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小児・高齢者・障がい者へのリハビリから対外的な業務まで。まちおかで理学療法士として働く魅力とは?

まちおかでは、様々な年齢や目的の方に向けて日々リハビリを行っています。リハビリを担当するのは、当院の理学療法士。リハビリだけでなく、カンファレンスへの参加や診察の同伴や評価のサポート、外部の業者や特別支援学校とのやり取りなども行っています。

「ただ教えられるだけでなく、自分なりに考えて業務を遂行できることにやりがいを感じます」と話すのは、理学療法士三年目の高橋さん。褥瘡を減らすためのプロジェクトも担当しています。

「小児や障害を抱える方へのリハビリを実施していて、研究業務などにも力を入れているまちおかは理想の環境です」と話すのは、同じく理学療法士三年目の脇さん。他院から転職し、いまは大学院にも通いながらまちおかでの業務に励んでいます。

理学療法士になって三年目の二人に、まちおかで理学療法士として働く面白さや大変さなどを伺いました。


《プロフィール》

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■高橋さん(左)
理学療法士3年目。新卒でまちおかに入職。褥瘡・栄養委員会に所属し、中心的な存在として、多職種と連携を進めている。

■脇さん(右)
理学療法士3年目。高橋さんの紹介で入職。一般業務に従事する傍ら、業務終了後は空いた時間を活用して、大学院に通っている。


小児だけでなく、幅広い対象に向けてリハビリができる


――まず、まちおかに入職した理由を教えてもらえますか。

高橋:
まちおかに併設されている重症心身障害児(者)介護施設「一二三学園(ひふみがくえん)」で重症心身障害児(者)と接する機会が身近にあるからです。

僕の最終的な目標は、特別支援学級の先生になることです。そのため、重症心身障害児(者)がどのように老いていくのかに興味を持っていました。

また、自宅からの距離が近いのも入職を希望した理由の一つですね(笑)。

脇:
きっかけは、大学の同級生である高橋さんに紹介されたことです。

僕は学生時代から小児や障害児のリハビリに興味を持っていたことに加え、小児だけでなく幅広く学びたいと考えていました。そのうえで、一般病院でありながら小児や障害を抱える方へのリハビリを実施していて、研究業務などにも力を入れているまちおかは理想の環境だと感じたんです。

――二人が小児のリハビリに興味を持っていたのはなぜですか。

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高橋:
大学時代にアルバイトで障害を抱えたお子さんに関わっていたんです。そこで、小児の患者さんと関わる難しさや面白さを実感しました。また、実習でも小児のリハビリに関わり、自分が自然と力を発揮できると感じたんです。そこで、小児のリハビリにより興味が湧きました。

脇:
僕自身、小児喘息があって幼稚園の頃から入院をしていたんです。また、大学の実習で子どもの総合病院に行き、そこで障がいを抱えた子どもと関わる難しさや楽しさを身をもって体感しました。そこから自然と興味を持ちました。

――小児に興味を持っていた人は、大学の同級生にも多かったのですか。

脇:
クラスが40人だとしたら、興味を持っているのは13人くらいでしたね。

高橋:
興味を持つ人は多いけど、最終的に小児を選ぶ人は少ないんですよね。

――そうなんですね。それはなぜなのでしょうか。

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脇:
要因のひとつは、そもそも小児のリハビリができる就職先が少ないことです。また、理学療法士の暗黙の了解として「はじめの入職先は、様々な症例を診れる総合病院にすべき」という考えが浸透していたことも影響していたと思います。

高橋:
大学の先生たちも「時代的なニーズの高い、高齢者を診れるようになるべき」と考える人が多いんです。

脇:
僕たちの大学で小児の人気が高かったのは、教えられる先生がいたからだと思います。じつは、小児のリハビリを教えられる先生は少ないんですよね。

また、実習は学校の先生同士の繋がりがあるところに行くようになるのですが、僕たちの大学の実習先で小児があるところは2ヶ所くらいしかなかったです。

以上の背景から、小児のリハビリを経験することなく卒業する人も多いのだと思います。

――なるほど。そもそも小児のリハビリを学んだり経験したりするチャンスが少ないんですね。二人は学生時代の自分に助言するなら、同じ選択をするように言うと思いますか。

高橋:
同じ選択をすると思います。僕はあまり先生の言うことを聞くタイプではないので、王道の大学病院がいいよと言われても反発しちゃうと思うんです(笑)。

まちおかに僕たちが入職したとき、先輩は「〇〇しなさい」という教え方をせず、ある程度自由に働ける部分を設けてくれていたんです。その教え方が僕にはとても合っていました。そのため、僕は今の選択に満足しています。

