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【一級建築士 学科試験】とりこぼしを検証してみた

こんにちは、macoです。
令和2年の一級建築士の学科試験に独学3か月で合格し、その勢いで製図試験も突破。ストレート合格しました!
3か月で合格したスケジュールはこちら
製図試験当日の様子はこちら


この記事では、一級建築士育成活動を展開されている教育的ウラ指導(以下ウラ指導という)の荘司先生が提唱されている「とりこぼし」について、令和2年の私の学科試験結果を検証していきたいと思います。

学科試験については市販の教材を使って独学で勉強していましたので、学科勉強中はウラ指導さんのことは知りませんでした。
製図試験の際にウラ指導さん主催の後半戦一発逆転模試を受講し、製図試験後はユーザープランニングにも参加させて頂いています。

そのウラ指導さんが、一級建築士の学科試験合格のためには「とりこぼし」の対策をすることが重要だと述べています。
令和2年の試験に合格した私の試験結果を使って、実際にどういうことなのか検証してみました。

とりこぼしって何?

今回検証していくにあたり、まずそもそも「とりこぼし」とは一体何なのかについてご説明します。
まずは荘司先生が執筆されているura410 (ウラシドウ) 物語にてとりこぼしについて説明している文章がこちらです。

一級建築士学科試験は,「過半の受験生が解ける問題さえ得点できれば合格できてしまう試験」です.毎年,それを立証するデータを公開しています(コチラ).逆に言えば,過半の受験生が解けた問題をケアレスミス等により,とりこぼしてしまうことで,合格点に届かなくなってしまう試験なのです(通称/とりこぼし).(後略)
出典:【学科】「点数の稼ぎ方」を知った上で勉強する

ウラ指導の荘司先生は、過半の受験生が解ける問題(正答率60%以上の問題)で間違えた問題を「とりこぼし」と位置付けており、そのチェックができる「とりこぼしチェッカー」を無料で提供してくれています(2020年度分はこちらのページからダウンロードできます)。
荘司先生によると、「とりこぼしを10点以下(=1桁代)」に抑えれば合格できるそうです。

単純な話ですが、正答率30%の問題に正解するよりも正答率60%の問題を正解する方が楽ですよね?
とりこぼしを0にする(正答率60%の問題を全部正解する)だけで78/88点=合格基準点の約9割を占めますので、かなり楽に得点を稼ぐことができます。
逆にとりこぼしを多発してしまうと、より難しい問題で得点を稼がなければいけませんので、厳しい戦いになってしまいます。

とりこぼしについては合格ロケットさんのこちらの動画でも詳しく説明がありますので、興味のある方は是非チェックしてみてください。


実は、この「とりこぼし」についてはウラ指導の荘司先生だけでなく、大手資格学校である日建学院も同じようなことを言っていました。
私は学科試験前に日建学院が主催している公開模擬試験②を受講したのですが、その結果を踏まえた総評の中で以下のように書いてありました。

(前略)

各科目とも正答率の高い問題で落としている問題がありますので、その問題で得点の上乗せができれば、合計点で合格基準点の90点に達することができます。

(後略)

引用元:1級建築士学科「公開模擬試験②」結果 日建学院より

日建学院では、正答率の高い問題=50%と設定しているようでしたが、過半の受験生が回答できている問題という意味では、荘司先生の仰る「とりこぼし」と同義であるといえますね。
「とりこぼし」の意味が分かったところで、令和2年の私の学科試験結果について検証していきます。

令和2年の学科試験ではどのくらいとりこぼしたのか?

私は令和2年の学科試験で92点(計画14点、環境設備14点、法規24点、構造25点、施工15点)で合格しました。
その結果を「とりこぼしチェッカー」に入力したのがこちらです。

図335

とりこぼしは計画2点、環境設備1点、法規2点、構造1点、施工3点の計9点という結果になりました。

令和2年は合格基準点が88点でしたので、総得点92点というのはあまり高い得点ではありませんが、とりこぼしを一桁に抑え、無事に合格しています。

続いて各科目について詳しく見ていきます。

なお、こちらの記事では一級建築士の学科試験の問題用紙に「四肢択一式」と記載があることから、「肢」というように記載にします。

計画:No.13、No.19

計画では2点とりこぼしています。

No.13は肢4が正解ですね。設問はラドバーンではなくボンエルフの記述です。
これなんで間違ったんだろう、、、。
肢3を選んで間違っているんですが、メモを見る限りは過半数という言葉で迷ったようです。
これはきちんと正解したかった、、、

No.19は肢1を選んで間違えているんですが、芝類という単語で迷った記憶があります。
欠除がないものとする基準については、井澤式比較暗記法のこの記事で、石材と鉄骨は高価なので=0.1㎡以下と覚えていました(問題用紙にメモも書いてあります)。
で、「芝類」を想像したときに手がかかりそうでなんだか高そうだなと思った記憶があります。
直前の見直しで鉄筋の所要数量の割り増しチェックしてたのに、、、
というか仕事に戻った時に真っ先に使う知識なのに、私は大丈夫なんでしょうか、、、不安。

環境・設備:No.11

環境・設備ではとりこぼしは1点!大の苦手教科でしたが、よく健闘しました!

