失われているものだと思います。ただこのような映画の作り方から得られるものは非常に大きいと考えています」
text by ronpe
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?