「映画を早送りで観る人たち」ファスト映画、ネタバレーコンテンツ消費の現在形を聴いて


Facebookでこの本を紹介してくれた方が「いい意味で裏切られました。」「すごく勉強になりました。」「Audibleマニアのみなさん、ぜひお薦めします。」とあったので私も読んで(聴いて)みました。

Audibleで早や聴きをしている自分にとって関係あるかな、でも、若者の状況を描いた本だろうなくらいの気持ちでスタート。自分が気がつかなかった事が次々と出て来て参考になりました。(1.5倍~2倍速で聴きました)

<現状の確認>
若い人たちの置かれている状況を改めて確認。
親の世代の仕送り額に比べて4分の1になっている仕送り金額。
大学の出欠も厳しくなっている現実の中で、時間がない。
目の前の成果に追われる、SNSでのつながりを保ちたい。
時間とお金がない中では、早送りででも観ておかないと仲間外れになってしまう心配。
つまらない作品に時間を奪われてしまったらもったいない。
失敗はしたくない。
無駄な事をやってはいけない。(キャリア教育の影響)
結果に結びつかない事はやらない。
ネタバレでも構わないというより、結末を知ってから観ると安心。
その方が無駄が少ない。
観るのは快適な気持ちになるためだから、いやな気分がするような作品は観ない。
鑑賞ではなく消費。
コストパフォーマンスとタイムパフォーマンスから早送り。
評価が確立しているものに乗りたい。

<制作する側は>
そうした状況で制作する側が内容、構成で早送りに対応するように工夫している。
どうやったら観てもらえるかを考えている。
最初から結末を示す、音楽でもすぐにサビから始まるように。
状況をセリフにする。(映像を見ればわかりそうな事でもセリフにする)
セリフを字幕にする。

<若い人たちを批判するのではなく>
このネット社会で若い人たちにどうやったら通じるかという事を考えるのに参考に。
若い人たちだけでなく、幅広い人たちに伝えるのにも参考に。
我々が当たり前だと思ってやってきた事が通じない社会になっているという事がわかりました。
でも、無駄を省いて生きていけるわけではない、現時点の失敗と思える事も意味があるんだという事も知って欲しいなと感じました。

※そして、なぜ自分たちのやっている事、言っている事が「正しいのに」通じないんだろうと感じている大人たちにこの本は参考になると思います。


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