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「#9 春に飲むチャイ」の話

2020年の終わりに出版したチャイの本『ChaiBook』。

全27レシピ、本には詰めきれなかった部分をひとつひとつnoteで書いていこうと思います。

ChaiBookについてはこちらを読んでみてくださいな。https://note.com/machimachimacchi/n/n6d453d392d4f

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第一回目、今回は「#9 春に飲むチャイ」の話。

ChaiBookの38ページ。

春はもう過ぎて梅雨になりました。でも今なんとなくこのチャイの話がしたいんですね。なんででしょうか。

季節や環境によって飲むチャイを変えるというのは、私の中でも好きなチャイのあそび方のひとつです。スパイスの師匠メタ・バラッツさんがある日ハーブを使った涼しげなチャイを作ってくれて「そういうのもいいんだ!」とワクワクしたのがはじまりでした。いつものチャイもおいしいけれど、日本にはうつくしい自然と四季のうつろいがあり、飲みたい味もまいにち少しずつ違うことに気がつきました。本をつくる時に、必ず入れたいなと思ったのが「四季のチャイ」のレシピでした。

春のイメージはこんな感じ。

”まだ冷たさの残る風に揺れる花。あたたかい日差しを浴び笑うように咲く。緑は少しずつ土を剥いで芽が吹く、意志のある躍動感。「ようやく表に出るぞ」というやる気がみなぎる。”

人間としては、春はまどろんでいたい気持ちと前向きな気持ちが混ざっているように思います。動物もそうかな?植物はもうやる気満々で、うずうずしているのが溢れ出ているような。笑

入れたスパイスは、ジャーマンカモミール、クローブ、生姜。

ジャーマンカモミールは、お花。やさしい香りでリラックス、全身を包むようなほわっとしたあたたかさをくれます。

クローブは、花の蕾。花ひらく前のパワーをぎゅぎゅっと溜め込んだ集中したエネルギーがあります。向かう先を定めるような意志をまとめていく力。お腹の底から広がるあたたかさを感じます。

生姜は、根。しっかりとした根を大地に張って、力強くパワーを持ち続ける忍耐力、底力のイメージ。こちらもからだをあたためてくれますが、自分が持っている熱を底から引き出してくれるような感じがします。

春は冬に溜め込んだいろいろな感情やからだの毒素が出やすい時期といわれています。からだをあたためて代謝を上げ、リラックスで手放せたら、という思いからブレンドしました。

どれもがからだをあたためてくれるスパイスやハーブです。でもそのあたたまり方や色合いは違うもののように感じて、それもまた面白いところです。

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<効能>

ジャーマンカモミール:KP-(過剰摂取の場合V+)/リラックス、安眠、消炎、鎮痛

クローブ:V-, P+, K-/抗菌、鎮痛、消化促進

ジンジャー:VK-, P+/血行促進、代謝アップ、消化促進、吐き気

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では、また次のお話しで。

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