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【運営メンバー紹介】デザイナー眞鍋玲|町プロタウンへの思いと期待

町プロタウン運営メンバー(クルーと呼びます)を紹介するシリーズです。第4弾は、町工場プロダクツの運営全般を担っている眞鍋玲さん。

町プロタウンは、2024年春にスタートした新しいオンラインコミュニティです。町工場がつくる「町工場プロダクツ」が発展した取り組みで、町工場とファンをつなぐ場になることを目指しています。

「共創とイノベーションを創出し、社会に還元していきたい」という思いを持つ眞鍋玲さんに、町プロタウンや町工場プロダクツについて伺いました。

プロフィール

眞鍋玲(合同会社メイカーズリンク業務執行役員・町工場プロダクツ事業運営)
デザイン制作会社、精密機器メーカーで工業製品のデザイン、販促物制作を経験。 その後独立し現在は、日本全国の製造業・町工場の製品開発デザイン支援・販路開拓・販売支援に取り組んでいる。2022年メイカーズリンク役員就任。2022年デザイン会社メイクスアンドシングス創業。千葉県よろず支援拠点コーディネーター。

インスタグラム

広がる可能性!町工場プロダクツから「町プロタウン」へ

——最初に、町プロタウンができる前から取り組まれていた、町工場プロダクツについて教えてください。

町工場プロダクツは、「おやっさん」の愛称で親しまれている栗原精機会長の栗原稔さんが発起人となり、取り組んできた事業です。自社製品の開発や販売を通して、町工場の活性化を目的としています。私は、2021年から運営を担当しています。

——どのような取り組みをしてきたのですか?

もともと町工場プロダクツでは、ギフトショーに出展して、自社製品を発表するということをしていました。

そこから、町工場が自ら行動し、発信を始めたら、応援してくれる人が増えていって。それまで気づかなかったアイデアや可能性が見えてきたんです。何度も、ゼロが「1」になる瞬間を目の当たりにしました。

今では100以上の町工場が参加して、さまざまな商品が販売されています。渋谷のロフトで販売が決まったり、テレビで取り上げられたりして、それまでもがいていた町工場が輝きを取り戻していったんです。

——それはすごいですね!そこからどのように、町プロタウンにつながったのですか?

これって、町工場だけじゃなくて、誰にでも起こり得るんじゃないかと感じました。そんな取り組みを、業界関係なくできたらいいなって、おやっさんともよく話していました。

そんなときに、おやっさんがPodcast「働き方ラジオ」に出演したことで、コミュニティづくりや運営実績がある田中健士郎さんに出会ったんです。そこから「できたらいいな」という思いが現実になっていって。町工場とファンをつなぐ、町プロタウンができました。

町プロタウンは、町工場やモノづくりに興味がある方、デザイナー、町工場を応援したい方、どんな立場の方でも参加できます。

◆町プロタウンのコミュニティ運営を担当する、田中健士郎の紹介記事はこちらからどうぞ▼

おやっさんとの出会いはキーホルダーの製作

お互いを支え合って、町工場プロダクツ〜町プロタウンをつくってきた

——玲さんとおやっさんの出会いは何ですか?

最初に出会ったのは、私が前職の精密機器メーカーを辞めて、フリーランスとしてとあるメーカーの新規事業を手伝っていたころです。

2017年にそのメーカーの活動の一環で代官山の蔦屋書店ギャラリーで行われた町工場の物販イベントに参加しました。その会場に、出品メーカーの一員としておやっさんが来ていたんです。おやっさんの周りは、オシャレなイケオジがいっぱいいて、みんなキマってたんですよ。代官山だから気合を入れていたのかもしれませんけど(笑)

そのときは、まだおやっさんの名前も知らず、雲の上の人って感じでした。

◆町プロタウン発起人「おやっさん」こと栗原稔さんの紹介記事はこちらからどうぞ▼

——どのように関係が始まったのですか?

お手伝いしていたメーカーが、金属をテーマにしたカフェを経営していて。そのカフェのオーナーが、当時からFacebookを通じておやっさんの発信力を知っていたんです。それで、おやっさんを登壇者として招いたトークイベントを開催しました。

その際、イベント期間中に販売するコラボキーホルダーを商品化したことがきっかけです。

全部オリジナルデザインでつくると時間がかかるので、以前おやっさんが手がけたキーホルダーにカフェのロゴを入れさせていただきました。あっという間にできたので「話が早い!」みたいな感じになりましたね。

——町工場の技術とデザイナーさんのコラボレーションから商品が生まれたんですね!

