見出し画像

イート イート イート

 世間の評判はどうあれ、自分の心にドカッと居座る魂の映画というのがあったりしますよね。

 みんなの評価は高くなくとも、自分の中では1億点あげたくなるような、そんな作品。

 自分にとっては大林宣彦の商業映画デビュー作である「HOUSE ハウス」もそんな映画の一本だったりします。

 お話としては七人の女のコたちが呪われた家にむしゃむしゃと食べられちゃう。ただそれだけの内容です。

 でも、この映画がきっかけで角川春樹と大林宣彦が結びついたとも言われており、脚本家の桂千穂は自身の脚本は一文字も使われてないとされているのに大林宣彦とは家族ぐるみのつきあいがはじまったと言いますので、日本映画史的にも重要な作品であったのではないかと勝手に思っていたりします。

 で、この映画、オチもヘッタクレもないのですが、凄い気に入ってしまったのです。当時の少年漫画雑誌で特集組んだり、深夜放送でラジオになったりとかなりプロモーションに力を入れていたので子供の心に刺さりやすかったというのもあるかと思います。

 そして当時の美少女タレントたちが情け容赦なく愛情たっぷりに死んでいくバッドエンドなラストと刺激的な映像は自分の深く魂に刻み込まれることになった次第です。

 そうなると根がヲタクなので、この映画のアレコレを集めはじめてン十年。

 誰もが知ってる映画ならばいわゆるヴォールト(内部資料や書簡、当時の資料などを復刻、ボックスとして発売する商品)形式の商品が期待できるのですが、そういう例は極めて稀だったりするので、自分で宝物を探し回るわけです。その過程の発見と探索もまた楽しかったりするのですが。

 おかげさまで、当時発売された佐藤肇のノベライズ以外はそれなりにカバーすることができました。

 2000年代のいわゆるJホラーブームの際に海の向こうで再評価されたのですが、ようやく国内でもBD化されています。

 ここに来て日本のカルトムービーの最右翼としても語られることが多い作品ですが、物語を超越した映像は好みが分かれるところかもしれません。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?