見出し画像

カエル博士のなんでもない日々

カエルの研究で学位をとった駆け出し研究者である僕が、好きな研究だけを続けられるほど甘くない厳しい研究の世界で必死に生きていく日常を記録するための日記です。研究者がどんなことを感じて日々生きているかをありのままに書いていこうと思います。

学位をとったのはカエルの研究だけども今やってる研究は環境DNAのビッグデータ解析。研究テーマも大きく変わったのだが、研究生活も一変してしまった。ふとした時に寂しいなぁと思う(まさに今これを書いているときにそう思ったので書き出したという)

僕的カエル研究全盛期である大学院生時代とその直後は田んぼに出かけてカエル捕まえてきて、持って帰って実験して、撮影したビデオをみながら解析するみたいな日々を生きていた。カエルに合わせて生活時間を夜型にして実験も夜にやって朝に帰ってきて寝るみたいな生活もしていた。フィールドで一夜を明かすことも少なくなかった。

また、同僚にはいきもの好きが多かったので調査に同行させてもらって山の中歩いてみたいなこともした。海外で調査したのもいい思い出である。

ところが、いまはパソコンで完結する仕事になってしまった。データもほかの人が苦労して集めてくれたデータだし、自分の仕事としてはPCで数値をもとにあれこれ解析することが仕事なので、マジでフィールドに行かない。気付いたら1週間机の前から離れてないなあという時もある。

そんな日々を過ごしていると「もう完全にフィールドから離れてしまったな」と感じざるを得ない。コロナもあったせいで、そういったフィールドに出かけるイベントに参加することも難しくなったのが追い打ちをかけている。カエル研究者としての軸足をまた元に戻せるような日々がくるのだろうか。少し怖い。

だが、いまの仕事も実際問題楽しくはなってきた。頑張って頑張って構築したプログラムがなかなかうまくいかず、何日も頭をひねり続けた結果、あるひらめきで無事に動くようになったりするのは誇張抜きでガッツポーズして叫んで喜ぶほどである。

なので、現状に不満があるわけではないが、いわゆるフィールドワーカーという路線から外れてしまったなという少し寂しい気持ちを胸にしまいつつ、いつかまたフィールドでバリバリ仕事できる日々を夢見ていまの仕事をがんばるのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?