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クルド・トルコ紛争にもイスラエルの影


皆さん、こんにちは・こんばんは・おはようございます。「見たかな?観たよ!」の中の人、ひろ-macrobiworldです。

今回はガザ・イスラエル戦争の陰で、実はクルド・トルコ紛争も絡んで事態が複雑化しているらしいと言うお話です。

日本でも、埼玉県の川口市や蕨市でクルド人問題が起きて社会問題化しているだけに、遠い国の出来事では済まない一面がありますよね。

とは言えクルド人がどう言う人たちなのか?知識がない日本人が殆どだと思いますので、今回は主にそうした問題の裏にある、歴史的な背景と現状について探って行きます。

なお今回も長文記事になっております。一気読みがキツい方は目次機能をご利用いただき、分割して読んでいただけるとありがたいです。

それでは行ってみましょう!

クルド・トルコ紛争と中国-台湾の相似形


まず私たち日本人は、クルド人とトルコ政府の間には、オスマン帝国が崩壊してトルコという国が誕生した時からクルド・トルコ紛争が存在していると知っておく必要があるでしょう。(因みにこの紛争は現在に至るまで、100年に渡って続いているそうです。ー--つまり、現在も散発的に継続中。)

クルド・トルコ紛争とは主にトルコ国内において見られるトルコ政府とクルド人の武力を伴う紛争である。この紛争はトルコ独立戦争後、すなわちオスマン帝国から現代のトルコへの過渡期に始まり今日まで続いている。根底にはトルコ人に対するマイノリティであるクルド人のナショナリズムがあり、場合によってはこれはクルド人によるトルコに対するテロであると表現され、また時にはトルコの内戦であるとされる。

クルド・トルコ紛争|Wikipediaより引用

何故知っておくべきかと言うならば、トルコと日本は友好的な関係があるが故に、私たち日本人に対して目隠しされていることが無いか?この問題について多角的に考え、それを知る必要があると思うからです。

実際、調べてみると実はトルコにも、中国と同じ様な建国の経緯がある様で、

アンカラ政府(現在のトルコ共和国)は第一次世界大戦後のオスマン帝国は内戦状態にあり、オスマン帝国のイスタンブール政府に対立する形で1920年の4月にムスタファ・ケマルアンカラ政府(現代のトルコ共和国)が発足。

この時イスタンブール政府は連合国との間でトルコ領内でのクルド人の自治権とアルメニアの独立を謳うセーブル条約が締結されていましたが、
アンカラ政府はこれを認めず1923年にヨーロッパ諸国とローザンヌ条約を締結し、アンカラ政府を主権国家として認めさせた…と言う経緯があったらしい。

その結果セーブル条約は反故にされ、クルディスタンはトルコ、イラン、イラクシリアの4カ国と、後のUSSRの間(サイクス-ピコ協定)で5分割されてしまったのだそうです。

でもこの時、実はこのセーブル条約ではクルド人の自治が認められていたので、あるいはクルドが望めばクルディスタン独立もありえたようなのですが、部族対立や、都市のエリートと東部の指導者たちとの意識の隔たりから機を逸してしまったらしいのです。

読者の皆さんは、ここまで読んでどう思われたでしょうか?

私はこれを読んで、なんだかトルコとクルドの関係は、中国共産党と中華民国政府(台湾)みたいな関係なのかな?と思ったのです。

イスタンブール政府が清王朝→中華民国政府で、アンカラ政府が中国共産党ですよね。

また私たち戦後生まれの日本人は自らの国の近現代史は勿論のこと、中国大陸の近現代史にも疎いところがありますが、これを知らないとクルドとトルコの問題も理解しにくいのかも知れないと思いました。(比較対象があった方が理解しやすい。)

それにクルド人に対してトルコ政府は、中共政府がチベットやウイグル自治区に対してやっているのと同様の同化政策と言うか、民族浄化的な対応をして来ているみたいなんです。

基本的にEUがトルコの加盟を認めようとしないのは、

(トルコは親日国で、日本とは友好的な関係にある為、その関係を壊したくない心理が働くのか日本では余り報道されませんが)

