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地テシ:274 千歳烏山駅辺りの旧甲州街道を歩いてみよう

劇団☆新感線「薔薇とサムライ2」製作発表の動画ダイジェストが出来上がったそうです!

古田新太くん、天海祐希さんを中心に総勢12人の大人数で行われた製作発表です。約23分と長く思えるかもしれませんが、カツカツに詰まっておりますのでそれほどは長く感じないと思います。
この秋、元海賊の女王陛下たちが日本の四ヶ所で暴れ回る予定ですので、その意気込みをこの動画からお受け取り下さいませ。
ちなみにサムネールでみんながピースをしているのは薔薇とサムライ『2』に掛けた『2』を表していますよ。



さて、再読している「ビビビ・ビ・バップ」ももう少しで読み終わりそうなのですが、今日はちょっと例によってフィールドワークという名の散歩日記をお届けしましょうそうしましょう。

先日、京王千歳烏山駅から芦花公園駅辺りの旧甲州街道に行く用事がありまして、どんな用事なのかといえば、それはもちろん「千歳烏山駅から芦花公園駅辺りの旧甲州街道に行く」という用事でして、要するに「行きたいから行った」ワケです。
私は旧街道を歩いてみるのが好きでして、「神州無頼街」富士市公演の時にも旧東海道を歩いた記事を書きました。

ネットで検索すると旧街道を歩くのが好きな人はたくさんいらっしゃいまして、それはそれはたくさんの記事を読むことができます。私の場合はそれに加えて、旧河川や用水の暗渠や旧線路、旧屋敷地とかも好きでして、自分でも何故だかは判りませんが、多分まあ今ではハッキリとは判らないけども昔はココにコレが有ったんだよというのが面白く感じられるのかもしれません。


今年の春頃に、京王千歳烏山駅と小田急千歳船橋駅を繋ぐ「千歳通り」という道があり、それはかつての品川用水に沿った道だというのを知って気になって歩いてみたのですよ。ああ、そうさ。旧用水沿いの道だから歩いたのさ。好きだからさ。
その時に、千歳烏山駅のちょっと北側(上流側)にも遡って見たのね。ちなみに、その時の写真。

いかにも用水跡らしい緑の多さと車止めです。で、この道に向かう途中に「旧甲州街道」と案内された道を横切ったのよ。ん? 旧甲州街道?

甲州街道といえば江戸五街道の一つで日本橋と甲府を結び、その先の下諏訪まで延びているという由緒正しき街道です。現在では国道20号線として整備されておりまして、当然ながら拡幅されているし首都高4号線の高架が覆い被さっている部分も多くて、あまり旧街道っぽさはありません。さらに並行するバイパスが作られたりして、今ではその幅広いバイパスの方が甲州街道と呼ばれるようになってしまっています。
で、そのバイパスじゃない古い道の方を旧甲州街道というのですよ。こちらは若干道が細かったり軽くうねっていたりして、僅かではありますが旧街道っぽさを残していることが多いのです。
京王国領駅あたりから西側は旧甲州街道と現甲州街道が別れて併走して進みます。府中駅辺りの旧甲州街道には大國魂神社や高札場跡などがあって旧街道っぽさもあるのですが、この辺りは既に再開発が進んでしまっていてちょっと面白みが少ないんですね。
それとは別に、芦花公園駅辺りから千歳烏山駅、仙川駅辺りの三駅に渡って旧街道と新街道が分離してまた合流するという面白い構造になっている箇所があります。そういうとこ、気になるよね。だもんで、その辺りを歩いてみようというワケですよ。


千歳烏山駅から北に2分ほど行くと旧甲州街道に出ます。ココを左に曲がると西側(仙川駅方面)、右に曲がると東側(芦花公園駅方面)。

この写真は西側を向いていますが、この反対側、つまり東の芦花公園駅方面を目指しましょう。少し歩くと「中宿」というバス停があります。

街道に置かれる宿場の間には休憩所のような「間の宿(あいのしゅく)」と呼ばれる小さな宿が自然発生する場合があります。甲州街道一つ目の宿場は高井戸宿(後に現在の新宿辺りに内藤新宿ができてこちらが一つ目の宿になります)ですが、次の布田五ヶ宿との間に烏山宿という間の宿がありました。上高井戸にちょっと近すぎる気もしますけど。
で、先ほどの写真の千歳烏山駅入口交差点辺りが烏山上宿、そしてこのバス停辺りが烏山中宿というワケです。中山道に繋がる甲州街道ですから、京都に近い西側が「上」です。
旧甲州街道沿いには、そのことを示す「せたがや百景」の「45 旧甲州街道の道筋」の案内板もありました。

この辺りって世田谷区だったんだ。世田谷区って広いね。
そして、この辺りの道筋が微妙にうねっていて、旧街道っぽさを表しています。良いよね、うねり。

もう少し行くと、旧甲州街道に直交する明らかに暗渠っぽいスペースに出くわしました。この川筋は烏山川です。烏山川は烏山→経堂→宮の坂→三軒茶屋と流れて、北沢川と合流して目黒川になります。

傍らの大理石柱には「武州烏山村 大橋場の跡」と刻まれており、その横にはお地蔵さまや庚申塔も建てられていました。
そしてこの辺りが烏山下宿。バス停もありました。「からすやまげしゅく」ではありません、「からすやましもじゅく」です。

その烏山下宿あたりにある、ちょっとカワイイ「野口ガラス」さん。

それほど古い建物ではないようですが、二階部分の出っ張りがレトロでカワイイ。入口横の丸い鏡も趣深いですが、気になるのが軒先の「村上商店」と書かれた箱。随分と年季が入っていますが、この建物に昔から付いていたゴミ箱なのかもしれません。

もう少し進むと街道の南側に大きな敷地の古風な民家が2ブロック並んで建っておりまして、裏に回ってみると、これがもう広い広い! 土蔵風の建物や見上げるほど大きなケヤキ、屋敷神と思われる祠もありました。個人宅ですので写真は控えますが、おそらく地主さんだと思われます。富士市の旧東海道でも思いましたが、旧街道沿いならではの光景だと思います。

で、烏山下宿を越えて、間もなく芦花公園駅だろうなと思った頃、私の大好物の古建築が続けざまに現れたのですから興奮するなという方が無理でしょう!
という話が今回の本題だったのですが、ココまでで結構長くなってしまったので続きは次回! また来週!


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