脇:
僕は行きたいところに行けば、それでいいと思います。

生まれながらに障がいを持っていて、そのまま成長する方も多くいます。

障がいは大人になったからといって治るというものではないので、0歳から高齢になるまで、長い時間の中で、経過を観察する必要があります。

障がいを抱えた方を幅広く診れるようになりたいなら、まちおかを目指したらいいと思います。


18歳以降のリハビリも、まちおかでならできる


――まちおかでの仕事でやりがいを感じるのはどんなときですか。

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脇:
障がいを抱えた方のが成長するイメージを持ちながら、リハビリを行えるところです。

まちおかでは小児から成人の方まで診ていて、18歳以降の成人の方にもリハビリを行っています。成人の方のリハビリを経験することで、小児の患者さんに対し今後の姿を想像しながら接することができるんです。

障がいを抱えていることで起きる問題は、学校と職場では変わってきます。そのため、いまだけでなく未来のことを考えてリハビリを行うことができるのはとても良い点だと思っています。

――リハビリは、5歳から始めたとしたら20歳くらいまで通い続けるものなのですか。

高橋:
そういう方は療育センターと呼ばれるところに通うことが多いですね。18歳までは一か月に一回くらいの頻度で通い続けることができるけど、18歳の成人を境にその頻度が下がりやすいです。ある程度自立した生活が送れるようになると、そこでリハビリが打ち切りになってしまうこともありますね。

――その場合、18歳以降の人がまたリハビリを受けようと思ったら新しいところを探すようになるのですか。

高橋:
そのままリハビリに行かない人もいますね。でも、リハビリを行う者としては、そういう人こそ診なければと思います。

脇:
18歳以降に何年もリハビリに行かなくなり、歩けていた人がで歩けなくなったり身体に異状が出てしまったりして、まちおかに来るケースも多いんです。


障がいを抱えている方が感じる、町田の暮らしにくさを軽減したい


――なるほど。高橋さんはまちおかでどのような場面でやりがいを感じますか。

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高橋:
町田市内に行くと、車いすの方など障がいを持った方にとっては暮らしにくい部分があり、その点を課題に感じています。訪問介護に行って、利用者の方に「町田は住みにくい街だよね」と言われたこともあります。

僕は幼少期から町田で暮らしていている身として、障がいを抱えている方にとっての暮らしにくさを減らしていきたいと思っています。まちおかでは、リハビリを打ち切られた人への対応など、課題に対してできることをやれている実感を持てています。

あとは、様々なチャレンジをできるところが良いですね。医師や看護師は決まった働き方がありますが、理学療法士はあまり決まった働き方はありません。人に教えられて何かするのではなく、状況に応じて「いまできることはなんだろう」と考えながら働けるのはやりがいを感じます。

――高橋さんは褥瘡を減らすためのプロジェクトも担当していますもんね。3年目で病院全体のプロジェクトを実行するのは、珍しい体験なのかもしれないですね。

高橋:
そうですね。貴重な体験ができていると思います。

脇:
経験が浅いうちから様々なことに取り組めるのは、まちおかの特徴とも言えると思います。

――二人とも、すでに即戦力となってますよね。少し任せすぎなところもあるかもしれませんが……(笑)。


他職種間で衝突することがあっても、お互いの意見を尊重する


――まちおかでの課題や葛藤を覚える部分はありますか。

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高橋:
課題は様々なものが挙げられます。職種で重視するポイントが違うので、衝突することもあるんです。たとえば、エアマットを導入する際に誰を優先するかで職種が違う人同士で意見がぶつかった経験があります。マットの数も限られているので、優先順位は重い決断だったんですよね。

――衝突が起きたときはどうしているのですか。

高橋:
衝突が起きるのは、どちらかが間違っているわけでなく視点が違うからだと思っています。そのため、お互いの意見を尊重して妥協点を探すようにしています。

脇:
高橋さんが院内のことを高橋が話してくれたので、院外の課話をしますね。幅広いことをやるのはやりがいがある一方で、症状も多種多様で家族がどれくらい協力的かなども異なり、人それぞれ対応するポイントが違うので大変です。

たとえば、年齢は3~4歳から60歳くらいまでいます。状態は歩ける方もいれば補助が必要な方もいます。また、目的もリハビリだけ行いたい方もいれば、ボトックス注射などで足の緊張を和らげたり、様子を診て手術が必要になる方もいます。本当に幅広いです。


