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【一級建築士 製図試験】ストレート合格者のスケジュール

※日建学院の製図のコース名に間違いがありましたので、修正しました。


こんにちは、macoです。
令和2年の一級建築士の学科試験に独学3か月で合格し、その勢いで製図試験も突破。ストレート合格しました!
3か月で合格したスケジュールはこちら
製図試験当日の様子はこちら

この記事では令和2年の一級建築士にストレート合格した私の製図試験当日までのスケジュールをご紹介します。
学科試験は独学で勉強していましたが、製図試験は独学では無理だと判断し、日建学院の設計製図本科コース(日曜日)に通学していました。

私の製図経験についてですが、最後に手書きで図面を書いたのは15年以上前、エスキス・意匠設計をしたのは10年以上前です。
就職してからはCADを使うことはありましたが、設計事務所勤務ではないため、意匠設計は全くしていませんでした。

そんな私ですが、なんとかストレート合格することができました。
学科終了から製図試験当日まで、実際にどのようなスケジュールで過ごしていたかを詳しくご紹介します。
大変長くなってしまいましたが、これから受験する方に是非読んで頂きたいです。ではどうぞ。

トータル何時間勉強したの?

勉強期間は令和2年7月13日から10月10日の90日間です。
令和2年はオリンピックの影響で学科試験が例年より2週間前倒しで実施された影響で、製図試験日まで約3ヵ月ありました。

勉強時間は平日は4時間土曜日は1時間程度、日曜日は12時間程度でした。
平日は21時から25時に勉強タイム。
土曜日は昼間1時間
日曜日は9時~18時まで資格学校で講義を受講し、帰宅後に21時~25時頃まで勉強していました。
上記は座って机に向かって勉強している時間で、9月以降は隙間時間に記述の録音を聞いて音声学習していたので、それが1日1時間くらいでしょうか。

土曜日は子供が家にいたことや日曜の資格学校の講義に備えて早めに寝ることが多かったので、あまり勉強できませんでした。
その代わり、平日夜と日曜日にしっかり勉強時間を確保していました。育休中で比較的自由な時間が多かった方だったので、多少寝不足でもなんとかなりました(子供と一緒に昼寝する日もしばしば、、、)。

机に向かってやった勉強時間のトータル420時間程度、音声学習した時間も含むと450時間程度だと思います。
学科の勉強が97日間で450時間程度だったので、90日間で同じくらいの時間をやったことになります。

一式図、何枚作図したの?

資格学校の課題、模試、標準解答例のトレースなどを含め、全部で一式図は29枚作図しました。
断面図のみ書いたこともありますが、一式図としては30枚に届きませんでした。

コーシノニシムラさんこちらの動画(0:30辺りから)で、受験生の時には1日1枚書くノルマを自分に課して、70枚書き上げて腕が爆発しそうだったそうですので、それに比べると半分以下ということになります(コーシノニシムラさんはそこまで書く必要はなかった、、、と仰ってました)。

日建学院では目標枚数は30枚と言われていましたので、一応30枚を目標にしていました。
1枚足りませんがほぼ30枚ですし、本試験で1枚書いているのを足してちょうど30枚ということにしておきましょう!

3カ月のスケジュール紹介

以下、実際に勉強したスケジュールをご紹介します。

7月(一式図4枚)

12日:試験終了後、日建学院の営業さんから次の日の製図講座説明会の案内を受ける
13日:夕方からの製図講座説明会に参加し、日建学院に通うことを決める
14日:製図道具を集め始める、一級建築士関連YouTube視聴開始
16日:製図板到着
19日:日建で初講義
21日:記念すべき1枚目の作図完了!6時間半オーバー
29日:腰を痛める、ストレッチ開始
30日:フリーハンド作図に挑戦

