「もう1人の存在」
私に出番はない
カメラのレンズが私を捕らえることはない
私はサブ 控え
何かが起きない限り
勝負の場に 私は呼ばれることはない
それでも私はチームの一員
私が持ち 私がやるべき
役割はある
それを自分のもの
自分の役割を全うすることで
チームが機能している
自分のなすべき役割を
ひたすら果たす女性がいる
チームは5人
テレビに映るのは4人
残った1人
その名を 石崎琴美という
女子カーリング ロコ・ソラーレの一員
160センチに満たぬ小柄なチームメイトの中
石崎だけが170センチ近い長身
年齢も10歳以上年上の43歳
既に冬季五輪メダリストとしては女子最年長が決まった―
金メダルへ あと1勝
沸き立つ拍手の音の向こうに
もう1人の女性がいることを知った
そんな もう1人が
そこかしこに居る
世の中は 社会は 組織は
そんな もう1人がいるから
転覆することなく 存在し続ける
※写真はスポーツニッポンより。右が石崎
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