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「エライ人」

偉くなった人が 目の前にいた
偉くなった人は 僕とは目を
合わさない
僕と目を合わす 必要がないから
こちらも目を 合わさない
合わせたくない から
 目をそらす
微妙な距離感で すれ違う
その場は 終わりである

偉くなった人でも
 僕に頭を下げる人がいる
心が軽くなる

この人はもっと 偉くなるかもしれない
もっと偉くなって いいだろう
やっぱり 偉くなる人は
違うね
どんな人にも
不快感を抱かせない 
敵をつくらない 
そのうえで やることはやる
だから
偉くなれる
偉くなっていく
     
そのことは
ずいぶん人の下で 

働くうちに
気づきは する

だけれど

自分は気づかないまま
年月だけが たっていった

今さら 気づいたところで
どうにも
ならない

僕は偉くなった人の前で
目をそらす

だけだ
     
たぶん きょうも そらすだろう

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