この様にトルコ政府によるクルド人に対する“ジェノサイドがあった”からなのだそうです。この事実を知る日本人は、恐らくかなり少ないのではないでしょうか。

矛盾するエルドアン大統領の言動


エルドアン大統領はオスマン帝国の復活を目指しているとよく言われるのですが、

それならトルコ政府側のこうした同化政策の様な全体主義的な対応は
(“EUに加盟したいから態度を軟化させた”ではなく、オスマン帝国がイスラム国家として本来あるべき精神性・在り方として)
改めるべきでは無いか?と感じたのですが、如何なんでしょうか。

つまりオスマン帝国が許容していた程度には、トルコ政府もクルド人の自治を認めその文化を許容出来ていれば、防げた紛争だったのでは無いでしょうか。

色々読んでみましたが、PKK(クルディスタン労働者党※)の主な反乱要因はトルコ国内でのクルド人の抑圧…と言うよりも、

(注;PKK|イデオロギー的にはマルクス-レーニン主義➕クルド民族主義だが、左翼リバタリアンでもあると言う。)

クルド人に対する文字や言葉を奪う…と言うような民族浄化的なトルコ政府からの迫害行為にあったらしいので、現在、表向きは緩和されたとは言え、クルド人自治区からクルド人を厄介払いしたがっているかの様なトルコの対応は考え直す必要があるのでは…?とも感じました。

な〜んかね、調べて行くとPKKもトルコ政府も「どっちもどっち」的なところがあるんですよね。(ハマスvsイスラエルと一緒。どっちもえげつないことをやっている。)

今日本ではクルド人ばかりを非難する声が大きいですが、調べてみたらトルコ人がクルド難民を装って問題を起こしている可能性があるケースもあるらしい…と言うことも分かりました。

「日本人がわれわれに合わせるべき」埼玉県の「クルド人問題」当事者らに話を聞くと衝撃の答えが…市議は「多文化共生は不可能」(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース

どうやらクルド人にとってのトルコ人というのは、海外における日本人にとっての中韓人みたいなところがあるらしい。

つまり彼らが外国で悪さをする時に、言い逃れの為に日本人を装っていることがある…と言うアレです。

それを差引いたとしても、ウクライナ侵攻で既に私たち日本人も経験している様にクルド人とトルコは「紛争中」なのだから、日本人に対しても「工作や情報戦が仕掛けられている」と言う前提で考えるべきなのでしょう。

トルコに配慮するが故に日本で報道されない問題がある?←クルド人の苛立ちの原因か?


クルド人がクルド人独立国家を持ったり、自治区を持ちたいが、色々あって…と言うのはわかるのですが、その場合の彼らのテリトリーというのは現在のトルコ・イラン・イラク・シリアであって、日本は違います。そもそも関係が無い。

自分たちだけで解決出来ないから助けて欲しいというのなら素直にそう言えば良いものを、
日本に自分たちの自治区を作ると言ったり暴力事件を起こして、わざわざ日本人を敵に回すようなことをする。なんでそんなことするんだろう?

…って、思うでしょ?普通は。

勿論、日本で充分な教育を受けられていないが故に言葉が通じないクルド人の中にも、問題を起こす輩は沢山いるのでしょう。でもそう言う問題の影に、一部のクルド人が言っている様にトルコ側の日本の世論に対する工作活動も含まれていたとしたら、どうでしょうか。

要するに彼らは日本で、クルド・トルコ紛争の場外乱闘をやらかしているわけです。

なので先日の女子中学生への暴行事件でも、報道では犯人はトルコ国籍の自称クルド人と伝えていた報道機関がありましたよね。
(実際は難民申請中のトルコ生まれ日本育ちのクルド人2世だったらしいですが、上記の様なケースもあるので最初の報道では配慮されたのだと思います。)

クルドとトルコとイスラエル


長くなるので詳細は省きますが、シリア内戦時にクルド人民防衛隊はイスラム国(IS)と戦って活躍してくれていました。

けれども(真偽のほどは不明ですが)トルコ政府はイスラム国(ISIL,ISIS)を支援していると、PKKがトルコ政府を批判していたようです。

この件に関しては少し長いのですが、下記の2019年の日経ビジネスの記事が参考になるかと思います。
呉越同舟だったIS打倒、トルコとクルドが100年の怨讐再び:日経ビジネス電子版

