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「幸福を祈った男」

平日の昼間
映画館内は8割ほども席が埋まり
その中から
鼻をすする音が途切れない
涙なしには見られなかった――

戦後9年近く
シベリアに抑留され
彼の地で死んだ男がいた

彼は 日本に残る家族に
幸福に 幸福に暮らしてくれ
と 安寧を祈り続けた

しかし
彼の地で病を得て
故国の土を踏むことはなかった

彼は
戦後のシベリアの地で
何を考え
どう行動したか

その世界に置かれたら
人は
自分は
果たして
どう生きるだろう

本当にあった話
彼の姿
彼を思う人たちの姿に
ひたすら涙する

70年以上前の話を
映像化する困難を
監督 演者らが
見事に乗り越え
作り上げた力作

それに拍手したい

あの世界を思い
希望を捨てずにいること
生きようとすること…
幸福を願い続けること

ぼくが月に1度通う
カルチャーセンターが入るビル
その中に
「平和祈念展示資料館」がある
そこに行けば
彼らの過ごした世界が
少しは わかるだろう

ラーゲリより愛を込めて

映画ドットコムレビュー


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