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いつでも来ていいところ

診療所、病院、クリニック、いろんな呼び方で表される場所は、病気になったときに行くものと思われています。普段、健康な人はめったに行くことはないので、あまり恩恵を感じることはないのかもしれません。このコロナ下でやっと医療関係者が陰ながら頑張っているということが知られるようになりましたが、今度はあまり近づきたくないところになってしまいました。

そんななか、病気じゃない時も来ていいですよというのが私達のやろうとしていることです。私が専門とする家庭医療は、その人のライフサイクルに応じた医療を提供しています。15歳なら15歳の、45歳なら45歳の、85歳なら85歳の、それぞれの病気の予防の方法があり、それを話すだけでも1時間ぐらいはすぐ経ってしまいます。 病気が何もなくてもそれぐらい医師と会うことは大事なので、定期的に来てくださいねとお話しています。

この1年ぐらいで、医療との関わり方が全く変わってしまいました。ある方は感染症が抑え込めない状況を見て全く医療が信用ならないと思ったでしょうし、ある方はオンライン診療を通じて新たな医療の利用方法に気づかれていました。いま、私達が問題としているのは、普段ならきちんと通院していたような人たちが行くことを控えてしまい病気が悪化していることです。高血圧や糖尿病などのよくある病気すら放置されていたり、予定されるはずの予防接種が延期されていたりします。

いつでも来ていいとはどういう意味でしょうか。もちろん、病気になったらすぐ飛び込めるというのは急病の際にはとても必要なものです。しかし、医師不足や過重労働の問題から、すべての病院がいつも空いているというのは現在ではまったく無理な話でになっています。ですから、急がない症状の方は時間を守って受診をしていただくのがまず前提にあります。ここで言いたいのは、普段から医療機関に慣れておいて、いざというときにも抵抗なく行けるようにしておいたらいいのかもしれないということです。主治医とできるだけ仲良くなって、雑談もできる雰囲気になっていれば、ちょっと言えないような体の不調のことも相談しやすいはずです。ただ、そういう関係になれる主治医を見つけるというのは、なかなか難しいことのようです。医師側も少しずつ意識が変わってきており、より患者さんの側に立って考える人が増えているように思います。両者の歩み寄りが医療がかかりやすくなるには必要なことです。

まる福ホームでは、できるだけ来院しやすくなるよう、だれでも本を借りられる「まちの図書館」や、お子さん向けのガチャガチャのサービス、病気以前の予防意識を自然と高めてくれる「健康づくり応援」、頭と体をフルに使った「シナプソロジー®」などを行って、あそこに行ってみたいと思ってもらえるような場所づくりをしています。特に、家に引きこもりがちになっている状況下では人と話すことも少なくなってしまい、普段より運動不足になってしまいがちです。ちょっとクリニックに寄って話していこうかと思えたら、少しは気分も晴れるのではないでしょうか。よろしければいつでもお気軽にお寄りください。コーヒーをご用意してお待ちしております。


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