この記事から遡ること2年

〜2017年、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエルはPKK(クルディスタン労働者党)を拒絶し、テロ組織とみなしていると述べ、トルコに対し、ハマスもテロ組織とみなして恩返しをするよう求めた。〜

そしてこのトピックです。

〜PKKの指導者であるムスタファ・カラスは、米国がエルサレムをイスラエルの首都として承認したことを非難し、
エルサレムはユダヤ人の都市ではあり得ず、3つのアブラハム宗教すべてが尊重される特別な地位を持つ都市であるべきだと述べた2018年5月、
米国が大使館をテルアビブからエルサレムに移転した後、ガザ国境で抗議デモが起こり、イスラエル軍が数人のパレスチナ人を殺害した。
PKKはHDP(親クルド人民民主党)とともに殺害を非難し、暴力の行使をやめるよう呼びかけた。〜

どちらもイスラエルとPKKの紛争|Wikipedia(英語版)よりAI翻訳にて引用

このイスラエルとPKKの紛争については、Wikipediaの日本語版にはありません。
英語版とアラビア語版が存在するだけです。

トルコ国内のクルド人は基本的には親パレスチナで、特にPKKはPLO(パレスチナ解放機構)と関わり合いがあるようです。

離散の憂き目に遭ったクルド人にとって、ユダヤ人が受けたかつての受難と同じこと様なことをされている、パレスチナ人に対する同情や共感もあるんでしょうね。

クルド人が埼玉で問題行動をエスカレートさせているのは、トルコ政府がクルド人自治区にパレスチナ人用の入植地を勝手に建設したから…?

2022年後半にトルコが占領し、それ以前はクルド人民防衛隊の支配下にあったアフリンに入植地が建設された。(筆者注;トルコ軍が占領したとは言っても住民の多くはクルド人で、土地の所有者もクルド人らしいです。)

入植地はパレスチナ人を収容するために作られたもので、220世帯を収容する75の集合住宅がジンディレス地区に建設された。

これはシリアのクルド人、特にPKKと同盟関係にあるYPGの支持者から多くの批判を浴びた : 「我々は、アフリンやその他のクルド人地域にパレスチナ人が入植することを拒否する」と述べた。

彼はまた、パレスチナ国家は入植地の建設には関与しておらず、クルド人と彼らの土地を虐待するものには反対だと述べた。

後に、イスラエルの銀行がアフリンにおけるパレスチナ人の入植に資金を援助していたことが判明した。

クルド・トルコ紛争|Wikipedia(英語版)よりAI翻訳にて引用

Wikipedia(英語版)に添付されていたソースによると、このイスラエルの銀行はイスラエル第2の規模を持つハポアリム銀行で、彼らはパレスチナへのイスラエル人の入植支援の出資もしているとのこと。

また仮想通貨やブロックチェーンの分野では、ハポアリム銀行はマイクロソフトと提携してもいるようです。

こうなってくると、クルド人問題に対する闇側DSの関与も疑いたくなってくるんですけどね…。

事実イスラエルの新聞ハアレツの2011年9月13日号では

「トルコに続きPKKもイスラエルに謝罪を要求〜
PKKの指導者は、イスラエルは1999年に投獄された指導者を捕らえたことについて謝罪しなければならないと述べている。リーバーマンが、イスラエルがクルド人政党に協力し、武器の供給も検討するよう勧告したと報じられた後の要求である。」

と報じています。

って言うことは、ハマスもPKKも同じ…ってことになるんですけどね。イスラエルはハマス同様にPKKをコマとして使う為に(?)PKKを取り込もうとした。

だけどPKKはハマスと違ってやたら独立心が強かったから、イスラエルのその申し出を“蹴った”んだろうなあ…。

なお日本語版Wikipediaでは、2007年にトルコ当局がPKKと米国の民間軍事会社ブラックウォーター・ワールドワイドとの取引を指摘しているとの記述が見られます。(あら結局そうなるの〜?って感じですけどね。それとも同じDS絡みでもブラックウォーターの方がまだマシだとでも思ったのでしょうか?)