7月は学科終了直後日建学院へ通学することを決めました。
もともと学科勉強中に日建学院の模試を受講していたこと、勤め先の福利厚生で日建学院の受講料が多少割引になること(割引額は製図板が購入できるくらいの金額でした)、親しい先輩が日建学院の製図短期に通学してストレート合格したことなどもあり、日建学院を選びました。
日建学院については別記事でも詳しくご紹介したいと思っています。

14日からはさっそく製図道具を購入し始めました。また、一級建築士YouTuberの方々のチャンネルに登録し、視聴し始めたのもこのタイミングです。

16日には製図板が手元に届きました。7月中に一式作図を5枚書く目標だったので、とりあえず1枚書いてみることに。
早速、平行定規を使い模範解答をトレースしてみたのですが、なんと6時間半オーバーでしたwww(絶望)。
そもそも1日では書き終わらないため、3日か4日かけてなんとか書ききりました。
いやいや、6時間半超えてるじゃん!試験時間6時間半しかないのに。泣ける。
でも大丈夫!最初はみんなそうだと聞いていたので、気を取り直して7月中に標準解答例のトレースを更に2枚ほどやりました。

3枚書いても5時間半を切れず、どうすれば良いか悩み始めました。
一級建築士試験の体験がリアルに描かれているヒヅメさんの著書、一級建築士になりたいや、はかせさんこちらの動画を見ており、フリーハンド作図に興味があったものの、フルーハンド作図は絵の上手い選ばれし者のみの特権だと思っていたので、敷居を高く感じて二の足を踏んでいました。

ですが、そうこうしているうちに、7月末に腰を痛める結果に、、、
もともと出産後に腰を痛めたことがあり、悪化したようでした。
この日から腰痛悪化防止のためにストレッチ軽い筋トレを始めました。
骨盤ベルトを試験終了まで手放せず、夏の暑い時期に蒸れて地獄をみます。

原因はあきらかに中腰での作図のせいでした。
私は身長160cmなので、女性としては平均的な身長ですが、製図板の奥側の線を引こうとすると平行定規で線が隠れてしまうため、手元を覗き込むためにどうしても中腰の姿勢になってしまっていました。

このままでは痛みで作図がままならなくなると判断し、思い切ってフリーハンドの練習を始めました。
フリーハンドなら、平行定規で線が隠れることがなく、中腰での作図が格段に減りました。
また、フリーハンドに挑戦した1枚目で4時間半を切り、定規での作図と比べると圧倒的に早くなりました。

8月(一式図14枚)

8日:フリーハンドで作図4時間を切る
9日:資格学校の講師にOKをもらい、フリーハンドに転向
14日:作図3時間10分を切る
18日:文字・数字を書く練習を始める
19日:作図2時間50分を切る
23日:クラスメイトと連絡先を交換し、相互添削を始める
30日:日建学院の模試①、6時間半で完図させる

8月に入り、いよいよ資格学校の講義も本格的になってきました。
本講義が始まり、初回の宿題は定規で作図したものとフリーハンドで作図したものを2枚用意し、講師の方にフリーハンドで行けるかどうかチェックしてもらいました。
講師の方には太鼓判をもらい、晴れてフリーハンドに転向します。
後から知ったのですが、私が通っていた校舎はフリーハンドの講師の方が大変多く、フリーハンドのアドバイスもして頂けました。
結果、フリーハンドを選んで大正解でした。

8月中旬には作図3時間を切り、練習を始めて1か月で作図時間が半分以下になりました!人間、やれば出来るんですね。

23日の講義の際に、隣の席と前の席に座っている方に、私の方から思い切って声を掛け、連絡先を交換しライングループを作りました。
私の通った日建学院では常に席が固定で、初回の講義の際に私を含めた3人で図面の相互チェックをしたことがあり、声を掛けやすかったのもあります。
他の2人は自分からは声を掛ける勇気がなかったと言っていたので、きっとみんな仲間を求めてるんですよね~。

