1.5 私が株をやらない理由:株と不動産の決定的な違い

私の周りには株で成功した人はほとんどいませんが、不動産で財を成した人はたくさんいます。20代からいろんな投資をしてきましたが、不動産投資家が口を揃えて言うのは、株では負けたことあるが、不動産は負けたことがない。なぜ、株ではなく、不動産を選ぶのか、説明します。

1. ゼロサムゲーム

株と不動産の根本的な違いは、市場の構造です。

株の場合、市場のパイは決まっていて、勝つ人が2割、負ける人が8割と言われ、ゼロサムゲームになっています。一般的には配当の利回りが低く、それだけでは利益が少ないので、狙うとしたらキャピタルゲインしかありません。

一方で、不動産はゼロサムゲームではなく、賃料収入があれば誰でも勝てるビジネスです。不動産は「忍耐強い人」が得をします。得をする理由としては「知的探究心が強い」のと「努力を積み上げる量が多い」という点です。忍耐強い人の典型例は、「1. チャンスを待てる」「2. 成果を待てる」「3. 学習と仕組み作りに精を出せる」ことが挙げられます。中でも3つ目が重要です。不動産投資の成果は「学習」と「仕組み」で大きく左右されます。ここで手を抜く人は、チャンスも成果も待たず、時間とお金を浪費します。はじめのうち、この3つの差は小さいですが、少しずつ差が積もっていき、時間とともに複利で膨らんでいきます。

2. 情報格差

株の場合、個人と機関投資家には決定的な違いがあります。それは情報量とスピードです。大口の機関投資家は、アナリストから最新の情報を説明受けたり、経営者にインタビューしたりと、証券会社から手厚くサポートされます。個人はなかなかそうはいきません。

不動産は、属人的なネットワークがあれば大手にも勝てます。大手が知らない情報を個人ルートで入手して、非公開で取引することができます。

3. 投資先のコントロール

株はあくまで、投資先企業の一株主になることです。経営者に事業を委ねます。株主はコントロールできないため、仮に投資先が事業に失敗したら、損切りしなければいけません。

一方、不動産は事業をコントロールできます。株価が落ちていくのを見て損切りする必要はなく、やり方、努力次第でリカバリー可能な投資です。不動産はビジネスモデルがシンプルで、時間が解決してくれます。

4. 物件の流動性

株の流動性は、売買量です。売買数が多いと言うのは、それだけ投資家が多いということで、人気がある銘柄です。不動産で言えば、都心の土地と一緒で、買い手が多く、株価が上がりやすい。しかし、その人気のバロメーターである売買量は、誰が売買しているかで事情が違います。短期転売目的のデイトレーダーか、運用目的の機関投資家か、事業連携目的の企業か。売買している投資家がデイトレーダーや短期転売目的なら一時的でしょうし、大口の機関投資家=クジラが安定株主にいたとしても、例えば、コロナがきっかけで、事業がダメだと判断されたら、株価は一気に崩れます。株は経営者の力量だけでなく、投資家の期待値、人気度合い、株の供給量=発行数などが、大きく左右します。事業の悪化や、期待値低下など、第三者による不可抗力で、株の需要がなくなることがあります。時価が日々変わり純資産がブレるリスクを伴います。

一方で、不動産は、立地です。人気ランキング上位のエリアは変わりません。港区がある日突然、足立区と人気逆転することはありません。変動要素が少なく、需給バランスが読みやすい。特に都心の物件は世界的にも人気が高まっています。物件の量と比例しますが、供給はほぼ一定です。一方で、購入者の需要は高く、投資家の数は増え続けています。

5. レバレッジ

株をレバレッジかけて投資するには限界があります。株は証券会社との信用取引で、強制損切りがあるため、10倍でもリスキーです。

不動産を銀行が担保に長期で融資してくれます。ケースによってはフルローンもあり、長期で融資が組めます

6. 参入障壁

株を始めるのは簡単です。しかし、保有してからの情報管理が手間です。決算のタイミングで判断したり、IR情報をモニタリングしないといけません。

一方、不動産はまず買うのが大変です。立地がよくて安い優良案件を見つけるのは時間がかかります。ゼロイチの商品はので、常に競争です。更に金融機関との調整、物件状態の確認、売主との契約交渉など最初に、相当な労力を要し、かつスピードも求められます。しかし、買った後はテナント管理は楽です。

7. チームプレー

株は基本的に一人で作業するで、自分が作業しないと成り立たなくなります。

不動産は賃貸管理、仲介などサポートしていれる協力者がいます。賃貸経営はよく「ロールプレイングゲーム」に例えられます。敵を倒しながら仲間を増やし、旅をするゲームです。船員を増やし、航海していく。個人の勝負ではなく、個人の能力に依存しなくても、周りが優秀なら勝てる確率は高い。

8. 不動産をゲームに例えるなら

不動産投資、事業投資をゲームに例えると、共通点があります。一つはテナント&顧客を白から黒に変えるオセロゲームに似ています。二つめはキープレイヤーの駒を味方にする将棋ゲームです。もう一つは手札をEXITしてキャッシュ化する大富豪ゲームです。株は経営者と事業の将来に懸ける投資、不動産は過去を見て利益を出す事業です。

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