またPKK自体は結成当初は世界革命を目標にしていたけれど、途中からクルド民族の独立に目標が変わったらしいです。

だからねえ…良くも悪くも闇側DSとの繋がりはあるはずなんですよね。(もしかしてPKKはそれに気付いて目標が変わった?)

多分、この記事を全文読んでくださった方で、私の中東関係の過去記事を読んで下さった方ならピンと来るはずです。

クルド人問題はなんらかの形で闇側DSに利用されていると思うのだけれど、闇側DSの具体的なシナリオがまだ見えてきていない。

(X;旧Twitterではこうした先進国の不法移民と各国の警察が放置または逮捕してもすぐにリリースしてしまう状況を、WEFと国連が進めるグレートリセットのプランのひとつだと発信されている方もいるけれど、その方の他のポストの内容を観ると情報の真偽の精査はしていないようにも見えるので、現段階では1歩引いて見ています。)

因みに記事に出てくるクルド人民防衛隊は、シリア・イラクでのISILとの戦いで活躍したあのクルド人の女性部隊が所属していた部隊です。

アフリンはトルコーシリアの国境地帯で、トルコ側に飛び出たシリアの内陸の半島の様な場所にある、オリーブ石鹸で有名なアレッポ県にある町です。そしてシリア非公認ではありますが、この地域はクルド人自治区の扱いを受けていた場所でした。

そこにトルコが侵攻してきて、(2018年トルコ軍によるシリア侵攻トルコ軍によるシリア侵攻 (2019年))
2022年にはこの地域をトルコ軍が占領していたらしい。

そしてトルコ政府がクルド人に断りもなくパレスチナ人用の入植地を建設し始めたと言うのです。

クルド人問題が騒がれるようになってから、日本では「トルコ政府はクルド人に戻って来るように呼びかけてくれているが、クルド人が戻ろうとしない」と言う話もたまに目にしますが、これでは戻ろうとしないのも当然の成り行きではないでしょうか。

2019年10月時点でのシリア内戦時の勢力相関図|Wikipediaより
(注;アフリンは元々はシリアの領土で、事実上のクルド人自治区だったが、トルコ-シリアの国境地帯に有り、2022年のトルコのクルド人勢力に対する越境侵攻により、現在アフリンはトルコが占領している。)


面倒臭いトルコとクルドの関係
〜面倒だからこそ一面的な見方は避ける必要性


繰り返しになりますが、基本的にEUがトルコの加盟を認めようとしないのは、トルコ政府によるクルド人に対するジェノサイドがあったからなのだそうです。(またトルコ・クルド紛争が現在でも継続中であることも、理由のひとつかも知れません。)

PKKはテロ組織指定を、PKKの指導者はテロリストとして国際指名手配を受けていますが、Wikipediaの英語版の記事を読むと、トルコ政府もまたクルド人に対して国家テロリズムを起こしているとの記述が見られます。

そこで双方がやっていることを見ると「どっちもどっち」なんですよね。
「目には眼を、歯には歯を」ってやつなんでしょうか。

EUはトルコの加盟を認めていないわけですし、西側諸国はPKKをテロ組織指定し、指導者を指名手配しつつも、クルド人の人権問題には配慮されていると言うことなんでしょう。
そういう意味では、少なくともバランスをとっている。

でもこの問題に対し現在の日本の世論は一方に偏っている傾向があり、これは余り好ましくない傾向だと思うのです。

このアフリン入植地建設の記事は2023年3月の記事となっていますが、埼玉県の病院で事件が起きたのは2023年7月4日のこと。

病院での事件以前からも兆候はあったのかも知れませんが、少なくとも2023年以前は、2015年のトルコ人とクルド人の日本での在外投票時の暴動騒ぎ以外は、移民にありがちな生活習慣の違いや、言葉の問題で日本のコミュニティに馴染めずルールを知らないことから来るトラブルが殆どだったはずです。