このクラスメイトとのライングループでは課題の相互添削を行いました。
自分以外の方の図面を見ることはとても勉強になりますし、一発アウトの項目を素早くチェックする能力も磨かれるので、とてもおすすめです。
リアルだと気が引けてしまうという方は、Twitterで声を上げれば相互添削してくれる方が現れますので、是非仲間を見つけてみてください。

8月末には初めての模試があり、とにかく完図させることを目標に臨みました。
エスキスをまとめて記述に入ったときに、指定されたアプローチの方角を勘違いしていたことに気付き、滅茶苦茶焦りました、、、
結局、1階の部屋を入れ替えてなんとか条件を満たし、完図を目指してい書きまくりました。
結局ギリギリ完図はしましたが、評価はC。
ただ、この日の模試ではそもそも完図した人がクラスの3分の1程度でした。
この模試完図できたことは大きな自信になりました。

9月(一式作図9枚)

1日:記述の音声学習を始める
12日:作図時間が3時間前後で安定してきたのでエスキスの勉強重視に切り替える
15日:過去問を解き始める
25日:斜線制限、面積計算の特訓を開始
26日:ウラ指導の後半戦一発逆転模試を受講、ランクⅣで撃沈
27日:日建学院の模試②、ペース配分が定まってくる
29日:心が折れる

9月に入ったタイミングで記述音声学習を始めました。
自分で録音した音声を隙間時間にひたすら聞くだけですが、とても効果的だったと思います。
耳さえ空いていればいつでもできるので、家事をやりながら聞くことが多かったです。

9月中旬になると作図時間が3時間前後で安定してきました。
もう少し早く作図できるように練習したい気持ちもありましたが、エスキスが苦手だったのでエスキス重視の勉強に切り替えました。
また、このタイミングで過去問を初めて解いてみました。
思っていた以上に手こずり、標準解答例と見比べながらエスキスを繰り返しました。

ランクⅣを回避することを意識し始めたのも9月中頃です。
特に道路斜線制限や隣地斜線制限でのランクⅣを絶対に避けたかったので、ノロアリさんノロアリブログにて法規の問題を一通りやりました。
ノロアリブログの製図特訓法規編は凡ミスによる一発アウトを避ける特訓としてかなり有効でしたので、製図の法規が苦手な方は一度やってみると良いと思います。
こんなの簡単じゃん!と思うことなかれ。法規のミスでランクⅣに泣く受験生が毎年相当います。他人ごとではありませんよ。

9月の最終土日は模試2連発でした。
日曜日に資格学校の模試があり、前回の模試をやった際に疲労困憊で、翌日の月曜日に使い物にならなかっため、ウラ指導さん主催の一発逆転模試(以下、ウラ模試)を受講するかどうかかなり悩みました。
ウラ模試では6時間半通しで問題を解くことを推奨しており、平日夜に21時からやるのは現実的ではありませんでした。
土曜日は子供たちも家にいるのでかなり迷いましたが、夫に相談し、土曜日に子供たちを1日外に連れ出してもらうことに。感謝!

26日に10時半頃からやり始め、この時も何とか完図することはできましたが、法規の一発アウトでランクⅣ。
法規のミスがなかったとしても、ゾーニングがぐちゃぐちゃで設備や施設の欠落もありランクⅣ。
自分の不甲斐なさにかなり落ち込みましたが落ち込んでいる暇もなく、次の日も模試だったので、見直しは月曜以降にすることにして早めに就寝しました。

27日の日曜日の模試でも無事に完図し、初めて見直し時間も取れました。
前日のウラ模試の疲れもなんのその。慣れって凄いですね。
この日建の2回目の模試ではコアの位置を盛大にミスりました。
ただ、模試を3回経験したことでペース配分完図させる見通しが付いたのは大きかったです。

このウラ模試と日建の2回目の模試でもかなりやらかしたんですが、その失敗を本試験に活かすことができ、なんとか不合格にならずに済んだと思っています。
9月下旬のタイミングで自分の弱点や強味が分かったので、本試験までに修正・強化がギリギリ間に合いました。

