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研究者の私がインプットで気をつける「あえてインプットしない」方法

森・里・海のつながりを総合的に研究する「RE:CONNECT(リコネクト)」。日本財団と京都大学が共同で行うプロジェクトです。本プロジェクトのクリエイティブ部門を担当するコンサルティングファーム、Nue incからお題をいただき、研究者が記事を執筆する企画がはじまりました。第3弾では、RE:CONNECTの研究者がインプットで気をつけるポイントについて語ります。研究や勉強の参考になれば幸いです。

今月のお題はインプットということだが、研究者にとってインプットは必須スキルとなっている。研究のために日々勉強しないといけないことは多く、それでいて研究業界のトレンドにも敏感にならなくてはならない。これまでの先行研究の内容を頭に入れることも重要であるし、論文の構成を練るためにも論文の書き方がうまくなるためにもインプットに追われる毎日である。

そんな日々を過ごしていると無意識のうちに「インプットしなければならない」「インプットしない=サボっている」という考えに陥りやすく、気づけば嫌だなぁ~と思いながらインプットをすることになる。

これは非常にマズい状態である。ただ義務感で、罪悪感で嫌々インプットをしたところで、その能率は果てしなく悪い。教科書を読み始めてから疲れを感じたときに「まだこんだけしか終わってない…」と絶望を感じてしまうのだ。「やらなければならない」と感じながらするインプットほど能率の悪いものはない。

逆に自分が心の底から楽しいと思っているインプットは、スイスイ頭に入っていくし時間を忘れて没頭できる。まさに寝食を忘れてという状態である。この状態をいかに作り出すか、というのが重要ではないかと僕は考えている。

したがって僕が気を付けているのは「インプットしすぎない」ということである。そろそろいっぱいになってきたなという段階に入ったら、無理やり詰め込もうとするのではなく一旦インプットを終わらせるのだ。そうして時間を置いてやれば、自然と「インプットしてぇなぁ」と心から思う時が来る。そこからまたインプットを再開してやればよいのである。濡れたスポンジに無理やり水を吸わせるのではなく、スポンジを乾かす時間を作りたい。

インプットしない時間はサボっているのではない。インプットしたものを消化する時間も必要だ。無理やり詰め込んで終わりではなく、じっくりと自身の糧にしなければ意味がない。そういった意味でも「インプットしない時間をあえて作る」というのもインプットにおいては重要であると僕は考える。

どうしても時間がない場合はインプットする分野を変えるなどの工夫も重要だと思うが、やはりそこは冷静に頭を休め心を休める時間も必要だと思う。

ひとつ、インプットしない時間に注意しないといけないことは、何もない時間を作るということだろうか。インプットしない時間に別の仕事を入れてしまったり、ほかのことでいっぱいになってしまうとあまり意味がないように思う(経験的に)。ただじーっと思考を巡らせ、心を落ち着け、そして頭を整理する時間を作ると、またインプットするスペースが生まれてくるように思う。

というわけで今回は私のインプット方法について書いてみた。誰かの何かに参考になれば幸いである。

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