しかもこの2015年はWikipediaによると


2015年7月下旬、長期にわたる紛争を解決することを目的とした2年半の和平プロセスが失敗した後、様々なクルド反乱グループとトルコ政府との間のクルド・トルコ紛争の第3段階が勃発した。

そうでして、
件の大使館前での暴動騒ぎは2015年の10日25日。

なぜトルコはクルド人を攻撃するのか? アメリカの“安全装置”が外れた中東で次に起こる3つのシナリオ モーリー・ロバートソンによる世界のツイート解説|FNNプライムオンライン

つまり病院での事件もそうなのですが、トルコで何かあった3〜4ヶ月後に日本で事件を起こしていると言う共通項があるわけです。

そして皆さんご存知の様に、病院での一件の後、明らかに日本人に対して侵略的言動を取るように、クルド人の態度が傲慢な方向に変化しています。

分断工作に遭った結果、対立するクルド人同士の問題


病院での事件は「対立するグループ同士で乱闘になった」のが原因とされているようです。

古株の在日クルド人によると
「クルド人は昔から遊牧民だったんです。季節によって移動をしながら、農業と牧畜で生きてきた。たいへんな暮らしです。だから親族同士の絆が強くなるし、同じクルド人でも遊牧する場所が違う人々とはなかなか打ち解けない」

と言います。

つまり自分たちのコミュニティ外で自分たちに何か問題が起きた時に、外側の当事者と話し合いで解決する習慣がないと言うことなのでしょう。

しかもその民族性をうまいこと利用され、クルド人同士の内部対立を煽るよう仕向けられてきた歴史もある。より一層、「信用できるのは親族だけ」となっていく…のだとか。

PKKは極左ですが、右翼のクルド民族主義組織(例えばトルコ・ヒズボラなど)との間の対立や紛争もあったらしいです。

日本だとイデオロギーの違いで議論になって、つい熱くなって取っ組み合いの喧嘩になると言うケースはままあるのかも知れないけれど、それを紛争にまで発展させる…と言う発想は無いですよね。

必ず仲裁しようと言う人が出て来るでしょうし。

ところがクルド人の場合は分断を煽られ、対立が激しくなる方向に誘導されて、現在があるらしい。

冒頭の「トルコ・クルド紛争と中国-台湾の相似形」の項目で触れた〜第一次世界大戦後に、部族対立や都市のエリートと東部の指導者たちとの意識の隔たりから、クルディスタン独立の機を逸してしまった〜と言う欠点が今でもクルド人の弱点として引き継がれて、問題が拡大しているのですね。

さらに“多くのクルド人が「トルコ人がクルド人と偽って難民申請している」と話す。それを肯定するトルコ人も、否定するトルコ人もいる。なにか事件があるたびに「あれは本当はトルコ人がやったこと」「これだからクルド人は」と互いに言い合う状況がある”のだと言います。

…って、いやいや日本でクルド人自治区がどうのと言い出す前に、「あんたらクルド人同士が、そのてんでんバラバラで争い合ってる状態を、まずは解決しなさいよ」って話になりますよね。

トルコ人によるクルド難民なりすましの問題も、その問題が現実に存在するものなら、その原因はクルド人全体がバラバラでまとまりに欠けるから▶︎横の繋がりが殆ど無いから異物が入り込んでも気付けない▶︎トルコにその弱点を突かれて攻撃されているーーーということなのではないでしょうか?

日本のど田舎の村はしがらみが強く面倒だけれど、繋がりが濃い分、余所者などの異分子が村に入り込むとすぐに分かると言うじゃないですか。そのことが防犯の役割を果たしている面もあると。

ついでに言えば、クルド人を装うそのトルコ人の行動の裏に米闇側DSの関与があるのか否か…なんですよね。
イスラエルのPKKに対する行動を見ても、何かあるんじゃないかと疑ってしまう。

ところでトルコ政府の(クルド人側からすると嫌がらせに相当する様な)アフリンの入植地建設が、(分断の道具として使われていて)在日クルド人の行動に影響を与えている可能性はあるのでしょうか?

