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【詩】「はなたれ」

自分の体験とそこで感じたもの
それを言葉に記して
初めて詩が成り立つ
ときに
目に映るものを 立体的にスキャンして
耳に入るものを 言葉に変換して
詩にしてゆく

思いと言葉が
湧き水のように
どんどん どんどん
次から次へと
露わになって
指先のペンは
走って走って 思いに追いつこうと
文字をノートに残してゆく

できはどうであれ
湧きあがる思いを言語化する
ふうふう言いながら
文字をつづっていたときがあった

だが
いつの間にか
その感覚が遠のいてしまい
ノートにメモしたことがらも
ひとつひとつがばらばらで
生き生きとした意味を持つこともなく
文字は死んだ記号でしかない

困った困った

言いながら
詩が書けないことをごまかしている

詩歴はわずか3年で
洟垂れでしかないのに
実年齢だけは還暦もとっくに過ぎ
「ちゃんとしたもの」でないことが
ひたすら恥ずかしい

きょうも厚かましく
文字をつづった

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