そうですね。ただ、こういうケースは少ないかもしれません。商品開発では、デザインや素材、技術などを追求することも多いので。このときは既存のキーホルダーをアレンジすることで、手間をかけずに早さ重視でつくりました。

町プロタウンで「町工場 × デザイナー」の受発注を目指したい

アイデアを町工場の技術と設備で形にしてもらう・これ以上の環境はない

——町プロタウンは、デザイナーさんにも参加してほしいと聞きました。どんな思いを描いていますか?

デザイナーの参加はとても重要だと考えています。デザイナーには多様な考え方があり、商品開発の方法もさまざまです。

先ほどのように、効率性を重視することもあれば、細部まで徹底的にこだわるものもある。それぞれに価値があり、異なるからこそ、新しい発見が生まれると思います。

——「町」だからいろいろなタイプの人がいたほうがいいですね。

そうですね。まさに「町」という言葉が示すように、多様なデザイナーの個性や専門性が発揮されれば、町プロタウンの強みになる可能性があると考えています。

新しいことにチャレンジしたい人や、育児などで仕事から離れていたけど復帰したい人など、さまざまな人に町プロタウンの活動を知って、関わってほしいですね。

——デザイナーとして、町プロタウンに期待していることはありますか?

デザイナーと町工場は、お互いに受発注する関係になれると思います。町プロタウンでは、相互に発注し合う仲になって、「回す」ということをやっていきたいです。

「つくりたい」「こんなのあったらうれしい」を、どちらか一方ではなく、相互に知恵や技術を使ってサポートできるような場になってほしいです。

チームで実現した「町プロタウン」リリース!

デザイナーと協業し、制作してもらった町プロタウンのロゴとLP

——2024年4月24日、町プロタウンのリリースを迎えてどんな気持ちでしたか?

ほっとしたのが9割でしたね。残りの1割は想定外の出来事に備えて、どっしり構えていようと思っていました。

私の本業のデザインという仕事の領域柄、新規事業が多く、いつもリリース後は安心と不安が半々くらいだったんです。責任範囲が広く、自分次第で良くも悪くもなるので、今後の対応を常に考えていました。

今回に関しては心理的な負担がかなり少なかったです。

——チームで動いたことも影響していますか。

町プロタウンの運営を手伝ってくれる、テクニカルなメンバーがいたことがとてもよかったです。チームだと想定外のことが起きても、自分で全部やらなくてもよくて、みんなでシェアして解決策を見つけられるんです。

——私たち(SessionCrew)も協力して、運営したいと思います。思いついたことはどんどん言ってくださいね。

今までは、私もおやっさんも、「できないことは言わないほうがいい」と思っていた時期がありました。とくに私は、仕掛けたいことがあっても、自分のリソースに余裕がないと諦めることもありました。

それが最近、「言ってもいい」に変わったんです。町工場とデザイナーにできることの概念も変わって、できることが増えた気がします。

私がコミュニティを実装するんじゃなくて、できる人と一緒にやれば可能性が広がる。それを他のことに転用できればと思っています。

——町プロタウンが気になっている方もいるかもしれません。最後に伝えたいメッセージがあればお願いします。

町プロタウン開始から今日で3ヶ月しか経っていないのですが、濃ゆいです。今までも関わってくれた町工場の何社かと、新たに出会った町工場、そして専門家や個性的な事業者さんがBiz.会員となり次から次へと立ち上がる新しい取り組みに食らいついて自社製品開発の成果を上げようと奮闘しています。

そして今までも応援してくださった方々はFansメンバーとなりファンならではの視点でアイデアを出してくれています。すでにオンライン/オフラインでの交流会の機会やSlackを駆使した交流では、つくづく「町プロタウンの人たちって本当面白いなぁ〜」と実感しています。

町プロタウンはまだ始まったばかりの小さな町です。少しマニアックだけど知的好奇心をくすぐりながらワクワクできる場として試行錯誤しながら継続していけたらと思っています。気になる方はご気軽にお問い合わせください。カジュアル面談も随時受け付けていますのでお話ししましょう。

編集:坂本リサ
執筆:藤本ゆう子
校正:森真弓
写真提供:メイカーズリンク


最後までお読みいただきありがとうございました!

2021年より活動を始めた「町工場プロダクツ」がさらに発展し、新しいオンラインコミュニティ「町プロタウン」が2024年4月にスタートしました。

町工場以外のどんな立場の方も関われるしくみができました。町工場のみならず、さまざまな業界、町工場が作るモノが好きで応援したいという個人ファンの方もご参加いただけます。

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