少なくともトルコは親日国で日本とは友好的な関係にあるから、反政府の立場を取るPKKからすると、トルコ政府と仲の良い日本は敵認定している国…と言う側面はあるのかも知れません。

テロ行為が力を持たない少数民族が政府と戦う為の術だと言うなら、埼玉県で起きている様々な彼らの犯罪行為は、本質的には実は犯罪ではなく、彼らにとってはマイルドなテロ行為になっている可能性もあります。

川口市民を襲ってはいるけれど、その真意はトルコ政府と友好的な日本に対する苛立ちや批判なのかもかも知れません。

またクルド難民を装って日本で問題行動を起こすトルコ人がいると言うなら、彼らは日本を味方にしておきたいから、日本人にクルド人は厄介だと思わせるような工作をしているのかも知れません。

つまりウクライナ侵攻の時と一緒で、日本はここでもまた国際紛争…トルコ-クルド紛争に巻き込まれている…と言うことも言えるのではないでしょうか。

ですが埼玉県のクルド人問題について、残念ながらそうした視点での報道は日本ではまだ見られない様です。

PKKがテロに走る理由


PKKは共産主義政党ですから、彼らが取る手段と言うのは結局、武装革命(暴力革命)と言うことになるのでそれ自体が問題ではあるのですが、彼らがPKKを結成した動機は、「クルディスタンは植民地になっているから独立開放されるべきだ」…と言うもの、なんだそうです。

日本だって戦後長らく米国の属国だ…と言うことで事情を知る保守派や右派は反発して問題視して来ました。

ですから、日本人も彼らのその気持ちは分からないわけではないと思います。ただ暴力革命と言う手段を取るのは良くないとは思いますけどね。

クルド人が欧米勢力をどう見ているのかは分かりませんが、基本的に中東諸国は欧米のやり方に対して反発を感じる向きが多いですし、イランなどはその急先鋒だったから、西側社会からは悪者にされ続けて来ていますよね。
(イランについてはこちらの記事もご参照ください。)

なおWikipedia英語版ではPKKの反政府活動に対して次のように書かれています。

1990年、第4回大会でPKKは不人気だった徴兵制を廃止した。組織が支持基盤の要求や批判を考慮しようとしたことは、組織の人気を高めるのに役立った。スタントンによれば、PKKと市民基盤との関係が改善されたことで、政府が一部のクルド人市民に対して国家テロを行うインセンティブが生まれた可能性が高いという。PKKがこれを防ぐことができたことはほとんどなかった。

となると、埼玉県で一般的にクルド人問題とされる素行の悪さや暴力沙汰を引き起こす様な連中は「なりすましクルド人」と「PKK党員(もしくは支持者)」のどちらの割合が多いのでしょうか。

それによって、対応も変わってくるはずですが、恐らく現状ではそれすらも分かっていないのでしょう。

世界中の何処にでも、似た問題はある

イスラエルとトルコの国家間に矛盾や対立があるように見えることがあるが、これは彼らが現実を覆い隠し、国民を欺くために演じているゲームである

デュラン・カルカン(PKK上級司令官・国際指名テロリスト)

つまり、トルコにとってのクルドが、
イスラエルにとってのパレスチナであり、
中国にとっての台湾(や香港)・チベットやウイグルと言うことなのでしょう。

以前にも書いたことがあるかと思うのですが、唐にしろ、ローマ帝国にしろ、オスマン帝国にしろ、かつて地球上に存在した大帝国は、自分たちの支配領域に組み込まれた国の文化や宗教に対しては、(ほぼ例外無く)比較的寛容でした。
その寛容さが領土の拡大に寄与したとも言えるでしょう。

エルドアン大統領が自分以前のトルコ政府から続くクルド人に対する民族浄化的な路線…
…現在は同化政策ではなく、厄介払いしたがっている様にも見えるのですが…
…を改められないのなら、彼の「オスマン帝国の復活」と言う夢もまた、挫折することになるでしょう。

厄介払いするにしても、元々古代に存在した彼らクルド人の国クルディスタンの再興・建国に尽力し、そこにクルド人を移住させると言うのならともかくとして、
行く場所がない彼らを厄介払いすると言うのは、マイルドなジェノサイドなのではないでしょうか?