病棟リハビリ、障害(児)者リハビリ、外来リハビリ


――普段の業務の一日の流れなどは決まっているんですか。

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脇:
理学療法士は基本的にリハビリを行う点は変わらないのですが、その内容は人によって異なります。それぞれ、高齢者が対象の療養病棟、障がいを抱えた方が対象の一二三学園、外来の3つがあります。

たとえば、療養病棟のリハビリが多い方は、医師や看護師さんと関わったりカンファレンスに参加したりする機会も多いです。一二三学園でのリハビリが多い方は、医師やケアクルーと関わったり一二三学園の中のカンファレンスに参加していますね。外来のリハビリがが多い方は、医師の診察に同伴したり医師の行う評価を手伝ったり、外部の業者や特別支援学校との予定の調整などを行っています。

――様々な業務に取り組んでいるんですね。比重は自分の意思で変えられるんですか。

脇:
希望があれば調整はされますが、全体の人数が少ないので基本的には病院の都合でスケジュールが決まります。それぞれのタイミングで出来る人が担当します。

――病棟なら他職種との連携、一二三学園なら医師やケアクルーとのやりとり、外来なら対外的な業務と、内容の異なる業務を全て担当するのは大変ではないですか。

高橋:
僕は他のところで働いたことがないので比較はできないですが、この仕事はこういうものだと捉えています。むしろやることが多い分、好きなことができる機会も多いのがうれしいです。


忘れられないのは、「久々に歩けて良かった」と言ってもらえたこと


――印象に残っている患者さんはいますか。

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脇:
元々障がいを抱えていてリハビリを行っていたものの、18歳を超えてリハビリの機会を持てなくなり、歩けなくなってしまった方がいました。その方はまちおかで再びリハビリを行った結果、歩けるようになったんです。

すると、本人も親御さんも「久々に歩けて良かった」と言ってくれて……。本人は上手くコミュにケーションを取れる方ではなかったんですけど、表情の変化を感じられました。そのときのことは忘れられないですね。

高橋:
二人います。一人は、がん末期の患者さんです。新型コロナウイルスの影響で家に帰してあげられなかったんですよね……。仕方がないとはいえ、心残りがあります。

二人目は、手術が必要になった患者さん。手術を必要とする患者さんの担当は初めてだったので、自分のなかでトライ&エラーを繰り返していました。その方は「これができた」「これはできない」と逐一教えてくれる方で、日々の変化を感じられたのが新鮮でした。


リハビリの知見を深め、自分以外の人にも価値を提供できる存在になりたい


――今後の目標はありますか。

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高橋:
冒頭でも言ったように特別支援学校の先生になる目標があるので、日々の勉強と業務を頑張りたいです。まちおかにきた理由の一つは、人の老い方や亡くなり方を知りたいという思いがあるからなので、まずはその過程を理解し、自分の中に落とし込みたいです。

また、まちおかにいる方は様々な経験や知識を持っているので、一緒に働くなかで盗めるものは盗んでいきたいですね。

脇:
学生の頃からやってみたいと思っていた、障がいを抱える方のリハビリを担当できているので、勉強や研究をしてもっとリハビリに詳しくなりたいです。

働くなかで見つけた課題や問題は自分だけで解決するのではなく、周りに問題提起するなどして病院側に価値提供できるような存在になりたいです。

障がいを抱えた方の研究はまだ余地があると感じていて、自分がリハビリを行うなかで参考となる指標がない状態です。それは僕だけでなく他のところでも起きていることだと思うので、自分だけでなく他の方もリハビリをするときに活かせるように、研究結果を提供できるようになりたいです。

今後は臨床と研究、どちらもできるようになるのが目標ですね。

学びの姿勢を保ち続けている方と、一緒にまちおかが抱える課題に取り組みたい


――まちおかで一緒に働くとしたら、どのような人に来てほしいですか。

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脇:
まちおかは職場の名前や体制が変わった影響もあり、障がいを抱えた方を専門に診ている人が少なく、人手が足りていないです。だから、一緒に障がいを抱える方のリハビリを担当してくれる方が来てくれたらいいなと思います。

高橋:
いつまでも初心を忘れないでいられるような、自己研鑽できる人でしょうか。僕もそうでありたいと思っています。常に学びの姿勢を保ち、目の前のことに対して疑問を持てる方と、一緒にまちおかが抱える課題に取り組めたらいいなと思います。

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今回のインタビューでは、理学療法士としてまちおかで働く魅力を伺いました。高橋さん、脇さん、ありがとうございました!

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