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アンサイレントモード Vol. Iを観て

ケルビンウォン(Kelvin Wong)さんがプロジェクトリーダーを務めて
いらっしゃる

アンサイレントモード Vol. I(Unsilent Mode Vol. l)
マルチメディアパフォーマンス ワークインプログレス

作・演出 Kelvin Wong
出演 杉本音音、Millie Sale、陳祖舜
https://www.unsilentmode.com/ja

を観てきました

感想というより私のための備忘録的な文章を残しておきたいと思います

◆舞台表現の素晴らしさ

様々なシチュエーションで映像と文字が映し出された
スクリーンをバックに生身のダンサーが1人で表現
する形式の舞台

ダンサーは杉本音音(Sugimoto Neon)さん

ダンサーの卓越した身体表現で
映像と実在のつながりをとても自然に
感じることができたことに驚かされました

インターネット上での出来事と人の心の動きを
違和感なく体感できる特別な空間を創りだしていて
素晴らしかったです

ダンサーは身体表現だけでなく言葉も発しておられて
物語の中の誰かを演じるのではなく
現代の日常を生きる誰かを演じているような感じで
今回の舞台にはぴったりな印象を持ちました

◆問いかけられたテーマ

テーマは現代を生きる我々に様々な問いかけをしてくれているように
感じました
観ていて少し心が締め付けられるような
でも目を背けてはいけないような
そんな感覚でした

特に印象に残った問いかけはこんな感じでした

  1. 国家レベルの視点の高さは個人レベルの低い視点に引き寄せられているのでは?

  2. 現実空間はネット空間の空気感の伝わらなさに引き寄せられているのでは?

  3. 情報の送り手は受け手の低い温度感に引き寄せられているのでは?

◆我々はどこにいるのか?

今まで経験したことがないほどの情報化が
個人レベルでも急速な勢いで進んでいる社会はおそらく未成熟で
「個人」「ネット空間」「受け手」というキーワードで表現できそうな
ある種の誘惑に我々の社会は飲み込まれていっているかもしれないと
感じました

個人的に感じた生理的な感情の動きに左右されて
それを抑えきれず個人レベルのみならず国家レベルの
衝動にまでつなげてしまうかもしれない危うさ
それが相手を傷つけるかどうかも考えることもせずに
投げつけた言葉や行動は投げつけた本人から
すぐに消えようとしてもそれを止めようともせずに

何世代か後の人類は現代の未成熟な情報化の時代を
ひどく幼いと思うだろうか?
それとも自分たちが生きているうちにその幼さを
乗り越えて成熟したものにできるのだろうか?

そんなことを考えさせてくれる素晴らしい舞台に感謝します

それではまた

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