そもそもその様な不寛容な態度は、イスラム国家だったオスマン帝国の本質とは違うのでは?とも思います。(って言うか、やってることはイスラエルがパレスチナにやってることと同じじゃないですか!)

エルドアン大統領がオスマン帝国の復活を目指すと言うなら、トルコ建国以来トルコ政府がクルド人に対して取っていた政策や対応を改め、オスマン帝国がしていたようにクルド人自治区を認め、受容しないと筋が通らないわけですよ。

つまりクルド人問題に関しては、言ってることとやってることが違うわけです。(エルドアン大統領の目標として伝わっていることと、彼が実際にやっていることには矛盾がある。)

クルド人側の課題


と同時に、クルド人側も自分たちを取り巻く環境の厳しさの原因を他者(外)に求めるのでは無く、自分たちの内側に求めるべきではないでしょうか?

「なにか事件があるたびに「あれは本当はトルコ人がやったこと」「これだからクルド人は」と互いに言い合う状況があるのだと言うのなら、なおさらのこと。

クルド人側はそうした誤解を予防したり避ける為にも、「親族しか信じない」では無く、自分たちを守る為にも、普段繋がりの薄い他のクルド人やクルド人のグループとも情報交換するなど連携し、協力し合う努力をするべきでしょう。

バラバラだと、何かあった時にどこを窓口にして相談等の話をすればいいのか分からない。何か問題が起きても実態が分からない。分からないから問題が放置され、いつまで経っても解決しない。

解決しないどころか、母国や母国の周辺国にその状態をますますいいように利用されて、状況を引っ掻き回され、かえって自分たちの肩身が狭くなる。

…悪循環ですよね?

ただ行政側は問題が起きる度に、いちいちクルド人の面倒を見るような手間ひまは掛けられないでしょう。

だから日本は、犯罪と判断される様な問題を起こした外国人はクルド人だろうが、トルコ人だろうが中国人だろうが、母国へ強制送還で良いと思いますよ。

そして日本で暮らすことが出来ている人たちは、ここは日本なのだから、住んでいる場所のルールを守ること。

そして何か分からないことがあるなら知り合いの日本人に訊く。親しい日本人がいないなら、日本に長く住んでいて日本語がわかるクルド人の同胞でも良い。どう言うルールで暮らしているのかを知り、そのルールを守って暮らすこと。

そして暮らして行くにあたって何か障害や問題があるのなら、近隣の住民やコミュニティの人たちと「話し合って解決する」習慣を身につけて欲しいと思います。

つまりクルド人側にも、克服すべき弱点があると言うことです。

遊牧民族であることが疎まれ警戒された原因か?


詳しいことは分からないので確定的な事は言えないのですが、中東各地におけるクルド人の大まかな歴史を見てみると、

(恐らくは安全保障上の問題で)遊牧民であるクルド人を疎んじた中東各国の歴代王朝や政権が、クルド人を弾圧すればするほどクルド人の間でクルド民族主義が高まって、火に油を注ぐ結果となっている様です。

流浪の民とも呼ばれるロマ族(ジプシーの方が通りが良いですが、差別用語らしいので)と似ていますが、ロマ族は国を持とうと言う野心は無かったですからね…。
ただしこちらの方は差別が酷いが故に、定住化している国の国籍を名乗る国籍詐称が多く、実態が分かりにくくなっていると言う問題もある様なのですが。

いずれにせよクルド人と中東諸国の関係は、相手を嫌えば嫌うほど相手から嫌われて、
相手を攻撃すればするほど、相手からも攻撃されるーーーブーメランになっているわけです。

こうなることを日本では古来より「人を呪わば穴二つ」とか「因果応報」と言って戒めて来たのです。

クルド人はイラン系の山岳遊牧民族らしいのですが、そのイランからも疎まれ続けた歴史があるのは痛いですね。

今のままではクルド人問題に関わっている日本の政治家も身動き取れないでしょうし、手の差し伸べようがないのだと思うのです。
(犯罪を起こした外国人は強制送還する法制の整備は、ある意味、中共スパイなどの問題もあったから出来たことだと思います。)