No.11は肢3を選んで間違えています。うーーーん。理解不足。
多分、これはもう一度やっても正解しない気がする。COP難しくないですか、、、、?全然理解できていませんでした。

法規:No.28、No:29

法規では2点取りこぼしてます。

No.28は今読んでも分からん。
肢4と迷って、肢1と回答しています。
複合問題だと、きちんと内容を理解していないと解けないですね、、、

No.29はよく覚えています。
No.29は自信がなかったので最後に解き直した問題でした。
肢4が正しい肢ということを確認できたところで、試験終了となってしまい、マークシートを直せず。
肢4が正しい肢と分かっただけで、どれが答えかは分かっていなかったので、もう少し時間があったとしても正解できなかったかもしれません。

構造:No.15

構造はとりこぼしは1点です。5科目の中でも一番点を稼げましたし、もともと構造は好きなのでこの結果で嬉しいです!

No.15については、今見返したところ瞬殺で肢2だと分かったんですが、これなんで間違ったの??本試験怖い。

施工:No.3、No.12、No.19

施工は一番足を引っ張た科目だけあり、3点もとりこぼしています。

No.3は肢2と肢3で迷いました。もともと、異形鉄筋の種類の見分け方の問題をいつも間違っていて、超苦手意識があったんです。
図を印刷してノートにも貼っていたんですが、どうしても覚えられませんでした。
押し出し成型セメント版の保管の積置き高さのところにきちんと1.0m?とメモまでしているのに、、、残念です。

No.12はどう考えても肢3なのに、、、何故だ、、、
どうやら肢2の許容差が±5なのでは?と思って肢2を選んだようです。

No.19は内外装工事についてです。
迷わず1を選んでいます。メモや悩んだ後もありません。
苦手な内外装工事の問題ですので、理解不足だったようです。

「とりこぼし」から見えること

とりこぼした内容について一つずつ見てみましたが、9点のとりこぼしの内、ケアレスミス(読み間違い、読み落としなど)での失点は3点でした。
残りの6点そもそも理解できていなかったものや、もう一度解いても解けない問題です。
やはり3カ月という短い期間での詰め込み学習だったため、苦手意識のあった問題時間が足りずに手が回らなかった分野失点しています。

逆にきちんと理解していたものについては、正答率が低くても得点できています。
例えば構造の力学計算のNo.2、No.3辺りは正答率が40%を切っていますが、得意分野だったのできちんと得点できました。

私の失点の傾向としては以下の2点です。

①理解不足
②初めてみる単語や苦手な問題にビビッて、判断が疎かになる

①については勉強時間が足りなかったのが最大の原因です。
施工は時間切れで過去問10年分しかできなかったですし、やはり3か月しか勉強していないため、どうしても手が回らない分野がありました。
あと一か月でも早く始めていたら、もう少し点数が伸びたと思います。

②についてですが、計画のNo.19では初めて見る「芝類」という単語に引っ張られて、他の肢の正誤判断が疎かになった結果、失点しました。
施工のNo.3は苦手意識の強い問題に当たったため、その肢以外の肢について判断を疎かにして失点しています。
とりこぼし以外の問題でもこういう感じで失点する傾向がありましたので、理解が曖昧な問題や苦手な問題、初めて見る問題に当たった時に、如何に落ち着いて問題文を読み、きちんと判断することがポイントとなりそうです。
(苦手な問題が来た時に判断放棄するのやめたい、、、)

これは一級建築士の学科試験のみならず、これから受ける他の試験や仕事でも気を付けた方が良さそうです。

まとめ

今回は学科試験のとりこぼしについて検証してみましたがいかがでしたでしょうか?

これから学科試験に挑む方も、より楽に得点を稼ぐために、とりこぼしを意識して勉強をしてみることをおススメします。

令和2年の学科試験で惜しくも合格点に届かなかった方は、一度とりこぼしをチェックしてみてはいかがでしょうか?
とりこぼしと一口に言っても、人それぞれ間違う傾向が違うため、必要な対策が違ってくると思います。
特に理解していたのに落としてしまった問題については、何故失点してしまったのか?を突き詰めていかないと、また来年同じことが起きてしまいます。

まだ令和2年の学科試験の見直しをしていない方は、年末年始で是非やってみてください。今後の学習を進める上で必ず役に立つと思います。

学科の勉強は大変ですが、頑張ってくださいね。
あなたの合格を心より応援しています!


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