と言いつつも、9月最終週はこの模試の失敗を引きずり、精神的にかなり落ち込みました、、、
ウラ模試を解き直しても全く上手くいかず、自分の問題読解力に自信が無くなり、今までやってきたことを信じられなくなりました。

そんなとき、元気のなかった私を心配した子供が「ママ、○○に合格をプレゼントして欲しい!」(○○は子供の名前)と言ってきたんです。
今までお願いされたことの中で一番ハードルが高い、、、!!!
でも、子供にお願いされたら頑張っちゃうよ~!ということで、折れた心に鞭打って、残りの約10日間を必死にやることを決意しました。

10月(一式作図2枚)

3日:エスキスのコツを掴みかける
5日:ウラ指導主催のDead or Alive. In Colosseo Webinarの講義を視聴する
6日:試験に向けて食料調達
8日:エスキスに苦戦し発狂寸前になる
9日:歩行経路の最も遠い位置の見つけ方をマスターする
10日:確認リスト印刷

10月に入り、ウラ模試のエスキスをもう一度やり直しました。三度目なのになかなか上手くいかず。
でもなんとなく、この辺りからエスキスのコツというか、上手くいきそうな手ごたえが少しずつありました。

5日にはウラ模試受講生限定で行われたウェブ講義を視聴したのですが、これが大変良かったです!
詳しくは別記事で紹介しますが、他の受験生のエスキスのプロセスや考え方を知ることができたのはとても勉強になりました。

6日には本試験中に食べる軽食をネットで注文し、補給セットを準備しました。
私は本番に弱いタイプなので、当日如何に集中できる環境を作るかが勝負に関わってきます。
事前に軽食をセットする位置や当日の流れをイメージトレーニングしておき、本番に備え始めました。

最終週はほぼ毎日講義があり、金曜日までみっちりエスキス漬けでした。
あまりにもエスキスが上手くいかず、途中発狂しかけましたが、ガンガン課題を解くことでエスキスを自分のものにしていきました。

9日にはあみくみ先生がアップしていた歩行経路見つけ方(ウラ指導の荘司先生とのコラボ)を視聴し、苦手だった歩行経路に光が差しました、、、!!
正しい歩行経路ってどうやって探すんですか?と講師の方に聞いても、「階段から円を描いて、その円の掛かっていないところがうんにゃらかんにゃら、、、」
いや分かんないよーーー!製図試験中にそんな円書いてる暇ないし!!と思っていましたが、このあみくみ先生の動画で一気に解決しました。
あみくみ先生と荘司先生のお二人にはとても感謝しております!

10日には次の日に備えてあまり無理をせず、今までミスしたことを一覧にして当日会場で確認するチェックリストの作成、製図板の雨養生、持ち物の確認などをし、早めに就寝しました。

まとめ

学科試験終了後から製図試験までのスケジュールをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
これから一級建築士を目指す方に、少しでも雰囲気が伝われば幸いです。

ストレート合格することができましたが、最初から上手くいっていた訳ではありませんでした。
何度も合格できないんじゃないかと思い、絶望したり発狂しそうになりながらも、何とか手を動かしてギリギリまで課題を解きました。

なりより、家族の協力なしでは乗り越えられなかったと思います。
日曜短期の製図コースに通学する間は夫に子供たち2人を任せていましたし、子供たちも幼いながらに私が必死に勉強していることを理解してくれていました。

学科試験もそうですが、製図試験は特に自分との闘いだと感じました。
自分ができること、できないことから目を逸らさず、自分のエスキス・作図方法などを突き詰めていく必要があります。

私がやった方法が正解だとは限りません。
自分に合うやり方を早く見つけることが、合格に近づくと思います。

勉強は大変ですが、頑張ってくださいね!
あなたの合格を心より応援しています。


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