私は個人的には、クルディスタン独立にしろ、今ある中東国家の中でクルド人自治区の維持や再興をするにしろ、
クルド人の人権が守られ、他国と上手く協調しながら暮らして行ける環境が作られて、クルド人が家族以外の他者もそこそこ信用できる様な状態で暮らせる様になることが最も幸せな道なのではないかと思います。

でもその為には、当のクルド人が分断されたままでは、どうにもならないでしょう。分断工作に遭ってクルド人同士の対立が生まれてしまった…と言う自覚があるのなら、

それぞれの主義主張は取り敢えず横に置いておいて、自分たちでその対立の溝を埋める努力をするべきですし、

攻撃してくる敵に対して共通の認識を持てる様、情報を交換して互いに情報収集し合い、学び合って連携して行くべきでしょう。

それができた上で行政や日本政府に相談してこそ、具体的な対応をしてもらえる様になるのではないですか?

勿論日本の行政にも出来ることと出来ないことはあるでしょうけれど、
今の状態のままなら何か言われても対応できないし、ましてや暴動や侵略紛いの言動をするなら、世界中から厄介者扱いされても仕方ないのでは…と思います。

現代の地図の上に古代の地図を重ねると…

日本語が出来て、日本社会に適応して暮らせるクルド人は日本で難民として定住を目指せば良いとは思いますが、
そうじゃないなら(言葉が覚えられない・習慣が合わない等)民族の本来のルーツに近い場所(古代のクルディスタン及びその周辺)に戻り、そこで安全に住める様な解決策を探すべきかと思います。

日本にいるクルド人同士の連携・団結は、その為の第一歩として必要不可欠な条件ではないでしょうか?

【参考資料】

川口・蕨の「クルド人」コミュニティで何が起きているのか:室橋裕和 | 記事 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト

紛争から逃れた先は埼玉だった 日本に数千人が暮らす彼らのこと、知っていますか クルド人とクルド問題

クルディスタン労働者党の反乱|Wikipedia(英語版)

トルコ・クルド紛争|Wikipedia(英語版)

イスラエルとPKKの紛争|Wikipedia(英語版)

違法なアフリン入植地に関与したイスラエルで2番目に大きい銀行(英文記事)

「オスマン帝国復活」を掲げ再選を狙う、トルコ・エルドアン大統領 – ニッポン放送 NEWS ONLINE


と言うわけで、今回はこれで終わりです。

最後までお付き合い頂きました皆様には、大変ありがとうございました。

今回は日本のクルド人とトルコの問題に存在する背景について取り上げ、イスラエルの存在も影響していることを取り上げましたが、先日こんなニュースが出ていました。


イスラエルもそろそろ年貢の納め時ってことですかねえ…。

イスラエル(って言うより、ネタニヤフさん?)も、そろそろ年貢の納め時ってことですかねえ…。

ネタニヤフさん、これを上手く利用して停戦に繋げる方向へ舵を切らないと、良くて自国民から切られる。最悪ならイスラエル消滅に向かうと思うんですが。

当の米国も国内問題山積で、外国に構う余裕は無くなって来ているーーー日本は自立を考えるべき時に来ている…はずなんですが、岸田政権(と言うより、自民党と日本の省庁?)はグレートリセット&新世界秩序と言う泥舟に乗って、その泥舟が少しずつ崩れて来ていると言うのに、まだしがみつこうとしている様に見えます。

こんなニュースとコメントもありました
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BRICSサミットでのもう一つのテーマであった共通通貨/決済の導入ですね。23年8月に即座に導入するのではなく、まずは二国間貿易でドルを排除していって頃見て共通システムの導入というのが流れでした。おそ...
#Yahooニュースのコメント
『ロシアと中国の「脱米ドル」加速、BRICSにデジタル通貨導入へ』へのコメント | Yahoo!ニュース

「米基軸通貨制終了のお知らせ」ってヤツ。にも関わらず、現体制にしがみついてるにと米国両国政府。米国はトランプさん再選なら、脱出に向けて動くでしょうけど、自民党政権はどうですかね…。


こう言うのも災害時に逃げ遅れる人と同じ心理ーーー正常バイアスが関係しているんでしょうか。

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